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12人の少女 最終計画  作者: ヤマネコ
始まり
25/164

2020 9/3(7)

今後もよろしくお願いします。

ホテルに戻ると何かざわついていた。エントランスは折り紙の輪を繋げて壁に装飾されていた。伊藤と一緒に手洗いうがいをして部屋に戻ろうとすると緋色と遭った。


緋色「お帰り、今日は亜李の誕生日なんだけど良かったら参加するか?」


理科「え?誕生日?」


緋色「そう。誕生日」


伊藤「あー。今日だったな」


伊藤が何かを思い出したように後ろ頭を手で搔いている。理科はスマホを取り出して茅野のプロフィールを見ると確かに誕生日が「9月3日」と書かれていた。


理科「あ、ほんとうだ」


緋色「…まぁ、普段接点のない人が誕生日を知っていたらそれはそれで怖いけど。どうする?参加する?」


伊藤「どうする朝倉?」


理科「招待していない人が参加しても困るんじゃない?」


伊藤「…私は招待されている」


理科「え?私はされていないよ」


緋色「…」


伊藤「…」


理科「あ、そういう」


察してしまった。


緋色「星名が目を覚ましたよ。朝倉が帰ってきたら部屋に来てほしいってさ。行ってあげな」


理科「星名さんは参加するの?」


緋色「目を覚ましたけど、まだ辛いみたいで参加しないってさ。伊藤は参加するの?」


伊藤「私はやめておこう。誕生日なんだし、仲の良い友人同士で祝ってくれた方が茅野も気が楽なんじゃないかな」


緋色「そうか。2人は欠席と。またな~」


緋色は楽しそうに笑いながら2人の元を去った後に、伊藤は「私は部屋に戻る」と言って理科の元から離れていった。理科も緋色の伝言通り、星名の部屋に向かう。個人チャットで星名に部屋の前まで来たことを書きこむと、すぐに扉が開いた。


星名『入って』


理科『お邪魔します』


清水に続いて2人目の部屋に入ることになったが、中は見慣れない機械が沢山壁際に置かれていて、床に何かの小さな部品が散らばっている。電気は付いているが薄暗い。本棚もあり、目を向けてみると分厚い本が沢山あり、表紙は機械関連やコンピューター関連、生物や天文学と言ったものが置かれていた。清水の部屋はぬいぐるみで包まれていた部屋で明るい印象があったが、星名の部屋は、無機質な物ばかり置かれていて冷たい印象があった。


星名はベッドで横になりながら、何かの本を読んでいた。理科に気付くも本を閉じないで、読み続けている。とりあえずベッドの方に寄ろうとすると


星名「その辺尖っている部品が転がっているから気を付けて」


こちらを見ないで本を見ながら注意をしてきた。人を呼ぶなら最低限の掃除くらいしろよと思ったが、目が覚めたばかりで身体を動かすのも怠いのかなと1人で納得して怒りを抑え、足元に注意を向けながら部品を踏まないように歩く。


星名「来てくれてありがとう」


読んでいた本に栞を挟んで閉じる。閉じた本は星名の寝ている枕の横に置かれた。星名は寝ている体勢で話しかけてくる。


星名「寝た体勢で話しかけるのは許してほしい。今は起きているのもキツイ…明日になれば歩くくらいは出来るようになると思うから。朝倉を読んだのは昨日のことを感謝するため。昨日は助けてくれてありがとう。命拾いをした」


理科「それは…こちらこそ…」


星名「他の10人から朝倉が話した内容を聞いたけど、確認の為に朝倉本人からも話を聞きたい。お願いできる?」


理科「…まぁ、良い…ですけど」


理科は星名に昨日の出来事を説明する。


昼休みから少し体調が悪そうになってベッドに寝るように言ったこと、放課後になっても目を覚まさず1時間以上待っていたが起きる気配がなかったこと、保健室の先生に自分が保健室の運用を任されたこと、保健室に来た人は特にいなかったこと、星名が目を覚ました時には咳が止まらなかったこと、星名の身体が熱くなっていて熱を計れと言ったが計らなかったこと、ずいぶんと辛そうになっていて職員室に助けを求めに行ったが誰もいないで職員室に電気が付いていなくて鍵が閉まっていたこと、様子がおかしいと思ってグループの方に助けを求めたこと、保健室に戻る途中にトラックくらいの大きさのてんとう虫が学校内に現れたこと、そのてんとう虫から逃げるために星名を抱えてここのホテルに逃げたこと。


以上のことを星名に伝えると、情報を整理するためか目を閉じて理科の言ったことを所々復唱し始めた。


星名「……。あぁ、うん?…うん…朝倉」


理科「はい?」


星名「清水だけは名前で呼ぶんだね」


理科「社巫女さん?」


星名「そうそれ」


理科「え?」


星名「朝倉いつから清水のことを社巫女さんって呼んでいるの?私の見た限りだけど、朝倉が苗字じゃなくて名前で呼んでいるのは清水だけ。その清水とはいつからつるむようになったの?」


理科「え…っと、一昨日から名前で呼び合うようになって…社巫女さんの方から私の名前を呼ぶようになって…」


星名「清水と話したのは一昨日が初めて?」


朝倉「…そうですね。あの…それが…何か…?」



星名は悩むように唸った後に


星名「…なんでもない。ごめん余計なことを聞いちゃったね。私のせいで他の人たちに疑われたことは謝る。一応起きたときにみんなに朝倉は私を襲っていないことを伝えたけど、反応は結構割れたから…もしかしたら襲われるかもしれない。気を付けて」


気を付けてじゃないよと思ったが、星名も被害者なのだ。彼女を責めることは出来ない。


理科「昨日は朝から体調が悪かったんですか…?」


星名「…うん、呼んでおいて悪いけど部屋に戻っていいよ。ありがとう」


それきり身体を布団で包め、顔まで布団で覆いかぶさってしまった。お大事にと言って星名の部屋を出ようとするが、その前に1つ質問した。


理科「星名さんは…誰の…味方ですか?」


布団で覆いかぶさってしまっているのでどのような表情をしているか分からないが、少しだけ布団が揺れた。答えてくれるかと思ったが、何も言わず寝息を立て始めた。逃げる時に赤目になって能力を使っていたところを見ると、攻撃される可能性も否定できないから何もせず部屋を出ることにした。


部屋を出ると食堂の方が騒がしかった。耳を澄ますと、明坂・茅野・緋色・宮永の4人が騒いでいる声が聞こえた。茅野の誕生日だからお祝いをしているのだろうか…。楽しそうな声が聞こえる。


理科(椿さん・奈那子さん・楓さんは何をしているのかな)


ほとんど交流のない3姉妹のことを頭に思い浮かべる。今の所交流があるのは、伊藤・清水・星名・瀬奈・緋色の5人だ。と言っても交流自体は5人で、濃い関係というと、伊藤と清水だ。星名と瀬奈は何とも言えないが、中くらいの関係と思うことにした。こんな日が経って2日を経とうとしているが、もう少し他の人とも交流を深めて情報を集めるべきか悩むところだ。


理科(もし交流するなら誰がいいか…)


椿・奈那子・楓・明坂・茅野・宮永の6人を思い浮かべる。この中でまだ話せそうなのは…


理科(同じ学年の奈那子さんかな…) 


情報を得たいと思っているが、いきなり情報を教えてと言っても教えてくれるかどうか怪しいものだ。もし必要なら今後は奈那子とも交流をしくべきだと考えて部屋に戻るとすると、理科の部屋の前で体育座りをして扉に背を預けている清水の姿があった。


清水「理科ちゃん、部屋に入れてよ」


スマホを見ると、部屋に来るという書き込みが無かった。今まではチャットを書き込んでから来ていたのに…少し不自然だなと感じる。


清水「理科ちゃん、入れて?」


後ろに花が咲いて良そうな笑顔だが、その花は一体何の花なのか…。


戸惑いながら答えた。


評価・ブクマよろしくお願いします。

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