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星空のメロディー②

 これで一旦コンサートは終わり、部長の江角君が挨拶をして会を閉めた。

 そしてこのあとの登山道を登る企画を打ち明けるが、これは道が悪いので大型楽器は持って行かないことと、手持ちのできる楽器でも持って行く人は自己責任として、特に持って行くことを強要もしなければ推奨もしない旨伝えて、この会の片付けが終わったあと再びここに集合してから出発すると皆に伝えた。

 私はロンとのんびり星を見ながら音楽を聴いてロマンチックな気分に浸ろうと思っていたのに、江角君に呼ばれて一枚の楽譜を渡されて驚いた。

 その楽譜は、私が中学校で吹奏楽部に入部して担当の楽器を選んだ理由を発表したとき、他の人が「かっこいいから」とか「綺麗な音色だからとか」「ジャズが好きだから」とか、当たり障りのないことを言っているのに

「この曲のオーボエの調べを聞いてもらい、森林浴を浴びているような爽やかで、前向きな気持ちになってもらいたい!」

 と、まだ演奏も出来ないのに堂々と胸を張って言った曲。

 そして思い出した。

 そのときカッコイイと思っていた男子から「

習っているの?」

 って聞かれて、リコーダーなら小学校の学習発表会で吹いたと答えたとき

「話にならねーや」

 と馬鹿にされたこと。

 言われて、正直嫌だったし、その男子のことを嫌いになった。

 でも、そのせいで「見返してやろう!」と、一所懸命練習してきたから今日があったのだと思う。

 今日、その男子から、この曲の楽譜を渡されようとは夢にも思っていなかった。


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