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第百十三話:商人の絆! ゼノたちとの再会、そしてスマートフォン通信網の開幕へ!

商人のゼノが到着し、聖域はスマートフォンという未知の技術で世界を繋ぐ希望に満ちていた。

その一方で、鋼鉄の帝国では血塗られた粛清の裏で、次なる陰謀が静かに動き出す。

独裁皇帝が新たに据えた若き幹部たち、そして砂漠の彼方で動き出した伝説の勇者・佐藤蓮と高橋凛の影。

帝国、聖域、そして勇者――それぞれの運命が、スマートフォンの光と共に交錯し始める。

帝国、鋼鉄の帝座。重苦しい空気が支配するその部屋で、独裁皇帝は机を叩いて苛立ちを露わにしていた。

「全く……あの老耄ろうもう無能幹部ども。さっさと排除しておくべきだったわ。歳を重ねるごとに地位にしがみつき、傲慢になり、その果てが今回の魔界侵攻の失敗か。……全滅した兵士たちのことは惜しいが、生き残った者たちには数日間だけの名誉の休暇を与えてやった。それが我が慈悲だ」

冷酷な独裁者の言葉は、部下たちには氷の刃のように突き刺さる。皇帝の合図でドアが開かれ、若く野心に燃えるエリートたちが部屋に入ってきた。

「陛下、お呼びでしょうか?」

「おぉ……待っていたぞ、未来ある若者よ。空席となった幹部の椅子を、諸君らが座ってくれ。あの無能どもとは違い、諸君らは若く、そして何より忠実だ。期待しておるぞ。わからないことは、魔界の件に関与していない古参幹部に聞くと良い」

「ありがたきお言葉! 我ら、陛下のために命を懸けて全力を尽くします!」

若き幹部たちが熱狂的な忠誠を誓う中、続いて警備隊長が震える足取りで入室した。

「も、申し訳ありません……通信魔導具の流出犯、未だに見つかりません! 私たちは役立たず……どうか、ご処分を……!」

皇帝は不敵に笑みを浮かべた。

「……よくやった。犯人は既に国外へ逃げた。だが、それは仕方のないことだ。この失態も、そもそも無能な先代幹部どもの管理の甘さが招いたこと。諸君らの首を跳ねる暇があれば、警備体制を大幅に強化せよ。明日からは我が軍の全兵力、全兵器を動員し、世界征服のために全力で強化する。帝国のためにしっかり守れ」

「あ、ありがたきお言葉……!」

警備隊長が安堵で卒倒せんばかりに退出した後、皇帝の元へ別の報告者が駆け込んでくる。

「陛下! 勇者と思われる集団を見つけたとの報告が! 佐藤蓮と高橋凛率いる勇者一行です! 数十人の仲間を引き連れ、各地で魔王討伐の旅を続けているようです!」

「……どこにいる?」

「レプティリアン族の王国『サーペント・ヴェール』付近の砂漠にいるとの報告です!」

皇帝の眼光が鋭く光る。「勇者の仲間になりたい新入りとして、数名送り込んで接近させよ」と冷酷に命じ、部屋の闇に勇者の命運を重ねた。

一方、その頃の聖域。

庭先にはアヴァロン王国の商隊を率いるゼノがいた。ヴァルが差し出したスマートフォンを手に、ゼノは食い入るようにその操作と機能を見つめている。

「なるほど……これが噂のスマートフォン、というものですか。話は理解できました」

「使い方は至ってシンプルです。魔石のエネルギーをここから供給し、この回路をなぞれば……」

ヴァルの手解きで、スマートフォンが鮮やかに起動した。その画面に浮かぶ光り輝く文字を見て、ゼノは驚愕に息を呑んだ。

「これは……! 通信速度が速い! ……わかりました、ヴァル。その話、私も乗らせてもらいます。この技術が世界に広まれば、情報の遅延による悲劇は激減するでしょう。我がアヴァロン王国も、この革命的な通信網の先駆者となります!」

「ありがとうございます! あなたのような誠実な商人と繋がれて光栄です!」

商売の話がまとまったその瞬間、聖域の門が静かに開かれた。アイギスの重厚な駆動音とともに、見慣れた騎士の姿が現れる。

「……侵入者か?」

「いや、違う。エリスはいるかな?」

エリスはアイギスの問いに応える前に、ガルス騎士団長の声を聞きつけて庭まで走り出ていた。

「団長様!」

「エリスか。お前の顔を見に来た。森の常駐拠点にいる騎士たちの稽古を視察に来たのだが……元気にしているか?」

「はい! 元気にここで奏多と、この館の監視をしています!」

ガルスは相好を崩し、周囲を見渡した。庭では動物たちがそれぞれの「マイホーム」作りに勤しみ、窓からはゼノとヴァル、そして俺が真剣に何かを話し合っている姿が見える。

「フッ……楽しそうだな。……ん? 今日は何やら特別なことをやっているのかな?」

エリスは少し誇らしげに、新しい通信魔導具の計画と、聖域の復興について説明を始めた。

帝国が陰謀を張り巡らせる一方で、聖域では「平和のための絆」が着々と結ばれている。帝国が勇者を求めて蠢く砂漠の果て『サーペント・ヴェール』。そして、今まさに世界を繋ごうとしているこの庭。

スマートフォン通信網の開幕は、もうすぐそこまで来ていた。

第百十三話、いかがでしたでしょうか。

帝国の若き幹部たちの野心と、皇帝の非道な勇者誘引策。対照的に、聖域ではアヴァロン王国の商人ゼノたちとの絆が深まり、通信網という希望が形作られつつあります。

ついに物語が大きく動き出す予感。ゼノとヴァルのタッグは、この世界を救う鍵となるのか!?

次回:

「通信革命の幕開け! アヴァロンとエリュシオンへ、スマートフォン普及計画、始動!」

お楽しみに!

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