無意識の疑問
「……大丈夫か?本当に」
先生は俺を処置室に運んで真っ先に聞いた。
「……大丈夫なわけ、ないじゃないですか……」
正直しんどいし……意識を保ってるのすらきつい。
「だろうな。じゃあ麻酔かけるぞー。寝とけ」
局所麻酔かと思ったら全身麻酔だった。
麻酔をかけられたと同時に意識が遠のいていく。
逆らったところで特に意味はない。
なのでそのまま寝てしまうことにした。
「んん……」
なんか……よく寝たよなー。傷はまあ、痛むけど。ていうか……今っていつだ?
「……あっ!そうだ、由季!」
勢いで起きあがってしまって、傷に響く。
「あいたたたた……」
「ん。どうした。目ェ覚めたか」
勝手にドアを開けてウィン先生が入ってきた。ちょうどいいので聞く。
「あ、先生。今っていつですか?」
「は?……ああ、そういうことか。そうだな……、お前が寝てたのは、丸一日くらいかな。もうソレルさんには簡単に説明しといたし、ユキちゃんも元気だぞ」
「そうですか……よかった……」
……ん?でも、気になることがある。
「先生、あのとき由季は自分の意識を持ったままあの男と戦ってましたよね?」
「ん……?ああ、そういやそうだな」
先生は顎に手を当て考え込む。
……俺と由季は、根本的な物が違うのかもしれない。あのとき俺の口からでた「一部変化型」というタイプと俺が作り替えられていた兵器のタイプはたぶん違う。
俺のはもっと……残酷な感じがした。そう考えると俺は心底元に戻れてよかったと思う。
「先生……俺、由季を見たときにつぶやいたじゃないですか。一部変化型って」
「ん?ああ、そういえば」
「じゃあ……俺って何型なんでしょうね」
「そんなこと今更考えたって仕方ねえじゃんか」
「……そうですね」
「あ、そうだ。ユキちゃんのことなんだけどさ」
先生はすっかり忘れていたようだ。頭の上に電球がぴかーんとついたような顔をした。
「なにか、あるんですか?」
「たぶん、兵器の時の記憶はないぞ。しゃべり方も何となくだけど幼いから、もしかしたら彼女の記憶はどこかで止まってる可能性が高い。直接話を聞いてみてほしいんだけど、大丈夫か?」
……確かに由季のしゃべり方は幼かったかもしれない。でも、もし記憶が止まっているのだとしたら何で俺が俺だとわかったんだろう?
「……こら、黙ってんなよ」
ばしっと先生に頭をどつかれた。
「いて。あ、はい。すいません」
「で?大丈夫なのか?」
「はい、大丈夫です」
「じゃあ、俺がユキちゃん連れてくるわ。お前、一応重傷だしな」
先生はそういって部屋を出ていった。
さて、由季が来るまで暇だ。どうするか……。




