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第44話 気づいてたら気づいてなかったら

それからしばらく飛鳥と喋ってて・・・


不意に勉強机の上にある時計の存在に気づく。


見るともう5時30分強。


「うぁ もう帰らなきゃ!」


「え?そんな時間?」


「うん じゃあ私帰るね!」


「待てよ!送るから・・・」


「え?そんなに離れてないんだから平気だってば!」


「・・そろそろ 暗くなるし・・・危ないだろ」


「えー?」


「だー!素直にはいっていえよ!!別に送りたくて言ってんじゃねぇよ!もう少しお前といたいだけだ!!」


そう怒鳴ると飛鳥は耳まで真っ赤になった。


「あ・・・うぁ・・・ぐ・・・ぃ 今のは・・・別に・・・」


くすりと笑うと飛鳥はため息をついた。


「じゃあ 送ってってもらおうかな」


そういうと飛鳥は満足気に鼻で大きく息を吐く。





ガチャンッ!


ドアを閉めて 鍵も閉めて。


「う〜結構寒ィな」


そう言って飛鳥は私の手を握る。


「そ?私はこれぐらいのがちょうどいいなー」


「へぇ?俺寒いの嫌い・・・」


「ふーん 私暑いより寒いほうが好き。だって寒いなら着れば寒くなくなるでしょ?」


「・・・そんなもんかね 夏のが身が軽いけど?」


「ふーん」


向こうのほうから何人かのグループが歩いてくる。


小学校の・・・3年生くらいだろうか?


女の子3人 男の子3人のグループだった。


仲良さげに喋って 楽しそうで・・・


昔の私達みたいで。


お祭り帰りらしく、女の子3人はりんご飴 男の子3人はフランクフルトを食べていた。


「・・・なんか 昔の俺等みてぇ」


同じことを考えていたらしく、飛鳥はぼそりとつぶやいた。


「・・・そーだね」


「あの頃は まさか燐とこうなるなんて思ってなかった」


そういう飛鳥の手に力がこもるのがわかった。


「・・・うん 私も思わなかった」


「ずっと あんなふうにつるんで・・・ずっと一緒にいるもんだとばっか思ってた」


その言い方が なんだか気に入らなくて口をはさむ。


「・・・あのままの方がよかった?私と こうならないほうがよかった?」


返事が 20秒以内に出されなかったら この手を離そう


そう思ったけど 答えは即答だった。


「いいや?こうなってよかったよ」


「・・・ふぅん」


「でなきゃ カノンにとられてた」


「・・・」


「こうならなきゃ燐が俺から離れてった」


「べっ別に 飛鳥とこうならなくてもカノンとは何にもなんないよ!!」


「・・・まぁ、別にこうなったからいんだけどさ どっちでも。」


「・・・・・・」


「それに俺は元々燐のことが好きだったと思う。今のガキ達の年齢の頃からかもしれない。どんくらいかわからないけど昔から 燐のことは好きだったよ」


こんな その辺に人も通りそうな道で 堂々といわれたら・・・


「気づかなかっただけ。いまさら気づいたから・・・戸惑ったけど どんなに時間がたっててもこうなってたと思うし」


「・・・そっか」


「とにかく!今は俺幸せだからいいんだ!!」


「アハハッ 何それ!」


笑ってるとすぐ家に着いた。


「んじゃ・・・ありがとね」


「ん 明日、学校でな」


「うん!じゃ・・・」


言いかけて口をふさがれた。


「・・・ッ!!」


「じゃあな」


微笑を浮かべて飛鳥が手をふる。


「じ・・・じゃあ・・・」


手をふって すぐに家に入る。


玄関でへなへなと座り込んでしまった。



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