第58話 打ち上げ2
「・・・ん」
意識が戻ると ゆれてた。
ゆさゆさと ゆっくり 小さく揺れてた。
誰かにおんぶされてるらしい。
まだ目を開けることはできない
においで誰だか確認して安心する
飛鳥だ
少しお酒と焼き鳥のまじったにおい
だけどわかる
飛鳥のにおいだ
「・・・飛鳥」
小さな声で名前を呼ぶとゆれが止まる。
「・・・んん〜」
小さくうなって目を開ける。
同時にどこかに座らされる。
「・・・ん?」
目をこすると視界がだんだんハッキリする。
そこにはやっぱり飛鳥がいた。
「ここ・・・どこぉ?」
少し寒くて 暗いからどこかわからない場所
「公園 お前酔ってぶっ倒れたんだ。覚えてる?」
「ん・・・ちょっと」
新一になんか飲まされて・・・それでクラクラして・・・ってだけ。
「・・・飛鳥 お酒くさぁい」
「お前もちょっとくさいよ」
「そぉ?」
「うん ちょっとだけだけどね」
飛鳥がよっこらせと言いながら横に座る。
そんな飛鳥によりかかる。
「まだ少しクラクラするぅ・・・」
飛鳥はくすりと笑った。
私も笑う。
自分と同じようなにおいのする口に口付けると飛鳥はびっくりした顔をする。
「・・・燐からすんの初めてだね」
「そーだっけぇ?」
「・・・酔ってんだな こりゃ」
「んー・・・」
そのまま飛鳥の胸に倒れこむ。
体が言うことを利かないんだ
なんだか だるくて 体に力はいらない
頭はくらくらしてて 視界もなんだか怪しい。
「飛鳥ァ・・・好き・・・」
そういうと上から飛鳥のくすくす笑いが聞こえる。
頭にあったかい何かがあたる。
飛鳥の手
私のほうが大きかったのに
いつの間にか飛鳥の手のほうがずっと大きくなってて
だけど あったかくてやさしいその手は 小さい頃と変わらない
「大好き・・・」
また言うと飛鳥の手が頬に触れる。
唇が重なる。
「・・・んっ」
いつもより長いそのキスは 頭をもっとクラクラさせた。
「・・・はぁっ」
「・・・ゴメン 苦しかった?」
「ん・・・ちょっと」
飛鳥の首元に顔を埋める。
「・・・お酒くさぁい」
「だから燐も少しにおいするってば」
「んー・・・」
何も考えられない
ただ頭がぼーっとする
それからしばらく飛鳥の体温とやさしい声を感じてた。




