表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼児から始めるゆるゆる無双学園生活  作者: 蒼野湊
第1章 幼児無双の始まり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/48

第3話 魔力測定、幼児のくせにバグってると言われる


 ――その日は、村がちょっとだけざわついていた。


 理由は簡単。

 俺の魔力測定の日だからだ。


(いや、そんな“村祭りの日みたいな空気”にしないでほしいんだが)


 母さんのリアは朝からソワソワ。

 父さんのガイは「落ち着け!」と母さんをなだめながら、自分が一番落ち着いてなかった。


「ユウトは絶対すごい魔力持ってるはずだ! なんか……ほら、手の器用さとか雰囲気とか!」


(魔力と雰囲気の関連薄くない?)


「ガイさん、落ち着いてください。ただの測定ですってば」


「いやいや、うちの子は絶対、やる男なんだ!」


(プレッシャーが重いって)


 村の中央にある集会所に行くと、すでに人だかりができている。


「ガイの息子だってよ、楽しみだな」


「いやいや、リアの方に似たら魔術系だろう?」


「将来、学園に行ったりしてな!」


(……なんだろう。急に“地域の期待を背負う主人公”みたいな空気になってる)


 いや、嬉しいけど、幼児だぞ俺。


■ 魔力測定の儀(幼児用)


 室内には、丸いクリスタルが置かれていた。

 両手で抱えられるサイズで、淡いブルーに光っている。


 村の測定担当の老人――ロッサばあちゃんが、俺を見てニコニコした。


「ユウト坊、来たねぇ」


(ばあちゃん、この間くれたクッキー美味かったよ)


「このクリスタルに手を乗せるだけでいいからね。痛くないよ」


(了解です)


 俺はクリスタルに手を乗せる。


 すると――


 バチッッ!!


「え」


 光が走り、クリスタルが淡く震えた。


「ちょ、これ大丈夫!?」


「えっ、前こんな反応した子いたか?」


「ないな」


(おいおいおい、初っ端から前例なし!?)


 クリスタルの表面がぐるぐる色を変えていく。

 青、緑、黄色、赤、紫……七色ループ。


 最後に、どん、と白い光が弾けた。


 老人が慌てて計測板を確認する。


「えーっと……ユウト坊の魔力量は……」


 沈黙が落ちる。

 皆がごくりと息を飲む。


 そして――


「……B+!!」


「おおおおおっ!!?」


「Bランク!? 赤ん坊で!?」


「村でBランクは前代未聞じゃないか!?」


(B+って、すごいのか?)


 ロッサばあちゃんが俺の頭を撫でる。


「ユウト坊、すごいよ。村じゃ一番だねぇ」


(まじ?)


「学園に行けば、C〜Bあたりが一般的だ。B+なら、中級学園なら推薦狙えるぞ!」


(推薦!? 俺、幼児だぞ!?)


 父さんは泣く。

 母さんも泣く。

 村の人もなんか泣く。


「やっぱりうちのユウトはすごいんだ!!」


「リア似で魔術タイプかもなぁ!」


「いや、ガイさんに似て身体能力も強そうだし両刀タイプかもよ!」


(いや……両刀とか言うとなんか誤解生むからやめて)


■ しかし、このあと事件が起きる


「じゃあ次、属性測定もするよ」


 属性とは、炎・水・風・土……など魔法の“向き”のことらしい。


 俺はまた別の小さめのクリスタルに手を置く。


 すると――


 ポンッ!


 クリスタルは「無色透明」のまま光らなかった。


「あれ?」


「……えーっと……ユウト坊は……」


 ロッサばあちゃんが板を確認し、眉をひそめる。


未分類ノンアラインだねぇ」


「未分類!!?」


「そんなのありえるのか?」


「いや、滅多にいない……というか、“魔力だけ強くて属性が無い”ってかなり変わってる」


(変わってるのは分かったけど、俺どうなん?)


 老人が説明してくれる。


「未分類は、“伸びしろが未知数”とも言われてるんだよ」


(へぇ……)


「鍛えれば、全部の属性を少しずつ使えたり、あるいは特殊な魔術に目覚めたりするかも」


(えっ、それって結構ロマンあるやつ?)


「ただし、伸びなければ一生“そこそこ魔力があるだけの器用貧乏”だねぇ」


(なんというガチャ結果……!)


■ その夜、成長ログが荒ぶる


 家に戻った俺は、早速ログを確認する。


◆ 特別ログ ◆

《魔力Lv1 → Lv2》

《魔力適性:未分類ノンアラインが確定しました》

《成長方針を調整します》


▼ 今日の一歩

・深呼吸しながら魔力をゆっくり巡らせてみましょう

※ 未分類の魔力は“扱い方”が重要です


(……未分類の魔力って方向性フリーなのか?)


 ちょっとワクワクしてきた。


 属性がないってことは、逆に言えば制限もない。

 前世のゲームでも「無属性最強」がよくいたし……。


(てか、“一歩”が相変わらず赤ん坊仕様なんだよな)


「ゆっくり息を吸って〜吐いて〜」


 母さんが寝かしつけてくれる横で、

 俺は魔力を巡らせる練習をこっそりやる。


(……ん? なんか、あったかい?)


 胸の奥で、ふわっと光るような感覚。


◆ スキルログ ◆

《魔力操作 Lv1 解放》

《魔力操作 Lv1 → Lv2》


(おおおおお!)


 成長が早い。

 “未分類”って不安定だけど、そのぶん反応が鋭いのかもしれない。


■ 翌朝、父さんのセリフに吹いた


「ユウト、昨日はすごかったなぁ……!」


(いや俺、特に何もしてないが)


 父さんが薪割りしながら笑う。


「将来、学園に入っても……“未分類のユウト”って呼ばれるのか!」


(なんか二つ名みたいでカッコいいやつになってる!?)


 母さんも負けていない。


「うちの子、絶対ぜ〜ったい学園で人気者になるわね!」


(いやハードル上げすぎ!)


 村のおばちゃんにまで言われる。


「学園入ったら、彼女の一人や二人すぐできるよ〜!」


(いや俺、まだよちよち歩きなんですが!?)


でも――悪くない。


期待されるの、悪くない。


前世じゃ、誰も俺の努力なんて見てくれなかった。

気づいたら「はいノルマ、はい残業」だった。


でも今は――


(この世界では、ちゃんと見てもらえるんだな)


だからこそ。


(……絶対、強くなってやる)


未分類だろうがB+だろうが、関係ない。


俺には成長ログがある。

一歩ずつ積み上げる最強の能力が。


次は――


学園に行くための【入学試験】だ。


もちろん幼児なのでまだまだ先だが、

俺の“成り上がりロード”はもう始まっている。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 感想 をいただけると励みになります。


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ