ロンと雪遊び①
兄の車の後ろ座席には私と里沙ちゃんと、その間に座るロン。
そして前の座席には運転する兄と、助手席に座る彼女さん。
「先に行ってて」
インカムで兄が他の車と連絡を取っていた。
車は公園の駐車場に止まり、私たちは車を降りた。
「うわ~さすがに寒いね!」
白い息を吐きながら里沙ちゃんが言う。
「向こうの山、真っ白だもん」
ロンのリードを持った私が、お散歩道具の入ったトートバックを上げて山を指さす。
時間はまだ朝の7時。
今、私たちはスキー場に向かっている。
ロンを散歩させ、里沙ちゃんとおしゃべりしながら、公園の反対側を仲良く歩いている兄たちが気になって仕方がない。
兄の彼女さんは伊藤美樹さんと言って兄と同じ大学の同級生。
前から思っているけれど凄い美人。
今回兄の所属するサークルの同級生でスキーに行く、ちなみに兄のサークルはラクロス。
どうして私と里沙ちゃんが行くことになったのかと言うと、女子で参加するのが美樹さんだけだったので、彼氏の妹である私に白羽の矢が立った。
そして私も一人だけ年下なんて嫌だったから里沙ちゃんを誘った。
ロン?ロンは単なる お・ま・け。





