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ロストメモリー  作者: 島山 平
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山岡有紀子の日記(12) 六月二十二日 (火)

 次の休みは二十五日だから、あと二日間は働く。でも、それが全然苦じゃない。他のパートさんたちは四連勤以上をきらうし、三連勤でもしんどそうにグチを言う。事故の前は、わたしも同じだったんじゃないかって思う。でも、今はなんにもイヤじゃない。だって、中村さんに会えるから。

 アピタにいる八時間のうち、彼に会えるのはほんの少し。会うっていうより、姿を見掛けるっていう程度。なのに、それだけで疲れが吹き飛んじゃう。仕事中ってことも忘れて、一瞬だけ天国に浮かび上がっちゃう。これって、恋なんだと思う。久しぶりの、前向きになれる恋。

 さらにさらに、中村さんとまたデートの約束ができた。『よかったらまたお茶でも』なんていう社交辞令なんかじゃない。ホントに、具体的に予定を立てたんだから。中村さんが早番の日はそんなに多くないのに、たまたまわたしも五時に終わる日だったなんて。運命? それともやっぱり中村さんがシフトを調整してる?ww どっちでもいい。大事なのは、次の夕食デートだから。二日後の二十四日、しかもその次の日は休み。さすがに中村さんは出勤の日だったけど、ちょっと色々期待しちゃう。

 こないだの喫茶店で、ちゃんとわたしがごちそうしたのがよかったのかな。あれだけおみまいに来てくれて、アピタでの仕事もサポートしてくれて。こっちがお礼するのは当然なのに、その後はまたお世話になっちゃって。中村さんくらい大人の男性って、すっごい素敵。余裕を感じさせる態度がカッコよすぎ。


 あさっての仕事は、きっと集中できないな。ウキウキで、メイクが崩れないかどうか気にしちゃいそうww。楽しみだなぁ。事故の後、いいことばっかりだ!

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