エピローグ
俺は隣にソレルさんを乗せ車を走らせた。
走りながらも俺の嫌な予感はどんどん募っていく……。
「ジャーナル先生!止めてください!」
ソレルさんに言われ、俺は急ブレーキをかけた。
「あの人は……ニコルさんじゃないでしょうか?」
「本当だ……!」
二人で車を降り、ニコルの元へ走った。
「ニコル!」
「ウィン!大変なんだ!あの建物、もうすぐ崩壊するらしい……!」
「何だと!?」
「全然、人の気配がないんだ。それで、外に出たらこんなもんが……」
ニコルは壁からチラシをはいできたらしい。
そのチラシを見ると、衝撃的なことが書かれていた。
「これって今日じゃねえか……。しかももう時間ねえしっ!マサヤまだいるんだろっ!?」
「……いる。マサヤは真実を確かめに行ったんだ……」
ニコルはうつむき、それきりしゃべろうとしなかった。
今から行っても、たぶんもう間に合わない。行っても……俺たちが無駄に死ぬだけかもしれない。
……結局俺たちは自分が大事なのか?
何のために俺はここまで来たんだ?
「俺……、行きますよ」
「なに言ってるんですか!そんなことしたらあなたが死んでしまう!」
「それでも……俺はあいつを見捨てられません」
「……ウィン、俺も連れてけ」
ニコルはそう言って、勝手に俺の車の後部座席に乗った。
「……ニコル、ちゃんと捕まっとけよ。……飛ばすから!」
俺は車に乗った。その後にあわててソレルさんもついてくる。
「……市民の安全を守るのも警察のつとめですからね」
俺は再度車を出発させた。時速80キロ近く出しているが、ソレルさんは黙っておいてくれるようだ。
だが、まもなく轟音が響き、俺たちが目指していた建物はただの瓦礫になり果てた。
「うそ、だろ……!?」
「そ、そんな……」
俺とニコルは車から出たとたんに呆然と立ち尽くし、ソレルさんはおそらく上司に連絡をいれた。
「負傷者がいないか調べましょう!早ければ、助かる可能性も大いにある!」
ソレルさんは俺たちに声をかけ、自分の足で元・建物に近づいた。
俺たちもそれに倣い瓦礫の周りを調べる。と……
「ウィン!ソレルさん!腕だ!腕が見える!」
いきなりニコルが人を発見した。
その人は瓦礫に埋もれ、生死の確認すらできない。
「瓦礫をどかしましょう!ニコルさん、どかせそうな瓦礫をどかしていってください!」
ニコルは少しずつ瓦礫をどかし始めた。
俺も同じように瓦礫をどかす。不安はその間にも消えず、どんどん募り続けた……。




