第28話 祭りと燐(飛鳥視点)
「おい飛鳥ぁ!!!!」
休み時間になるとすぐに新一が俺のところに来た。
「・・・何」
「お前来いよ!!」
「・・・なんなんだよ」
ため息をつくと新一は俺の腕を強くつかんだ。
そのまま教室を出て廊下へ。
「・・・おい 新一 痛ぇよ・・・離せ」
「お前さーなんでみんなと一緒に行くとか言うわけ?」
「・・・あぁ やっぱりそのことか」
「やっぱりじゃねぇよ!わかってんじゃねぇかおかしいことだって!」
なんでお前がそんな興奮してんだよ ほっとけ
「・・・しょうがねぇじゃん」
「何がだよ!」
「どうすりゃいいかわかんねぇし」
「・・・はぁ?」
新一はまぬけな顔と声。
「・・・両思いになって 2人でどっか行くなんてできるわけねぇだろ・・・俺何するかわかんねぇよ?」
「・・・あー なるほどね そっちの意味か・・・」
「ほかに何があんだよ?」
「や、燐と2人ででかけたくないってことかなーと・・・」
「違うよ 燐に嫌われるようなことしたくねぇし・・・・・それに・・・」
「それに?」
「あ、いや・・・なんでもない」
祭りって毎年燐は楽しそうにはしゃいでる。
そんな燐と2人?ふざけるな
何するかわかったもんじゃねぇよ・・・
まして今両思い・・・って・・・
頬にキスであいつあんな顔すんだぞ?
祭りで2人になったら頬どころじゃねぇだろうし・・・
あ〜〜〜!!!!変態か!?俺!!
こんなんで燐といていいのかよ!?あぁ!!?
・・・それに
わかんねぇし 女の扱いなんて。
夢乃達のこと『女』って見てなかった気がする・・・
だから 祭りとかで2人で何を話せばいい?何をすればいい?
わっかんねぇ・・・
俺は女好きでもなければ頭もよくない。
もう少し頭がよけりゃ何すりゃいいかとか思いつくんだろうけど・・・無理だ
「けどさーあれは燐傷ついたんじゃねぇの?」
「へ?」
「お前の言い方 明らかに2人になりたくないって感じだったし。」
「・・・なんだよそれ」
「不安になってんじゃねぇの?つきあいはじめなわけだし。」
「・・・んなこと言ったって・・・」
不安なのは俺も同じだよ。どうすればいいのかわからない
自分を抑えられる自信がないんだ
「お前さ 幸せで忘れてるかもしんねぇけど ライバル多いんだぞ?」
新一はそう言って教室へ入っていった。
ライバル・・・あぁ そうだ
カノン・・・がいたんだった
『お前等が両思いになっても・・・』
あれが本気なら これで安心してられない。
それに 燐・・・だから ライバルいるだろ他にも・・・
けど 荷が重い・・・
どうすりゃいいかわかんねぇような状況なのに・・・
あ〜!!いらいらする!