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目覚めた公爵令嬢は、悪事を許しません  作者: トモブー
あなたを愛するのに疲れました
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王妃様との決戦5

「公女様」

角から現れたグレースが声を掛けてきた。

もう呼び方を変えているという事は、陛下が直ぐに動いてくれたのだ。

王妃様からだいぶ離れたから気付かれてないわね。

すっと背筋を伸ばす。

「何?」

「陛下がお呼びです」

「陛下が?」

「はい。執務室でお待ちでございます」

「わかったわ」

「良かったですね。コリュ様の廃嫡を頼んでなかったですものね」

クルリのコソコソと言う言葉にハッとした。

「・・・忘れてましたね」

私の顔を見て苦笑いした。

「・・・ごめん、すっかり忘れていたわ。王妃様の事で頭一杯だっだ」

「でしょうね」

「どうされましたか?」

「何でもないわ。案内しなさい」

直ぐにグレースの方を向き側に寄ると、クルリは、直ぐ様私の背後についた。

「執務室でお待ちでございます。案内致します」

すっとグレースが頭を下げた瞬間見えた。

首元にきらめく、桃色のネックレスが見えた!

ゾッとした。

「え、ええ、参りましょう」

震えそうな声と、

震える体を、

必死に沈め、グレースを見つめた。

「はい、公女様」

陛下ではない。

グレース、この短時間で誰が公女様と呼ぶように教えたの?

グレースはあの時ホールにはいなかった。

そして、誰かが騒動をホールの外で聞いていたのだ。

これは私を試している。

公女様、

と私を呼ぶタイミングをどうとるのかを。

いや、

馬鹿にしてるのだ。

気づかないだろう、

と。

「何故こちらにおいででしたか?」

グレースの言葉が、私の行動を探ってる。

私の前を歩きながら、振り向くその瞳に愕然とした。

「王妃様と少し話をしたかったの」

ああ、そういう事か。

「王妃様に何のお話ですか?」

私達は、

自ら公爵派の内情を、

中立派に、

流布していたのね。

いつもなら、何の疑いもなく私は答えていた。

でも、もう、しないわ。

「それをあなたに言う必要がありますか?興味本位でのその質問は、あなたの立場を揺るがせますよ」

冷たい言葉と、冷たい微笑みで答える私に、一気に怯んだ。

「申し訳ございません」

あなた達の手のひらで踊らされるのは終わったわ。

「今回は、許しましょう。ですが次はないとお思いなさい。あなたの紹介状を見て、誰から推薦されたのか、私に、確認させたくなければ、余計な事に口を出さない方があなたの為です」

恐らくそうしても尻尾は出さないだろうが、こういう小物には十分な脅しだ。

自分だけでなく、誰かに迷惑をかければ後々大変な事になる。

「・・・ご配慮感謝致します」

「余計なことを口にせず案内しなさい」

「・・・はい、公女様」

メイド長として、威厳溢れ真っ直ぐに私を見つめていた姿はもうない。

怯えるように目を逸らし、己の立場を考えている様子だ。

それでいいわ。

どちらにつくべきか考えればいいし、私の変わりようを伝えればいい。

さあて、どう足掻いてくれるかしら?

洗脳が解かれた私の、足掻きを、何倍にして返してあげるわ!



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