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第35話 克哉 報酬 2500円

「・・・無記名ラブレター・・・ねぇ」


朝 燐がいないことを確認済の教室で俺はすぐに克哉に相談した。


女好きのコイツなら・・・と思ったから。


本当は本人の気持ちを考えたら他人に見せたりするべきじゃないんだろうけど・・・


手紙を見た克哉はため息をついて俺を見た。


「何 お前こんなので悩んでんの?」


「だ・・・っだってさ 誰かわかんねぇじゃんそれじゃ・・・」


「お前なー燐がいるんだからこんなもんどうでもいいんじゃねぇの?」


そう言って克哉は手紙をゴミ箱へ捨ててしまった。


「あー!何すんだよ!!」


俺はあわてて手紙をゴミ箱から拾う。


「・・・なんで ゴミ箱の中からわざわざ拾うんだよ?」


「はぁ?だって・・・」


「まんざらでもねぇんだろ。その様子じゃ」


「な・・・っ」


「ったく・・・燐も苦労するな」


「し しょうがねぇだろ!そりゃ・・・誰かに好きって言われていやな気する奴・・・多くねぇじゃん」


「おいおい 彼女持の言うことかよそれが」


「う゛・・・」


確かに


俺はこの手紙の子が誰であろうとつきあう気なんてない。


だって どう考えても燐がいいし・・・


だけど・・・これが罰ゲームとかじゃない 本気なら・・・


「お前な お人好しは悪いことじゃねぇと思う。だけどな そのせいで傷つく人間がいること忘れんじゃねーぞ」


克哉はそう言って俺から手紙を奪ってしまった。


「克哉 それ・・・誰かわかんねぇかな?」


「・・・忘れんなっつったよな俺」


「忘れてねぇよ でも・・・燐のこと考えても スッキリさせたほうがいいと思う」


昨日の燐の動揺とか考えたら・・・


『ちゃんと断ったよ』


とか


『もう大丈夫』


とか


何か 言ってやらなきゃいけない気がしてならないんだ


「・・・俺 お前が後悔しても慰める気ねぇから」


「ヘッ 俺だって慰めてもらう気ねぇよー!」


「あっそ んじゃ軽く調べておいてやるよ」


「あぁ 頼むよ」


「んー、お礼はどうしよっかなー」


「・・・金とんのかよ 友達だろーが;;」


「友達だってな たまにはメリットがねぇとな♪」


「・・・ったく 何がいんだよ」


「そーだなー ま、今回は1週間パン注おごりでいーや♪」


「テメェ・・・『でいーや』じゃねぇだろ!テメェ1日いくつ食ってんだ!1日いくらかかってんだ!」


「1日・・・んー500円くらいか?」


「・・・土日は休みだから・・・2500円か・・・高ェ」


「アハハッ 毎日500円じゃねぇよ!」


・・・くそっ


けど しょうがねぇか・・・


俺じゃ女に話しかけたりしにくいもんなぁ・・・


へたに話しかけて燐が勘違いするとか・・・


・・・しょうがねぇ 2500円出すか



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