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ハヤトは人間じゃない。迷宮の壁だ。契約内容を確認しなかったから、こうなった。
だが、心はゴロツキ勇者と違い、人間だと思っている。
化け物だが、化け物ゆえに、優しい化け物になろうと、誰も傷付けないそんな幻想を夢見てた。
顔をペチペチされて侮辱されても、それは殺す程では無い、いつか分かり合える。そんな幻想を夢見てた。さっきまでは、
明確な悪意は存在する。
どうしようもない程に、それは厳然たる事実なのだ。
悲しい事に、殴られない為には、殴り返される可能性がある事をわざわざ教えてあげないと分からないバカがいる。
そうか、イジメはこういう事か。あぁイジメられてる子は、きっと優しい子なんだろう。
だが、それは今日で終わりだ。
終わりにする。
『ひゃははっ、草むしりくぅん。安心してくれ、マリちゃんは俺ちゃんが責任を持って可愛いがってあげるから。自分の銃で惨めに死にやがれ。。死ねやっ』
分かった。
ハラを決めるよ。
『ちっ、引金がねぇぞ!こぉの不良品が』
ゴロツキ勇者は、オレに向けていた銃を地面に叩きつけようとする。
「ローズッ!!」
最愛のその名を強く叫ぶっ!
キラキラと光って、銃が消えて、ハヤトの手の中に顕現する。
転移した愛銃を優しく撫でた。
さぁ、反撃の時間だ!
『は?』
「言いたい事は、それだけか?」
銃をゆっくりと見せつけ、アピールする。
もう奪わせない。
『なっなめんな、どーせその銃は、引金がねぇんだ。』
((あるわよ?お馬鹿さん))
ニヤリと笑い銃を横に構えて引金を見せる。
引金は、ローズの意思でのみ現れる。
『なめんなっ、爆撃の剣っ』
ゴロツキ勇者が隠し持っていた短剣を投げつける。不意討ちは成功した。不意討ち、騙し討ちは彼の得意技だ。ハヤトに当たり、小さな爆破が起きる。
ドォン!
『ひゃははっ、油断しやがってザコが、俺ちゃんの奥の手、最終おう。ぎ。!?』
煙がはれて、無傷なハヤトが現れる。
その姿は、
ダメージ0!
「満足したか?」
『なぜだ、不死は奪ったぞ』
「さぁな、オマエはもうお終いだ」
青醒めた顔で、勇者は後退る。
ゆっくりと、ただゆっくりと、銃口をその身体に押し付ける。
『だけど俺ちゃんには、不死が』
「哀れだな」
((そうね))
優しく引鉄を引く。
ズドンッッ!!
轟音が鳴り、ゴロツキ勇者は激しくぶっ飛び腹ワタをぶち撒けた。真紅の単発銃は赤熱し、銃口からは黒い煙が立ち昇る。
『ぎゃふっ』
不死スキルが発動し、風穴が開いた勇者が瀕死の状態で生き返る。口元から血を吐いた。
のろのろとした動きで、手をごそごそし、エリクサーの瓶を探る。
掴んで、口に運ぼうとしたが、そんな事が許されるハズもない。
手を踏まれて何も出来ない。
『た、頼むっ。不死は返すから。カネもやる。奴隷も返す。』
((嘘よ))
無様にあがく姿を冷めた目で見る。嘘だって事はオレにも分かる。
『それにぃ、それにぃ、俺ちゃんいないと、不死は返ってこないんだぞ』
「やるよ、不死スキル。持っていけ」
信じられないものを見る目で、こちらを見てくる。きっと彼には理解出来ないだろう。
『ぎゃふっ』
と血を吐き、物言わぬ固まりになり果てた。
残るのは、勇者の残骸
ピロンッ
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