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霊能力者のレイちゃんは、ダメ、無能、役に立たない?  作者: ピラフドリア


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第E8話 『異名が欲しい』

霊能力者のレイちゃんは、ダメ、無能、役に立たない? 番外編




著者:ピラフドリア




第E8話

『異名が欲しい』





 ある街のビル。そこの3階にある人達が集まっていた。




「師匠〜、ここ分かんないです」




「お前。自分で解く気あるか?」




「…………」




 パイプ椅子に座り、夏休みの宿題を進める楓ちゃんと黒猫。

 勉強中にテレビをつけて集中力を途切れさせるわけにはいかないので、私は本を読み、リエはノートに漫画の設定資料をまとめていた。




「あー、分かんないです!! もーいやぁ!」




「諦めんじゃねぇ。ほら、ここは教科書見れば分かるだろ」




「師匠に理解できても僕には分かんないんですよぉ〜」




 文句を言いながらも、解き始めるとすぐに答えは出せる。集中力が続かないだけで、自覚はないが理解できているのだろう。




 楓ちゃんとは違い、リエはノートと睨めっこをして次々と資料を書き進めていく。

 メモ帳も隣で開かれており、メモのページは書いてあるのは夏目さん家に行った時のメモだ。

 何か使えることがあったのだろうか。




 私がページを三ページほど進んだ頃。書き終えたリエがノートを閉じた。




「リエ、終わったの?」




「はい。今のところはこのくらいですね。……っでちょっと質問があるんですけど良いですか?」




「なに?」




 資料を書いていて、ちょっとした疑問が浮かんだのだろう。リエは私にあることを尋ねた。




「かっこいい異名ってなんですか?」




「異名って、二つ名的な奴のこと?」




「はい。今まとめているキャラに異名をつけたいんですけど、良いのが思いつかなくて……」




「異名ねぇ、今私が読んでる本だと、『受け身とヒロシ』と『攻めのタクロウ』って異名を持つキャラが出てきたよ」




「どんな本読んでるんですか!?」




 リエに本を覗かれそうになるが、言ったは良いものの恥ずかしくなった私は本を隠す。




「ほら、異名でしゃ、異名、どんなキャラなの?」




「赤い鎧着てて、刀で敵を薙ぎ倒す武士です」




「武本さん?」




「違います!! いや、似てますけど、…………似てるの嫌だから変えますか。武本さん主人公感ないですし」




「武本さんそれ聞いたら泣くよ」




 まだキャラの段階で悩んでいるようだ。しかし、変えるのなら、




「異名は考えなくて大丈夫ね」




「そうですね。もう一回練り直してみます」




 ノートをもう一度開いて、また設定を書き直そうとすると、勉強をしていた楓ちゃんがふと黒猫に聞いた。




「僕たちに異名をつけたら、どんな感じなんでしょうか?」




「無駄口言わずに勉強進めろ。……しかし、面白そうだな」




 黒猫は私の方を向く。そして




「異名考えてみるか!」




 と言い出した。




 ヒーローなんかがやってきた時にテンションの上がっていた男どもだ。こういうくだらないことで盛り上がるのは、納得できる。




「私は良いよ。勝手に考えてて」




 私が素っ気ない返事をすると、リエが立ち上がった。




「いえ、そんなこと言わずにみんなで考えましょう」




 そうだ。この漫画家志望さんもそういうのは好きそうなジャンルの人だった。







「っで、異名を考えるって何するのよ?」




「そうだな。まずはレイ。お前の異名から考えよう」




 いつも以上に張り切って、黒猫が仕切る。最初は私の異名を考えるようだ。

 すると、リエが元気よく手を上げる。




「はいはいはーい!」




「リエか。言ってみろ!」




 黒猫がリエに答えるように促す。リエは元気よく、




「炒飯寒露!」




「なんで私、炒飯なのよ! トッピングみたいになってるじゃない!!」




「レイさんの炒飯美味しかったから!!」




「あんた……。また作ってあげるね」




 私は嬉しくなり口元を押さえていると、黒猫がポツリと呟く。




「変な奇妙だな」




「あんたは黙ってなさいよ! ……んで、タカヒロさんは何かあるの?」




「ふふ、俺のは凄いぞ」




 自信満々の黒猫は猫なので猫背だが、出来る限り姿勢の正して胸を張ると、




「白髪のサムクス」




「どこの四皇よ!! てか、ただのパクリじゃない!!」




「じゃあ、蟹手のサムロの方が良かったか?」




「私のどこに蟹要素があるのよ!!」




 私は黒猫の髭を引っ張って攻撃する。そうしていると勉強をしていた楓ちゃんがボソリと、




「霊媒師寒霧」




「あなたは宿題進めなさい」




 私はソファーに座り込み、話を続ける。




「私の異名は良いのよ。どうでも良いし」




「ならいちゃもんつけんなよ」




「アンタのはダメなのよ」




「じゃあ、次はリエの異名を考えてみるか」




 黒猫は仕切り、今度はリエの異名を考えるように指示する。すると、リエは手を挙げて、




「大人の女性!!」




「「どこが?」」




 私と黒猫は同時に疑問を声に出す。ショックを受けたリエは手で顔を隠した。




「見た目は子供ですけど、中身は長齢なんですよ」




「でも、子供っぽいじゃない」




 リエが頬を膨らませて怒る中、黒猫は次に私に答えるように言う。




「レイ、お前はあるか?」




「え、私……んー、私はな……っ」




 私は「ない」と答えようとしたが、リエの輝く目を見て言えなくなってしまった。そして、




「可憐な幽霊リエ」




「わー!!」




 リエは嬉しそうに喜ぶ。黒猫は異名としては納得してないようだが、話を進める。




「俺の考えた異名は、風船のリエ」




「なんで風船なんですか?」




「飛んでるから」




 それで良いのか!?




 次の話に行こうとすると、勉強をしている楓ちゃんがまた呟いた。




「漫画家リエちゃん」




「楓さんは宿題進めてて良いですよ」




「……シュン」




 宿題を進める楓ちゃん。黒猫は次のお題に移った。




「次は俺だ」




 私とリエは同時に叫んだ。




「「ミーちゃんの下僕」」




「え!? …………いや、悪くないか」




「良いの!?」




 タカヒロさんに私が引いている中。勉強をしている楓ちゃんが何か言おうとしたが、




「お前は勉強してろ」




 黒猫によって言う前に止められた。




「次はミーちゃんだ」




「え、ミーちゃんいるの?」




「やるだろ」




 私はミーちゃんが来ると思っていたなかったので、少し悩む。考えている間にリエが思いついて答えた。




「博識ミーちゃん!!」




「え、ミーちゃんって博識なところあったっけ?」




 私が聞くとリエは教えてくれる。




「はい。私の印象ですけどタカヒロさんよりも役に立ちますよ」




「それは賛同する」




 私もリエに黒猫がショックを受ける。

 私はまだ思いつかないため、黒猫に先に答えるように言う。




「あんたは何かあるの?」




「神」




「あなたはどんな気持ちでミーちゃんと一緒にいるのよ……」




 私が呆れていると、ふと思いついた。




「残念な飼い主がいるミーちゃん」




「誰のことだ!!」




 ミーちゃんの異名も楓ちゃんは言おうとするが、みんなの圧で言わせなかった。

 最後に楓ちゃんの異名を考える。




「最後は楓の異名だ。何かあるか?」




「そうですね〜。あ、これはどうですか!!」




 考えついたリエが手を上げる。




「パワー!!」




「筋肉からそれ思いついたでしょ!!」




「レイさんは何かあります?」




「え、私……そうね。超兄貴」




「レイさんもマッチョ系じゃないですか!!」




 私達がガヤガヤしていると、黒猫が割って止める。




「ふ、お前らわかってないな。俺は違う視点で考えたぞ」




「どんなのよ?」




「エンドレススタディマン」









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