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ロンの病気①(除草剤とペット)
美樹さんがニュージーランドに旅立ってから七か月が過ぎた。
十月になって急に涼しくなってきたある日、いつものように散歩していたとき、ロンが空き地に入ろうとした。
空き地には、私の膝くらいある草がぼうぼうに生えている。
「危ないよ。戻ろうよ」
私が引き留めるのも聞こえない素振りで空き地の奥にぐんぐん入っていくロン。
実は私もロンが何に興味をひかれているのか気になって、言葉とは裏腹にさほど力強く引き留めてはいない。
奥まで行くとロンは止まってクンクンと臭いをかいでいた。
見るとそこには女性用のスキー板が捨てられてあった。
捨てられてまだ新しそうな板だった。
なんでスキー板に興味をひかれたのかと不思議に思ったけど、すぐに何となく分かった気がした。
今、目の前に捨てられているものではないけれど、女性用のスキー板で連想できるのは美樹さんだ。
きっと美樹さんの使っていた板と同じワックスの臭いがするのだろう。
それにしても美樹さんがいなくなってもう半年もたつのに忘れていないなんて賢いし、情がふかい。
私はロンの気の済むまで、そこで付き添ってあげた。





