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第40話 お祭り お化け屋敷編

かなり歩いて 神社に着く。


神社の石段にハンカチを敷いてそこに座る。


他にも何人か石段に座っていて 上る人が迷惑そうに見てた。


だから2人は1番はじっこに座ってる。


ここなら邪魔じゃないだろうし・・・


「ホラ 早く食べろよ」


「え?うん・・・なんで?」


「やっぱ祭りといったらあれに行かなきゃだめ・・・だろ?」


にやりと笑う飛鳥。


この時点でいやな予感はしてた。






りんご飴は胃袋の中


りんご飴の棒はその辺においてあった大きなゴミ箱の中


隣には嬉しそうな顔の飛鳥


そして私は・・・ため息。





「やっぱさー祭りっつったらこれ・・・だろ?」


目の前には・・・


私の大大大大大大大・・・・・・・大嫌い!!な お化け屋敷。


暗いのとかこわいのとか・・・急に脅かされたりとか


そういうのが苦手な私にとってお化け屋敷っていうのはまさに天敵だった。


毎年いつものグループで来る。


まぁ、毎年私と夢乃は外で待ってるんだけど。




今年・・・そっか 忘れてた


「ね・・・ねぇ 飛鳥ァ・・・やめない?」


「えー?なんでだよ!学生2人ね!」


飛鳥は私の分まですでにお化け屋敷入り口の人に渡していた。


「だっだって・・・私 こういうの本当だめなの・・・飛鳥だって知ってるでしょ?」


「そりゃ・・・いいじゃん 俺がいるし!な?これがなきゃ祭りに来た感じしねぇよ!」


そっそんな・・・


そりゃ 1人で行ってらっしゃいなんていえないけど・・・うぅ・・・


中に入ると後ろで鈍い音をたててドアが閉まる。


周りは・・・きっと木かダンボール。


だけど中は真っ暗で少し寒い。


夏なのに・・・。


「や・・・ねぇ 飛鳥・・・私 もうこわいんだけど・・・」


涙目 震える手足


脳が『やめときな 早く出ちゃえ』と信号を送ってくる。


「ホラ 大丈夫だよ!」


飛鳥の明るい声


その声とともにまた手が握られる。


そりゃ・・・飛鳥がいるならって・・・思えないこともないけど・・・でも・・・でも・・・


『わああぁあぁぁあぁぁ!!!!!』


「きゃあああああああぁぁぁあぁあぁああぁあぁああぁぁあ!!!!!!!!!!!」


お化け役の人が急に出てきて 私はのどがつぶれそうな声をあげる。


「ぉ おい燐・・・」


「いやあぁああぁ!!!!来ないでぇええぇ!!!きゃああぁぁあぁぁぁあ!!!!!」


涙がぼろぼろと流れ出す。


その時は私 無我夢中で覚えてないけど飛鳥の話によるとお化け役の人も困ってたらしい。


「おい 燐!」


飛鳥が私の手をひっぱり走る。


少しすると誰もいないところになる。


「大丈夫か?ゴメン ここまでだと思わなくて・・・」


立ってられなくなった私を飛鳥が抱きしめる。


じんわりと体中にぬくもりが広がる。




毎日 こんな風なお祭りだったらいいのにとかしょうがないことを考えてしまった。




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