表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/820

星空のメロディー⑧

 優しい繰り返しのあるリズムを三年間一緒に頑張って来た仲間たちと奏でながら、吹奏楽部に入れて良かったと思った。

 いつも確りしている部長の江角君の横で、頼りない副部長として一体何ができたわけでもなく。

 ただ、おろおろするばかりだった。

 演奏をしながら、皆の奏でる音を聞いていると思いを惜しむような純粋で汚れのない音が空に登って行くのが分かる。

 それは甲本君のバチや、他の打楽器担当者の持つタンバリンやカスタネット、マラカスと言った楽器の音色からも十分伝わってくる。

 ここに来て良かったと心から思った。

 演奏しているのは三年生だけだけど、下級生も含めて思いは一つになれたと実感した。

 最後のメロディーが空に溶けて行ったあと、目から涙が零れ頬を伝う。

 私と同じように涙を拭ってくれている下級生も何人かいた。

 これで……これで吹奏楽部としての最後の演奏が終わったのだ。

 私はハンカチで涙を拭きながら、片付けを始めようとしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ