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勇者パーティを追放された僕は、エルフの君と来世まで恋をする  作者: Atelier Lotus


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SS 第8話 泣き虫

 夕焼けに染まる森の小道。


 フィオナとルネは、手を繋いでゆっくりと歩いていた。


 ルネはふと思い出したように口を開く。


「でもね」


「ん?」


「夢の最後ね」


 少しだけ寂しそうな表情になる。


「そのお姉ちゃん……泣いてるんだ」


 フィオナの足が止まる。


 ルネは続けた。


「なんでだろう?」


「それを見てるとね」


「僕も悲しくなっちゃうの」


「理由は分かんないんだけど……」


「なんだか」


「頑張らなきゃって思うんだ」


 フィオナは静かに耳を傾ける。


「でも」


「何を頑張ればいいんだろう?」


 ルネは首を傾げた。


「フィオナお姉ちゃん、分かる?」


 フィオナは少しだけ考えてから、優しく首を横に振る。


「ううん」


「分からない」


 その言葉を口にした瞬間。


 フィオナの瞳から、一筋の涙が零れ落ちた。


「……フィオナお姉ちゃん?」


 ルネは不思議そうに見上げる。


「あれ?」


「なんで泣いてるの?」


 フィオナは涙を拭い、優しく微笑んだ。


「そうだね」


「君の泣き虫が、うつっちゃったみたい」


 ルネは、むっと頬を膨らませる。


「僕は泣き虫じゃないよ!」


 その言葉に、フィオナは思わず吹き出した。


「あははっ」


「ごめんね」


 ルネも、すぐににっこり笑う。


「いいよ!」


 二人は顔を見合わせて笑った。


 その笑い声に応えるように、妖精たちも楽しそうに飛び回る。


 森には今日も、優しい風が吹いていた。


 もう、悲しい涙を流す日は来ない。


 これからは。


 笑って。


 一緒に遊んで。


 一緒に歩いて。


 一緒に思い出を増やしていけばいい。


 かつて交わした約束は、確かに果たされた。


 そして今。


 二人は、新しい人生で。


 新しい家族のような絆を育みながら、今日も笑い合っている。


 ――それは、誰よりも幸せな再会の、その先の物語。

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