表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼児から始めるゆるゆる無双学園生活  作者: 蒼野湊
第3章 アステル魔術学園編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/55

第55話(最終話) 余白――それでも、人は選び続ける

数年後。


季節は、

はっきりとは覚えていない。


ただ、

風がやわらかかった。


■ 変わらなかった世界


世界は、

相変わらずだった。


争いはある。

理不尽もある。

選択を間違えて、

誰かが泣くこともある。


欠片が消えたからといって、

世界が良くなったわけじゃない。


でも――

悪くなったわけでもなかった。


(……当たり前だ)


世界は、

最初からそういうものだった。


■ 普通の朝


小さな街の外れ。


ユウトは、

簡素な家の扉を開ける。


特別な魔力も、

世界を揺らす力もない。


ただ、

少し体力があって、

少し要領がいいだけの青年だ。


「……行ってくる」


背後から、

声が返る。


「気をつけて」


リリアだった。


未来は、

見えない。


でも――

今が、ちゃんと見えている。


■ 選択の重さ


道の途中。


困っている旅人に、

声をかけるかどうか。


昔なら、

迷わなかった。


力があったから。

守れたから。


今は――

違う。


(……怪我してるな)


助ければ、

時間を取られる。


仕事に遅れるかもしれない。

損をするかもしれない。


(……それでも)


ユウトは、

足を止めた。


「……大丈夫ですか?」


旅人は、

驚いた顔で笑った。


「助かります」


それだけ。


何も起きない。

奇跡もない。


でも――

確かに、選んだ。


■ リリアの視線


少し離れた場所。


リリアは、

市場で品物を選んでいた。


未来視はない。

分岐も見えない。


だからこそ――

悩む。


(……どっちにしよう)


安いけど、すぐ壊れそうなもの。

高いけど、長く使えそうなもの。


小さな選択。


彼女は、

後者を取った。


(……失敗するかもしれないけど)


それでも、

自分で決めた。


■ すれ違い、合流


夕方。


二人は、

いつもの場所で合流する。


「遅かったね」


「……ちょっと寄り道」


理由は、

細かく言わない。


聞かない。


それでいい。


■ 何もない夜


家に戻り、

灯りをつける。


簡単な食事。

たわいない会話。


危機も、

使命も、

もうない。


「……ね」


リリアが、

ふと思い出したように言う。


「もし、

 あの時……」


ユウトは、

首を振った。


「……いい」


「もう、

 選んだ」


それだけで、

十分だった。


■ 余白


夜。


窓の外に、

星が見える。


昔のように、

世界の構造は見えない。


未来も、

読めない。


でも――

その“見えなさ”が、

不思議と安心だった。


「……世界はさ」


ユウトが言う。


「相変わらず、

 不完全だな」


リリアは、

小さく笑う。


「うん。

 だから――

 選ぶ意味がある」


二人は、

並んで星を見る。


何かが起きるわけじゃない。

物語的な奇跡もない。


ただ、

次の一歩を――

自分で選ぶ。


■ エピローグ


世界は、

今日も揺れている。


誰かが迷い、

誰かが選び、

誰かが後悔する。


それでも。


不完全だからこそ、

物語は終わらない。


そして――

選ぶことは、

生きることだった。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ