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星空のメロディー⑥

 私と江角が夜空に見とれていると、遅れてきた皆からも「わあ!」という歓声が聞こえた。

 私たちの住む街中で普段目にすることのないパノラマの夜空に散りばめられた星々は、まるで今夜のために磨き上げられたように鋭い輝きを放つ。

 そしてその一粒一粒が重なり合うと包み込むような優しい輝きに代わる。

 それは私達に似ていると思った。一人一人の個性や、楽器の持つ個性、それらが全部交わり合って吹奏楽部ではオーケストラになり、その他ではクラスになり。

 決して一つ一つの個性が消えるのではなく、この頭上の星々のように溶け込んで行くのだ。

「ち・は・る!」

 私が夜空を見上げているところに里沙ちゃんが来た。

「すごいねぇー。初めて見るよこんな夜空」

 ふたりで並んで見とれていると時間が永遠にあっても足りないような気がした。

「鮎沢!」

 後ろから江角君に声を掛けられた。

「そろそろ始めるぞ」

「はい」

 私は準備のため、ロンのリードを里沙ちゃんに渡す。

「頑張ってね。楽しみにしてる」

「うん。ありがとう里沙」

 里沙ちゃんに言ったあと、ロンが立ち上がって私の胸まで顔を伸ばしてきた。

「ロン!楽しんでね」

 ロンの頭を数回撫でて離れた。


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