第56話 白雪姫 カノン(要視点)
「なんであんなことしたんだ?」
ヅラを取ってタオルで汗をふきながら言う。
制服姿のカノンがこちらを向く。
「お前 燐狙いじゃなかったのか?」
なのに なんで飛鳥を助けるようなまねをしたのか
「・・・別に?」
「は?」
「燐のことは好きだけど・・・彼女にしようとは思わない」
カノンは微笑を浮かべてる。
「はぁ?」
「俺以外の男が燐を彼女にするのは気に入らない だけど俺は彼女にしようとは思わない」
「・・・意味わかんねーそれ」
「わかんない?アイツの横に男がいるのなんて似合わないんだよ」
なんだそれ
どんだけ自己中・・・というか わがままというか・・・
とにかく 意味わっかんねぇ・・・
カノンはくすくす笑う。
「俺が燐のこと好きってのは人間の女としてじゃねぇよ おもちゃとして」
「・・・はあぁ!!?」
おもちゃぁ?
「アイツで遊ぶの楽しいだろ?」
「お前なぁ・・・」
「お気に入りのオモチャを野郎なんかにやりたくねぇんだよ」
カノンはそう言ってくすくす笑いながら体育館から出て行った。
・・・アイツ 性格悪ィ・・・
頭をがりがりかいて体育館を出るとクラスの野郎達。
「お前女装似合いすぎだよ!!なんでそんな似合うんだよ!!」
「あー?なんだお前等・・・」
「ホンット お前女として生きろ!やばい!似合いすぎだ!!」
「・・・お前 俺にカマになれってのかぁ?」
バカ共が騒ぐ中キョロキョロと辺りを見てカノンを探すがいなかった。
それから少しため息をついてみる。
・・・燐もやっかいなのにつかまったもんだよまったく






