番外編⑤あの日の風の、その続き 〜そして、続いていく〜
※本作は本編完結後の後日談(番外編)です。
エレーナの話を聞き終わったとき、リクの顔には今までのような迷いは消えていた。
女なのに公爵で、公爵なのに闘う母。
そんな母を、止めない父。
なんで、と思っていたけれど——
——
「ゼンってば、本当に心配性なのよ。少し出かけるだけでも、ついて行こうかって。
今日だって、リゼのところに行くって言ったら、公務切り上げて帰ってこようとしたんだから。」
エリシアの呆れたような小言に、リゼは「そんなの!」と身を乗り出した。
「いいじゃない!それ。クロードなんて全然よ?もう少し甘やかしてくれてもいいのに」
その時、ちょうどクロードが部屋に入ってきて、着ていた上着を椅子に掛けながら、
「……必要ないだろ」
そう言って怪訝な顔をする。
「ほらね!そういうとこ!」
それを聞いて、リゼが怒る。
そんな2人を見て、エリシアはクスクスと笑っていた。
「でも、ちゃんと隣にいるじゃない」
最後にそう言ったエリシアの言葉に、3人の会話をそばで聞いていたリクは顔を上げる。
——なんであれで成り立ってるんだ、って思っていた。
でも、今なら少し分かる。
言い合って、ぶつかって、それでも——隣にいる。
守るって、きっと。
ただ庇うことじゃない。
——離れないことだ。
——隣に立ち続けることなんだ。
あの日の風の、その続きは。
——確かに、ここにあった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
本作は現在、より読みやすく再構成した改訂版(全33話)を公開しております。
よろしければぜひそちらもご覧ください。
改訂版(全33話)はこちら⇩
https://ncode.syosetu.com/n2996mb/




