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さようならロン。また会う日まで。  作者: 湖灯
*****中学校編(ロンとオーボエのはじまり)*****

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美樹さんの秘密③

 ロン用の手作りご飯をいっしょに作ってから、美樹さんはよく家に遊びに来るようになった。


 美女の訪問に毎回ロンは大喜び。

 もちろん私も。

 一緒におしゃべりをしたり、料理を作ったり、買い物に出かけたり、ロンを連れて散歩に行ったり。


 それに美樹さんは私に勉強も教えてくれる。


 たまに兄も教えてくれたことはあったけど、私が間違うたびに言葉には出さないけど兄のイラッとした感情が伝わってくるので正直嫌だったけど、美樹さんは優しくて褒めて伸ばしてくれるタイプなので、私のような"根性なし"にはうれしい存在。


 その日も勉強を教えてもらって、それが終わった時、美樹さんに散歩に誘われた。


 部屋の隅で退屈そうに、あくびをしていたロンが急にいきいきとしだす。


 一緒に散歩に行くのは、最近当たり前なことになっているのだけど、その日私はなぜか緊張しないといけない何か予感めいたものを感じた。


「桜咲く三月かあ……」

 美樹さんはまだ咲き始めたばかりの桜を見て懐かしそうな表情を浮かべて言う。


 それは卒業式を迎えるときに思い出を懐かしむ感情に似ている気がして不安になった。


「美樹さんって、兄と同じ今度の4月で大学四年生になるんですよね」


「……そうよ」


 美樹さんが返事を返すまでのほんの少しの間に気が付いてさらに不安になった。

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