2020 9/2(3)
椿「みんな集まってくれてありがとう」
明坂「良いってものよ」
茅野「なんで絵美が偉そうにしているの」
緋色「そうだそうだ~」
明坂が椿に返事をしたら茅野と緋色が明坂の背中をドンっと押す。
明坂「わっ!」
衝撃に耐えきれず、前に倒れてしまいそうになるのを宮永が明坂の前に立って壁になった。
宮永「大丈夫ですか?」
明坂「えぇ…助かったわ」
緋色「っち」
緋色が露骨に宮永に対して舌打ちをする。
緋色「宮永さ~、その取り繕い辞めたら?見ているだけで気持ち悪いんだけど」
宮永「なんの話ですか?何か不快な思いをしたら謝りますけど?」
2人とも妙にギスギスとしている。明坂は茅野の方によって彼女の頬を叩いた後満足そうな顔をする。叩かれた茅野は明坂を睨むも、何もしなかった。
明坂「沙耶、美玖。これで問題ないでしょう?」
緋色「…ほーい」
宮永「はい」
そうして4人で固まって話し始めた。他の人も見てみると柊姉妹と清水が仲良さげに話している。星名は瀬奈と何かを話している。伊藤は1人で飴を舐めながらスマホを見ている。
椿「そろそろ時間だし、行きましょうか」
柊姉妹が先頭に歩き、明坂・宮永、茅野・緋色、星名・瀬奈、最後尾に理科・伊藤・清水の順になって歩き始めエントランスを出る。
通学路を各自が雑談をしながら登校している。
長い通学路の暇つぶしとして清水と伊藤と軽く話をしていると学校の近くまで来た。
理科「今日は人沢山いるんだ」
伊藤「それはいるだろう。授業があるし」
理科「昨日、私が学校に来たときはほとんど人がいなかったからさ。まぁ遅刻したのもあるだろうけど」
清水「遅刻だなんて理科ちゃんはおっちょこちょいだね」
理科「そうなんですよ。体育館に向かう時、他のクラスの教室の中を見てみたら、1つもカバンが置かれてなかったんですよ。あれは驚きました」
伊藤「今の話本当?」
清水「それ本当?」
2人の声が重なって驚いた顔をしていた。
理科「え? はい。本当ですよ?」
伊藤「…」
清水「そうなんだ。へぇ~」
理科「???」
なんでそんなに驚いているのかと聞こうと思ったら校舎前に来ていた。他の生徒達も続々と校門を通り過ぎて自分の下駄箱に向かっていくのを見ていると、2人以外の人が自分と同じ制服を着ているところを見るのは懐かしいと感じた。1日会っていないだけなのに不思議と懐かしく感じる。
それぞれ自分の下駄箱に向かう。椿、奈那子、楓、星名、瀬奈、明坂、茅野、緋色、宮永はすぐに下駄箱からいなくなって、それぞれが教室(保健室)に向かったようだ。
カバンの中から上履きの入ったビニール袋を取りだして上履きを履き、革靴をビニール袋に入れてカバンの中に戻した。同じクラスの伊藤を待つか待たないかを迷っていると、3年生の下駄箱から清水が出てきて理科の元にやってきた。
清水「理科ちゃん、髪の毛にゴミが付いているよ。取ってあげるからしゃがんでくれる?」
理科「ありがとうございます」
言われた通り直ぐにしゃがむと頬に軟らかい何かが当たって驚いて横を見るとすぐそこに清水の顔があった。どうやら頬にキスをされたようだ。驚いて顔を真っ赤にしてしまうと清水も顔を真っ赤にしていた。
清水「えへへ」
嬉しそうな恥ずかしそうな顔をしてもう1度チュッと頬に唇をくっつけてきた。
清水「友達だから平気だよね~理科ちゃん?」
理科「そうですね」
少し大きな声で言う清水に理科も頬を緩め返事をする。清水の目を見て微笑み返すと横には不機嫌そうな雰囲気を出している伊藤がいた。
伊藤「……」
頬がピクピクと動いている。
清水「理科ちゃん、また放課後にね~」
清水は理科に手を大きく振りながらスキップをするように自分の教室に向かっていった。
伊藤「朝倉。こっち」
伊藤に腕を引っ張られ人気のないところに連れてこられると伊藤はスカートのポケットからハンカチを取り出した。何をするのかと思えば
伊藤「朝倉。しゃがんで」
理科「え?なんで?」
伊藤「良いから」
かなり苛立った声のように思えた。このままスルーしようと思ったが、ジッと理科の目を見つめてくる。目を逸らそうにも腕を抓られたり、威圧をしてきたので渋々従う。
理科「はい」
清水の時と同じようにしゃがむと、伊藤はハンカチを理科の頬に当ててぐりぐりと乱暴に拭き始めた。
理科「いた! ちょっと!痛いってば! やめてよ!」
辞めるように言ったが、伊藤は何かをブツブツと言いながら強い力で頬をぐりぐりと拭いている。HRの時間になるまで無言で頬を拭かれたら
伊藤「朝倉は保健室だろ?私は教室に行くから昼に会おう」
理科「え?昼?」
伊藤「一緒にご飯を食べよう。問題ある?」
理科「問題はないけど…」
伊藤「ならいいな」
こっちの返事を聞かず教室の方に行ってしまった。
理科「なんだったんだろう…」
痛む頬を手で押さえながら保健室に入って自習用の机に座った。既に星名は自習を始めていた。




