第27話 彗星から出てきたもの
支社を出て町民が、惨殺された町へ出る
会長が、歩いて彗星が落下した地点へ歩いて行く と言ったので、犬塚達は、会長に付いていくが、会長の歩く速度は、速い
支社の時と同じだ。
30分程歩くと犬塚 金ヶ崎は、流石にバテてくる
休憩しよう なんて会長に、言えない
そこから更に50分経ち彗星の落下地点に着いた
もうその頃には、息も絶え絶えで歩けなくなっていた
犬塚 金ヶ崎は、吹き飛ばされていた木の幹を背にし
座り込む
彗星の落下地点は、ニュースで見た通りクレーターになっていた
真ん中に彗星の残骸がある
残骸は、半分に割れていた
例えるなら胡桃だ
そして彗星の中に何かが、入っていた跡があった
おそらく中に入っていたのは、町と支社を、襲った者
なのだろうと犬塚は、推測する
会長の方を見る
ずっと立っておりこちらを見て体力が回復するのを待っているようだった
顔は、まだ怒っている
10分程経ち少し回復した
桜木 行こうか
そう声をかけられた
少しふらつきながら立ち上がる
今度は、穴が空いた山の中腹に向かうようだ
山の麓まで来たが、山頂が今にも崩れそうで怖い
中腹まで来れた
会長が、中にすぐ入っていく
中は、少し暗く小石がパラパラと降っている
そんな危険地帯を会長と犬塚達は進む
順調には、行かず途中から来た道が、轟音と共に、次々に崩れる
今歩いている所もいつ崩れるか分からない為体力が、ほとんど無いが、走る
山の反対側に出たと同時に、後ろが崩れた
土煙が物凄い勢いで、舞う
反対側は、また森だったが、一つ不自然な点がある
それは、誰かによって木がへし折られている
道のようになっていた為そこを進む
すると何か遠吠えが、聞こえてくる
狼だろうか
気にせず進んでいく
だが、明らかに遠吠えが聞こえた方向に木が、へし折られていた
木の葉が擦れる音が、聞こえまわりを見る
どこかの木が、へし折れた音もし会長と犬塚 金ヶ崎は、武器を構えた
突然白くて巨大な者が、襲いかかってくる
そいつは、鼓膜が破れそうな声量で、遠吠えをし始めた
犬塚の耳から少し血が垂れ三半規管が揺れる
少し目眩を起こしながらそいつを見る
そいつの見た目は、毛並みが白銀の巨大な狼だった
??? ふむ 倒れないか
桜木 お前が、支社を襲った者か?
そいつは、下劣な顔をしながら喋る
??? 支社とやらは知らんが 血肉まあまあ美味かったぞ
■■には、劣るがな
会長が、その言葉を聞くとそいつに向かって刀を振り下ろす
だが、そいつは、軽々しく避けた
??? なんなんだ いきなり飛びかかりおって
まさかあの中に大切な人でもいたのか?
桜木 そうだ
??? そうだったのか これは愉快だ!
なら絶望に染まりきったお前の血肉を喰らうのが、ますます楽しみになってきた!
そいつは、涎を垂らしながら会長の方を見る
犬塚 金ヶ崎は、援護に入る
??? お前らも喰われに来たのか?
だが、何かに気づいたかのように会長と犬塚を交互に見て驚いた表情をする
??? そこの姉弟何故揃って地上にいる!?
むっ? よく見れば雰囲気が違う 末裔なのか?
会長と犬塚は、よく分からない顔をする
??? なら なおのこと喰らいたくなった!!
お前らを喰らう者として異名と名前を教えてやる!
―――■■を喰い殺す白銀の獣―――
フェンリル
と名乗った
フェンリル そこの妙な槍を持った女は、後回しだ!
そう言い巨大な体を持っているとは、思えない程
素早く飛びかかってくる
犬塚と会長が、その攻撃を避ける
フェンリルが、着地した時に金ヶ崎が、近寄り薙刀を振り下ろす
フェンリル 7天魔衆である我に、そんな物効かんわ!
右の腕を金ヶ崎に、振り下ろす
その攻撃を金ヶ崎は、柄で防ぐが体が後ろへ押され吹っ飛びそうになる
犬塚と会長は、後ろから刀で斬りかかった
それも、反応され後ろ足で土をかけられ目が、一瞬見えなくなる
その間に、フェンリルは、会長の腕に噛みつこうとした
噛みつきを刀で、防ぐ
歯と刀が、ぶつかり合う
犬塚は、目が見えるようになったので、すぐさまフェンリルの左横に近づき刀を振った
刀が、当たったが、白銀の毛は、鉄のように硬い
金ヶ崎も反対から薙刀を振り下ろしていた
だが、そんな状況をフェンリルは、許すはずもない
会長を刀ごと吹き飛ばすと今度は、犬塚 金ヶ崎も吹き飛ばされてしまい木に激突する
フェンリル 無駄だ!
会長は、すぐ起き上がりフェンリルの方へ疾走し間合いを詰めた
フェンリル ならば腕を食いちぎってやろう
先程よりも更に速い速度で会長の片腕を狙い噛み付いた
その速度に反応出来ず会長の右腕は喰われ飲み込まれた
恍惚とした表情で、フェンリルが喋る
フェンリル あぁ 美味い やはりお前はあいつの末裔なのだなぁ!
そんな状況でも会長は、屈さない
左手で刀を持ちフェンリルを睨んでいる
桜木 あいつの痛みに比べればこのくらい平気だ!
そうは、言ってはいるが、明らかに弱っていて今にも倒れてしまいそうだ
犬塚 金ヶ崎は、やっと立ちあがり武器を構える
絶望的な状況を覆す為に フェンリルへ向かって連撃を浴びせようとするが、やはり素早い
全て避けられこちらの体力だけ削られてしまう
会長も、速度を更に上げフェンリルへ追いつき攻撃を避け刀を振り下ろす
怒りに満ちたその刀は、斬るどころか逆に折れた
フェンリルが、嘲笑いながら喋る
フェンリル 阿呆め! 怒りに飲まれるからこうなるのだ
折れたと同時に会長が、倒れた
戦える者は、犬塚 金ヶ崎のみだ
フェンリル 今思い出したわい 本当は、主君にお前を連れて行かねばならないのだ
だが、我は連れて行かずに全てその身を喰いたい!
犬塚の事を鼻先で示す
犬塚 ‥‥‥僕のことか?
フェンリル そうだ
犬塚の方を見てフェンリルが、涎を垂らす
そして噛み付こうとしてきた
それを右に避け頬を刀で斬ろうとする
やはり硬い
更にフェンリルは、前腕を振り上げた
その攻撃を刀で受け止めたが、足が軋む音をあげる
金ヶ崎がその状況を見てフェンリルのお腹をくぐり
薙刀を突く
硬いらしくすぐお腹から薙刀を抜き下がった
すると犬塚から金ヶ崎へ狙いを変えた
フェンリル チクチク刺すな 痒いわ
先程会長の片腕を食べた時と同じ速度で金ヶ崎に迫る
犬塚は、咄嗟に金ヶ崎の方へ走った
ギリギリの所で間に合い刀で防御する
フェンリル 邪魔だ! どけ
更に力をかけられ犬塚が、体勢を崩す
その隙をフェンリルは逃さない
まずは、武器と言わんばかりに刀を狙ってくる
奪われないように刀の柄を握りしめた
フェンリル 奪われないように必死だな!
またもや吹き飛ばそうと首を振る
だが、今度は上へ吹き飛ばすつもりだった
それに犬塚は、気づかず吹き飛ばされる
犬塚は、驚いた表情で、空中に放り出された
下の方を見ると口を開けたままフェンリルが、待ち構えている
金ヶ崎が、気を引こうとするが、微塵もそちらを見ていない
ならば、と思い犬塚は、口の中に刀を投げ込んだ
フェンリルが、むせて口を閉じる
フェンリル まさか 長剣を投げてくるとはな
だがいいのか?
確かにそうだ と頭の中で思いながら地面に着地した
金ヶ崎 ‥‥‥下がって 日翠ちゃん
フェンリル お前一人で、何が出来る?
また速い速度で金ヶ崎に、迫ってきた
今度は何も出来無い
フェンリルは、金ヶ崎に対して突進した
当然避けたり防御できずに吹き飛ばされ木にぶつかった
フェンリル 当分起き上がれんだろう
さてお前を頂こうか
その時空から何か降ってくる
降ってくると地面に突きささる
その何かは、刀だった
柄の色は白で人目を引くような色をしていた
だが鍔はなく刀身も錆びている
遅れて刀の鞘も降ってきた
それも地面に突きささる
色は、普通で黒だ
フェンリルが、それを見た瞬間唸り声を上げた
フェンリル 何故 ■■が、落ちてくる!?
お前が呼んだのか?
その■■に触れ! という声が何処か から聞こえてくる
すると とたんに触れたいという気持ちで、犬塚の頭の中が、支配される
もちろんフェンリルは、触らせまいとその刀の周りをうろつく
フェンリル 触らせはせんぞ!
だが、無駄だった
フェンリルの視界から犬塚が、消えいつの間にか刀の近くに来ていた
フェンリル なっ‥‥‥何だと!?
その刀に触れ引き抜くと次第に錆が取れる
フェンリルは、焦った表情をしこう言った
フェンリル なら 真の姿を見せようではないか!
顔の口が首まで裂け 体全体が、筋肉で引き締まる
犬塚が、刀を引き抜き終わるとその支配が、解けた
よく分からないが、とりあえず刀を構える
更にフェンリルの速度が2倍か3倍上がっていた
フェンリル 所詮は人間なのだからついては来れんだろう 焦って損したわ!
その速度のまま喰らいつこうと異形化した口で犬塚に、向かってくる
犬塚が、構え刀を振り下ろす
そしてフェンリルの顔に当たり少し斬れた
フェンリル 何故 当たる!? 反応しきれていないはずだ!
右腕を、振り下ろすが、それも犬塚は、防御する
フェンリルが、少し隙を見せた
隙を突き刀を振り下ろし左腕を斬ろうとする
すると鉄のような白銀の毛が、するりと斬れ
フェンリルの左腕が切り落とされた
フェンリル 何故だ! 何故天は、こいつに味方する?
我を■■した挙句それが解かれたら今度は人間が、我を殺すというのか!
意味不明な事を喚き散らしている
だが、そんな事を気にせずまた構え刀を後ろの左足を斬り落とした
フェンリル ぐふっ! その降ってきた物さえ無ければあぁ お前を食えたのにぃぃ
最後の悪あがきと言わんばかりに、捨て身の特攻をしてくるが、犬塚に避けられそれも叶わなかった
腕や脚から体力の金色が混じった血を流しながら倒れ
光の粒子となり消えていった
また光の粒子が、僕の周りに集まった
だが今回は前と違いとてつもない量が、刀と心臓の位置に集まる
吹き飛ばされそうになるのを堪えたが、今度は心臓が急に痛くなった
更に鼓動も速くなる
途方も無い時間が流れたかと思ったその時光の粒子が身体から消えた
汗を滝のようにかきながら地面に突っ伏す
落ち着くと回りを見る
会長は、肩から血を流し倒れている
金ヶ崎も、頭から血を流して倒れていた
2人を助ける為にまずは、会長から応急処置をしようと駆け寄る
着ていたシャツを破り肩の部分に巻き付ける
これで少しは、血が止まるはずだ
金ヶ崎も同様に、頭に巻き付けた
応急処置を行っていたら誰かの声が、聞こえる
2人を隠し自分も隠れる
??? 誰かいるー?
隙間から声の主を見る
声の主は、コスター ロンだった
今度は、野太い声が聞こえた
この流れは、おそらくギルシャ支部の社長だろう
ボールト 桜華いるかー?
犬塚は、安心し姿を現す
するとボールトの後ろには、大量のエージェントを引き連れていた
ボールトは、会長の傷を見て駆け寄ってくる
ボールト 医療室所属のエージェント早く来てくれ!
ドタバタと音をたて医療室のエージェントが来た
そして金ヶ崎と会長が担架に乗って運ばれて行く
ボールト 犬塚君怪我してるか見てもらおう
医療室所属のエージェントが、僕を近くにあるというテントへ案内される
そして身体を見てもらった
頭が少し割れているだけで他は不思議と何も無い と言われた
そこからまた別のテントに案内される
ボールトが、今日は、そこで休み明日ギルシャへ向けて帰る と言った
金ヶ崎 会長は、治療を受けながら病院へ運ばれるみたいだ
付いていきたかったがもう脚も動かせない
用意してもらったテントでベッドに行きすぐに寝たのだった。




