表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロストメモリー  作者: 島山 平
43/73

成田賢太郎の日記(6) 六月十五日 (火)

 今度こそ、有紀子さんの退院が決定したみたいだ。嬉しいけれど、どうしよう・・。退院してからも、有紀子さんはアピタで働けるみたいだ。でも・・、彼女の日記を読んで、本当にどうしようかと迷っている。職場は同じなんだから、努力すれば関わりは持てる。同じタクシーに乗って事故に遭ったわけだし、そもそもボクたちは恋人なんだから。

 でも、中村課長のことを・・魅力的だとか言われてしまうなんて。やはり、ボクたちの関係を正直に明かすべきなのか。でも、そんなことをして大丈夫だろうか・・。怖い。目を覚ました有紀子さんに初めて会ったときのことを思い出すと。ボクを見て、不思議そうにしていたじゃないか。頭がぼんやりしているだけかと思ったのに、話し掛けても答えてもらえなかった。初対面の人と話すように受け答えされて、あんなに寂しい想いはもうゴメンだ。成田ですって名乗ったのに、誰だろうって顔をされるなんて。どうして思い出してもらえないんだろう。すぐに記憶が戻ると思ってたのに・・。このままじゃ、中村課長にとられてしまう。そんなこと考えるのは失礼かもしれないけれど、本当に怖い。

 有紀子さんは素敵だから、彼女からアプローチされて断る男はいない。中村課長は独身だし、仕事は真面目だし、人当たりもいい。客観的に見て素敵な男性だと思う。でも、それはボクに影響のないところでの話だ。有紀子さんをとられてしまったら、ボクは・・。有紀子さんの気持ちが彼にいかないように、ボクから説明すべきなのか? 有紀子さんに言うのは怖いから中村課長に? ボクは有紀子さんの恋人ですって? 頭のおかしいやつだと思われるに決まってる。どうすればいいんだ。


 いや、中村課長に伝えてみよう。それしかない。何もせず、有紀子さんとの関係が終わるくらいなら、おかしなやつだと思われるくらいなんてことない! もともと、中村課長とは職場が同じというだけ。向こうからは、ボクのことなんて眼中にもないはずだ。怖いものなんてない、失うものなんてない! 有紀子さんを失うくらいなら、死んだ方がマシだ!

 頑張るぞ、覚悟を決めろ! 成田賢太郎!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ