第37話 燐とのケンカ チョコバナナとりんご飴
「あ・・・あのさ 燐・・・さっきの・・・・子のことなんだけど」
「・・・何?」
教室の隅の机4つ
後ろ2人が夢乃 燐で前2人が俺と克哉。
夢乃が厳しい目つきでこっちを見てくる。
「こないだの手紙の子・・・らしいんだ」
ぼちゃっ
「へ?」
間抜けな声
見ると燐が手から飲んでいたパック牛乳を床に落としてしまっていた。
それを拾って渡す。
「あ、けどその もちろん断るよ!!な!?」
「・・・ん」
燐は微笑を浮かべた。
それで心底ホッとする。
やっぱり不安は残ってる表情だけど まぁ、ひと段落・・・だろうな。
「そういやさー祭り どうすんの?」
その言葉に俺も燐も固まる。
「・・・!!」
「・・・え?みんな一緒に行くんでしょ?」
夢乃が明らかにこちらを睨みながら言う。
なんか最近・・・夢乃 俺に対しての態度がキツイと思うんだけど・・・
「・・・・・・」
燐が牛乳パックのストローを加える。
「夢乃 2人で行くかー?」
「ふざけんな アンタにはいくらでも女がいるでしょーが」
「え〜ひっどー俺夢乃が一緒に行くなら誰とも行かなーい♪」
「行かない どうぞ女の子達と。」
この2人は進歩なさげだな・・・
「・・・飛鳥 みんな一緒に行くの?」
「へ?」
燐が何か言いたげにこちらを見る。
いや 正直・・・何が言いたいのかは大体わかるんだけどさ。
「え・・・いやだ?」
「・・・・・・・・」
燐がうつむく。
「・・・2人で行きたい?」
聞くが返事はない。
「燐?」
「・・・飛鳥が 一緒に行きたくないならいい」
「いや、一緒に行きたくないわけじゃない!!全然!!」
「じゃあなんで一緒に行かないなんていうのさ!」
あ この顔は・・・
キレかけの顔。
顔を真っ赤にして 潤目で 急に声を荒くする。
「怒るなよ だって・・・」
「怒ってないよ!!」
「おい 待てよ・・・だから」
「そうやって言い訳しようとするんなら聞きたくない!行きたくないならそういえばいい!」
「っだから!聞けよ!!」
「・・・ッッ 何さ」
走ったわけでもないのにお互いハァハァと息が荒い。
「・・・しょうがねぇだろ 2人でなんて・・・行きたくても行けねぇよ」
「・・・なん・・・ケホッ でさ」
「だから・・・その・・・正直 今まで通りじゃないわけだから・・・よくわかんねぇんだよ」
「何がわかんないのさ?」
「だから・・・2人でッ行ったと・・・して どうすればいいのか・・・」
「・・・・・・」
「今まではただの友達だったじゃん・・・だからなんともなかったけど・・・やっぱ 違うよ・・・」
「・・・やっぱ言い訳なんじゃん」
「は?」
「だったら何年先なら2人で行けるわけ?しなきゃわかんないじゃん!してもないくせにわかんないなんていわないでよ!!」
また・・・
「っだけど!お互い気ぃ使ってんじゃしょうがねぇだろ!!」
「何それ!だったら今まで通りでいいじゃん!今まで通りでも2人じゃいけない理由なんてないはずでしょ!?」
「だからー!」
「両思いになって 気持ちが通じて!!変わったのはそれだけじゃん!私は変わってないし!飛鳥だって変わってないでしょ!今までと同じ人でしょ!!?」
燐の目から涙がこぼれた。
俺も反論しない。
「なのになんで無理矢理変えようとすんのさ!!変える必要なんてないじゃんか!」
そういうと燐ははーっと息をついて下を向いてしまった。
いつの間にか俺も燐も立ち上がっていて 燐はすとんと座り 俺は乱暴にどすんと座った。
「・・・燐の圧勝だな」
隣で克哉がつぶやく。
夢乃も同意と目で言う。
目で会話すんじゃねぇよ・・・
自分のせいだけど 俺のせいだけど!
泣いてる燐
しーんとした教室
夢乃と克哉
俺は胸のそこがイライラする。
同時に 不安が広がった。
後ろを見るとカノンがニヤついてた。
俺はそんなカノンを睨みつけて視線を戻す。
テメェにチャンスが来たわけじゃねぇ 勘違いすんな!
「・・・燐 悪かったよ」
「・・・」
「・・・祭り 2人で行こう。」
「・・・」
「・・・許してくんねぇの?」
「・・・」
返事がない『許さない』ということらしい。
「・・・祭りの時 いや、いつでもいいや・・・お前の言うこと1回聞くよ。だから機嫌直してくれよ」
燐が顔をあげる。
やっぱり涙目だったけど・・・。
「・・・それから!・・・・・・・・チョコバナナ・・・と りんご飴・・・おごる」
「・・・飛鳥大好き♪♪」
燐が涙目のままにっこりと笑う。
俺はため息をついた。
チョコバナナとりんご飴
毎年祭りで燐が食べる2つだ。
「・・・ったく チョコバナナとりんご飴で仲直りかよ・・・くだらねぇな」
「いいじゃん♪ 飛鳥好きー♪」
冗談で言ってるんだろうに 少しだけ胸が熱くなる自分が情けない。
恋というものは 素敵なのだか 面倒なのだか
イマイチ俺には理解できそうにない。




