アジト
アジトへ到着した。
少女達3名が残った迷宮は、少し様子が変わっていた。魔狼の馬車は台数が増えて、人がいる気配がある。
「2週間ぶりか、何か感じが変わった?」
無警戒の青年に、迷宮より出て来た盗賊が、槍を突き付けた。どうやら、盗賊が、住み着いたらしい。
『誰だ!何をしに来た!』
「えっと、ちょっと休みに?」
『怪しいな、来い!』
素直に連行されるハヤト。
そこに先程までの情けなく怯えた姿は、無い。
勇者クラスで無ければ、彼に危害を加える事は出来無い。加えて愛銃もある。軟禁されても脱出は容易だ。彼は、先程の事も、すっかり忘れて、油断モードだ。
しかし、彼が、攻撃する事が出来無い魔物が、この迷宮に棲んでいる!
油断している青年は、知らない内に、一歩ずつ魔物に、近付いていた。
「あの子達は、無事だろうか?」
((無事よ、ただちょっと困った事になったみたい。))
「え?どういう事?」
((、、、))
『黙って、歩け!』
『そこに、入ってろ!』
「あ、ハイ。飯をください。」
『あるわけ、なかろう!』
「まぁ、後でいいか。」
懐かしの牢屋に入れられた。囚われの7人の乙女を助けだした牢屋。そこに今、彼は入れられていた。
「少しここで休み、攻略を考えて、出ていく時に、食事と馬車を奪おうか?」
((だから、ごめんって。、、はぁ、困ったわ。))
彼は牢屋の中で、勇者の対抗策を考える。解決手段は未だ見つからない。ローズは誰かと念話してるのか相手をしてくれない。
ふと、隣の部屋から声が聞こえてきた。
『2号様、怪しいものを捕まえました!』
『分かった、確認する。』
先程の盗賊が、2号と呼ばれた背の低い上役を連れてきた。
あれ?子供か?
ごすっ!
腹を押さえて倒れる、盗賊。
『お兄さん、新入りが失礼しました!』
見覚えがある。まさか元囚われの少女、スラム民ズ!なのか?盗賊を殴った。
名前は知らない。
『新しい部屋に、案内しまーす!』
「あ、ハイ」
((ホント、何やってくれてるの。困ったわ))
着いた先には、
新しい広間があった。1番奥の階段の上のステージには、魔王の椅子がある。
椅子の横に控えるは、主を待ち受ける魔物。
ブォンッ
と強奪の剣を天に掲げる短い髪、純真な瞳の魔物。剣先はやたらと長い。
少女の名は、デイジー!
『はぁぁぁ、このデイジー、1日千秋の思いで、お帰りをお待ちしておりました。。』
「はぁ、何をやってるんだ。」
子供の成長は、早過ぎる。
そして、ガッカリな成長をしている。誰の影響だ?オレじゃないよね?
「この部屋はどうしたの?」
『ハイ!コアを脅して作りました。頑張りました。』
((困るわ。。))
「偉いぞデイジー、だが程々にな。」
『ハイ!』
「もう、脅しては駄目だぞ。」
『ハイ!』
「そこの盗賊は?」
『よゆーの返り討ちです。私には、お兄さんから戴いた剣と名前がありますから!』
偶然だけど、戦力が増えた!
勇者に対抗出来るかもしれない。
「それで気になったんだけど、2号とは?」
『ハイ、名前有りません!』
『名前、無くしましたー!』
「ぐっ」
オレが命名しなきゃ、この先、1号、2号なのか。何だ、この罪悪感。
「では、名前を授けよう。」
『戦果を上げて居ないので戴けません。』
『ですー!』
「ぐっ」
早く、早く、戦果を。




