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さようならロン。また会う日まで。  作者: 湖灯


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星空のメロディー③

 肩からオーボエの入ったケースを下げ、手にはリード。

 そしてその先には元気に山道を登るロンがいて、後ろから皆がゾロゾロと着いてくる。


 別に道案内なんてするつもりじゃなかった。


 だいいちこの、丘の頂上に続く道は一本道なので間違えようがない。


 それに私自身、列の先頭に立って皆を引っぱっていくような性格ではない。


 なのに、何故先頭を歩いているかと言うと、それはロンのせい。


 皆が集まって出発するときに、里沙ちゃんが言った言葉が原因。


「賢くてカッコいい犬としての見せどころよ!さあロン皆を案内してあげて!」


 なんて言うものだからロンたらその気になって張り切っている。


 おかげで、皆とおしゃべりしながら楽しく登っていくはずが、まるでエベレストの熟練した道先案内人のように黙々と歩を進めていく。


 当然、私の後ろには体力に自信のある男子たちが続き、楽しそうにおしゃべりしている女子たちの声ははるか後ろのほうで小さく聞こえていた。


「おい、鮎沢。いくら一本道だと言っても少しペースが速いんじゃないか?」


 江角君からペースを落とすように声をかけられ振り向くと。


 私の後ろには江角君と伊藤君、それに茂山さんしかいなくて、その100メートルほど後ろから他の男子がいて、それからずっと離れたところから女子たちらしい懐中電灯の明かりがゆらゆら楽しそうに動きながら着いてきていた。


 不意に茂山さんが「千春ちゃん。部長さんを先に頂上に案内してあげて。準備もあるだろうから」と声をかけた。


 すぐに返事を返さなかった江角君に代わり、伊藤君が「そうですね。皆がいっせいに登ったら誰かが崖から落ちるような場所だと危ないから、先に見ておいたほうがいいな」と言って先に進もうとした。


 すると茂山さんが、その伊藤君の襟をつかんで止めた。


「俺は夜中に一人で歩けないから君は俺のそばにいてくれ」と情けない表情で言った。


「見た目と違って、結構怖がりなんですね」と話しかけると、実は一人でお化け屋敷も入れない小心者なんだと照れていた。


 そして、茂山さんと伊藤君を残して、ロンを先頭に私と江角君が続いて再び坂道を登り始めた。

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