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第五十五話:解き放たれし神域! 水を司る最強の知恵の魔神、降臨!

マーリドが遂にその真の姿を現した!

水晶のように輝く巨大な水の魔神が、ヴォルグを圧倒する。

動物たちの必死の護衛とアイギスの排除モードが、マーリドの降臨をサポート。

神の力を得たマーリドが、侵食魔を滅ぼすための裁きを執行する!

地下要塞の広間、そして戦場を覆う光が渦を巻いた。これまで「ただの光の精霊」として館の管理を支えてきたマーリドの輪郭が、激しく揺らぎ始める。それは単なる進化ではない。数千年の封印を解かれた「魔神としての本性」の回帰であった。

しかし、ヴォルグはその神聖な変容を許さなかった。

「させぬ! 貴様が何者であろうと、今ここで叩き潰せば魔王様の計画に支障は出ぬ!!」

ヴォルグは杖から黒い槍を無数に放ち、変身の最中にあるマーリドへと容赦ない弾幕を浴びせた。それは結界さえも貫くほどの殺意を秘めた攻撃だった。

「危ない!!」

その声を遮るように、ハルが幼い身体を張った。

「ギャオオォッ!!!」

ハルは口から虹色の炎を吐き出し、黒い槍を中空で焼き尽くす。さらにアイギスがその巨大な鋼鉄の拳を叩きつけ、ヴォルグの攻撃の軌道を無理やり逸らした。

「排除モード、出力最大……貴様の悪意、この館の守護者として完全抹殺する」

アイギスの目から放たれるサーチライトがヴォルグを射抜く。キングやグリズ、オオカミやゴリラたちも、野生の本能を全開にしてヴォルグの懐へと飛び込んだ。先ほどまでの死闘が嘘のように、彼らはまるでマーリドを護る「壁」となって敵の攻撃を完封した。

そんな混乱の最中、ヴィオラだけは恍惚とした表情でメモ帳を走らせていた。

「素晴らしいわ……! 動物たちの防御陣形、個体識別を超えた連携……! これぞ究極の生態調査ね! ああ、でも、あのマーリドの姿が……!」

やがて、極彩色の光の繭が爆ぜた。

その中から現れたのは、かつての儚い光の姿とは似ても似つかない、圧倒的な威容を誇る魔神だった。

全身は水晶のように透明で硬質に輝き、筋肉が波打つように盛り上がった巨大な身体。その姿は、かつて奏多が物語の中で見た「ランプの魔神」を彷彿とさせるが、神々しさがまるで違う。手には清らかな水の環を携え、周囲の空間そのものを自らの支配領域として書き換えている。

【魔獣監視の目】を通じてその巨躯を見た俺は、戦慄と興奮で言葉を失った。

「あれが……マーリドの正体か。光の精霊なんていう生易しいものじゃない。水を操り、知恵を司る……真の魔神だ」

マーリドはその巨大な水晶の瞳を、ヴォルグへ向けた。声は重低音となって大地を響かせる。

『我は全ての精霊の王にして、神聖なる「叡智の水」を操りし者。現在の我と契約を結びし人間――奏多の意志に従い、一時的に我が封印を解放する』

マーリドが指先を小さく動かした。その瞬間、戦場に漂う全ての黒い霧、ヴォルグの放った呪いの侵食体が、瞬時に「美しい水」へと浄化されていく。ヴォルグの魔法は、神の力の前では塵と等しかった。

『お遊びはここまでだ、魔王の尖兵よ。貴様のような下卑た闇が、この聖域の水を汚すことなど万に一つも許さぬ』

マーリドの周囲に、無数の水の刃が浮かび上がる。それはただの刃ではない。物理攻撃も魔法攻撃も無効化する、次元を切り裂く「裁きの水」だ。

ヴォルグは後ずさることもできず、ただその圧倒的な質量と神威に震えていた。

「そんな……魔神だと? 精霊が……神の権能を振るうというのか!!」

『知るが良い。この館の管理者・奏多の怒りが、即ち我が怒りであることを』

マーリドの姿が巨大な波となって戦場を包み込み、侵食魔ヴォルグを完全に聖域の理から排除しようとしていた。

第五十五話、いかがでしたでしょうか。

ついにマーリドの真の姿が明らかになりましたね。圧倒的な神威、まさに最強の魔神です!

次回、ヴォルグとの決着! 聖域は守り抜かれるのか!?

次回:

「聖域の裁き、完遂! 侵食魔を飲み込む怒りの奔流」

お楽しみに!

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