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第46話 夢乃と克哉

昨日は飛鳥とお祭りで楽しかったし!!


あ〜!なんてすばらしい!!!(ゲンキン)


「おっはよー!!」


我ながらかなり上機嫌で教室のドアを開けた。


・・・のに


シィィィィン・・・・・・


「・・・はりゃあぁ?」


思わずマヌケな声をあげた。


なんで なんでみんなこんな重い空気・・・?


見ると夢乃がかなり不機嫌な顔で席に座ってる。


「ゆ・・・めの?」


「・・・あぁ・・・燐 おはよう・・・昨日は楽しかった?」


「うん!!すんごく楽しかったぁ♪」


「そ・・・よかったね・・・」


「・・・夢乃?何かあったの?」


「・・・うん あった。私のきっとこれからも含めて人生最大最低の出来事が・・・」


「へ?」


「おい夢乃・・・克哉も悪気があったんじゃねぇだろうしさぁ・・・」


要があきれた声で夢乃に言う。


「要!夢乃、何があったの!?」


要はチラリと夢乃を見てから私のほうを見た。


「それが・・・克哉が夢乃に・・・・・・・・・キス したんだよ」


その言葉を待ってましたとばかりに教室にいた人達が騒ぎ出した。


「マジで!?克哉やるなあぁ!!!」


「うっそ!!!夢乃かわいそー・・・」


同情?期待?からかい?


いや、全部だよね・・・


どうであれ人事でみんな高みの見物気分だ。


「・・・で?克哉は?」


「知らねぇ まだ来てないみたいだけど・・・」


「あんのくそ男・・・来たら窓から落としてやる・・・」


夢乃 ここ 4階だよ・・・?


夢乃がここまで怒ってるのは初めて見た・・・かもしんないなぁ


今まで女の子 男の子 どちらにからかわれても平然としてた夢乃が・・・


よぉっぽど 克哉にキスされたのがいやだったんだろうなぁ・・・


「おはよ〜♪」


何事もないように


今までと変わらず笑顔で克哉は教室へ入った。


もちろんみんな挨拶の返事はせずしんとしてる。


夢乃はため息をついて克哉を睨みつける。


わー・・・こわぁ・・・


「なんだよ〜みんな俺のこと無視ー?おはよー夢乃♪」


「・・・・・・」


夢乃は返事をせず席を立つ。


「おい夢乃 どこ行くんだよ〜?」


「・・・アンタのいないところよ」


また夢乃は克哉を睨んで教室を出ようとする。


「えー?なんで?なんで?」


「アンタのいる場所になんていたくない 同じ部屋の空気吸ってると思うだけで嫌」


夢乃はよく通るいつもと変わらない声でペラペラ喋る。


自分のいいたいことだけ吐き出すように。


「なんでだよ〜ひどくないか?」


「ひどいのはどっちよ!!」


夢乃は少し怒鳴って教室を出た。


夢乃のいないしんと静まり返った教室の中を見て克哉はため息をついた。


「なーにをあそこまで怒ってるのかなぁ・・・」


「アンタがしたことが許せなかったんでしょ?」


私が言うと克哉は少しうなる。


「うー・・・けどさ 好きだったらしたくなんない?燐と飛鳥だってキスぐらいしてんだろ?」


飛鳥の顔がぼっといっきに赤くなる。


「お・・・前!何聞く!!」


「ホラしてんじゃん 好きならしたくなるよ」


「向こうは好きじゃないんだよ?それでもしていいと思う?」


1人で焦ってる飛鳥はかまわず克哉に言う。


「・・・別に アイツがいつまでも俺のことごまかすからだよ」


「は?」


「昔っから!俺が好きだだとかいうとアイツは冗談だとかふざけんなだとか言う!!本気なのにずっとそうだ!だったらどうやって信じてもらえってんだ!!」


克哉が声を荒げる。


思わず1歩克哉から離れた。


「そっそれでも!無理やり感情を押し付けるようなことすることないでしょ!?」


「ッッだったら!!どうすればよかったんだ!!?言えよ!ホラ!!」


「・・・・・・・・・ッッ」


いえるわけない


そんなの わかんない


だって知らないもん そんなの


恋愛に関してなんて 全然わかんないのに


そんな 自分のことでもないのに・・・


いえるわけない


「ッいえないだろ!?だったら偉そうなこと言ってんじゃねぇよ!!」


「・・・・ッッ」


「いい加減なこと言わないでくれ!俺だって・・・色々考えてたんだから!余計なお世話だ!!黙ってろ!!」


「本気で言ってる?」


「は?」


「余計なお世話 黙ってろ それ本気で言ってる?」


思い切り 目に力を入れて


少しでも克哉を困らせるように睨む。


どうしても克哉を見上げることになるから・・・そりゃ迫力ないかもしれないけど


「・・・本気で言ってるけど?だから?なんだよ」


「だったら アンタのことなんてもう知らない!」


そう言って私は教室を出た。


後ろから誰かついてくる。


振り返ると飛鳥がいた。


「・・・なんでついてくるの?」


「ああいう言い方ないんじゃねぇの?」


「・・・だって」


「アイツだって色々考えたんだしさー」


「だって 夢乃傷つけた」


あんな夢乃は初めて見た


それなのに悪いことしたなんて思ってなくて


それが克哉で


いろんなこと考えて・・・


「・・・夢乃 泣く」


夢乃は人前で泣いたことがない


夢乃は 人前で泣くことができない


だけどあれは泣きそうな顔してた


教室に出る前の夢乃


だから・・・教室から出たんだ


きっと 今泣いてる


「夢乃・・・」


「・・・なんでお前が泣くの」


飛鳥が私の頭を撫でる。


目から涙が流れる。


「だ・・・って・・・」


「お前が泣くことじゃない お前の問題じゃないよ?夢乃と克哉がどうにかしなきゃいけない問題なんだよ。お前は何も言っちゃいけない」


何も言っちゃいけない


本当に?


私は 何もしちゃいけないの?


夢乃と克哉はずっと一緒で


仲が良かった


そんな私でも 何も言っちゃいけないことなの?



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