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山の上のキャンプ場⑦

 山小屋じゃないけれど、山の上のキャンプ場に到着した。

 楽器は借りているコテージにひとまず片付けてテントを張り、それが終わるともう昼食の準備の時間。 その前に携帯を確認すると里沙ちゃんから

『従兄と一緒に行くことになりました!』

 とメールが入っていた。

 従兄ってどんな人だろう?

 ロンを任せても大丈夫なのだろうかと少し不安になる。

 昼食は焼きそばなので美緒ちゃんたちとキャベツを切る。

 夏休み中なので帰省していたり家族旅行や他の予定が入っていたりと、参加できなかった部員もいたけれど、それでも四十七人も集まればキャベツや他の野菜を切る量も半端ではない。

 そして切ったキャベツなどを洗い終わってバトンタッチ。

 調理は男子グループにお任せ。

 男子が起こした火に鉄板を乗せて油を引き切ったお肉とキャベツやニンジンやモヤシにピーマンを炒め、暫くしてソバを入れ、最後にソースを絡めて出来上がり。

 出来上がった時に時計を確認した江角君が「取り掛かって、完成まで七〇分かかっている」と言ったのに対して、伊藤君が「俺たち何部よ!」と突っ込んで皆を笑わせていた。

 特に笑いを取る目的で行ったわけではない江角君は、笑われたことに対して複雑な表情を見せて、それを見てまた皆が笑った。

「彼って、ホント真面目っていうか、チョット硬過ぎだよね!」

 美緒が私の耳元で囁いて笑っていたけど、完成までに要する時間を記録しておくことって、大切なことじゃないのかなって私は思ってしまった。

 私は屹度わすれてしまうけれど、何となく兄なら、そうしそうだ。

 昼食を食べ終わって片付けをしている間に何台かの車の音が聞こえ、一般参加の部員の家族や先生の奥さんが到着した。

 先生の奥さんって持田先生には失礼だけど、勿体ないくらいの美人!

 まだ四歳の男の子も可愛いし。

 先生の奥さんと子供を囲んで暫く遊んでいたときに、もう一台車の入って来る音が聞こえた。

『あれ!?この車の音、なんだか聞き覚えがある……』

 オートキャンプ場ではないので、車の音は聞こえても離れたところにある駐車場に止める車は見えない。

 車の音が聞こえても中々誰も来ないので、ただの通りすがりの車か空耳だったのだろうと思ってお喋りの輪の中に加わっていると、聞きなれたあの声が耳に。

 いや、心の金を打ち鳴らした。

「ワン!ワン!!」

 憧れ色の眼差しを向けると、遠くのほうから大きな男の人をグイグイ引っ張りながら走ってくるロンがフェードインしてきた。

 ロンの横で手を振りながら「お待たせ~!」と言っているのは里沙ちゃん。

 そして体を仰け反らせながら走ってくる男の人は……茂山さんだ!


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