第20話 初めての街“フェルナード”へ(そして最初の依頼を受ける)
森を抜け、山のふもとを越えたその先に――
俺たちの人生初の“街”が姿を現した。
石造りの門。
広がる商店街。
煙突から立ちのぼる香ばしい匂い。
人、人、人――!
ティオ「うおおお……で、でけぇ!!」
ミーナ「すご……こんなに家が並んでるの見たことない……」
ルカ「ご飯の匂いすごい!絶対美味しいやつ!」
シオン「ひ、人が多い……都会怖い……」
(シオン、光属性Aのくせに陰キャムーブするな)
■ 門兵とのやり取り
門兵「お前たち、旅の子か?」
俺たちは村長からもらった推薦状を見せる。
門兵「ミナト村の……ほう。
学園を目指しているのか。立派だな」
(門兵、良い人で助かった)
門兵「魔石を持っているなら、街の“魔石ギルド”で売れるぞ」
(出た、魔石ギルド! 経済の入口きた!)
■ 魔石ギルドへ
街の中心を抜け、瓦屋根の大きな建物へ。
《魔石取引所ギルド・フェルナード支部》
(思ったよりちゃんとしてる……!)
受付の女性「魔石の買取ですか〜?」
ルカ「ユウトが取った魔石です!」
(いや俺だけじゃないけど……)
俺「パフィラの小魔石、1つです」
鑑定士「ほほう、状態良いね。
5シルで買い取るよ」
(よし! 小魔石の基礎買取額そのまま!)
ティオ「ってことは……倒せば倒すほど金が手に入るのか!?」
(語弊があるが間違ってない)
ミーナ「お、お金……私たちでも稼げるんだね……!」
(これで生活費も補えるし、旅の幅が広がる!)
そんなとき――
ギルドの奥から声がした。
「すみません、誰か……手を貸してくれませんか!」
■ 初依頼発生
ギルド員の青年が走ってくる。
青年「困っているんです。
街道沿いに“暴れスラッグ(ナメクジ)”が大量発生してしまいまして……」
ルカ「あたし殴る!」
(おい待て)
シオン「あ、暴れ……?」
ミーナ「名前からして……怖い……」
ティオ「スラッグくらい余裕だろ!」
(いや油断は禁物)
青年「子どもには危険かもしれないが……
でも、どうしても人手が足りなくて……」
俺は仲間の顔を見た。
「……行こう」
ティオ「もちろん!」
ミーナ「が、頑張る……!」
ルカ「魔石いっぱい出るかな!」
シオン「制御……練習になるかも……」
(このメンバー、本気で頼もしい)
青年はさらに続けた。
「ついでに……もし倒すことができたら、
“討伐報酬とスラッグ魔石”を差し上げます!」
(でた魔石報酬! 経済圏!!
これなら旅資金も潤う……!)
■ 街道へ向かうと……
外に出ると、確かに街道脇から不気味な音が聞こえた。
ずるっ……ずるっ……
ティオ「いた!!」
視界に入ったのは――
*《暴れスラッグ》*
・体長50cm
・硬い殻
・酸性の粘液を飛ばす
・倒すと“粘石”という魔石を落とす
・売値も悪くない
(パフィラよりは強いな……)
スラッグ「ギュルァァァァ!」
ミーナ「ひっ……こ、こわ……!」
ルカ「殴れそう!」
(お前は作戦も何もなく殴るな)
■ パーティ初の“連携戦術”
「みんな、俺に合わせて!」
ティオ「了解!」
ミーナ「う、うん……!」
ルカ「まかせて!」
シオン「やってみる……!」
(よし、初めての本格戦術だ……)
● step1:防御
スラッグが粘液を飛ばしてくる。
俺「“透明防壁”!」
パシィッ!
(これは余裕)
● step2:分断
ティオ「背後取る!」
猛スピードでスラッグの後ろへ。
(脚力ほぼチートだなこいつ)
● step3:シオンの魔法
シオン「ユウト……ぼくに……魔力少しだけ貸して!」
(え、そんなことできるの?)
俺は指先からほんのり魔力を流し込む。
きゅるるる……
シオンの魔力が安定し始める。
(これ……“調整”してる感じ……?)
シオン「“ライトビーム”!!」
バシュッ!!
光の線が正確にスラッグの足元を焼き、スラッグがバランスを崩した。
(うまい!)
● step4:とどめ
ルカ「いっけぇぇぇぇ!!」
巨大な石を片手で持ち上げて――
スラッグの殻に思い切り叩きつける。
ゴシャァ!!
(お前その腕力おかしいだろ……)
スラッグ「ギュ……」
気絶。
そして――
ポロンッ!
石のような魔石が落ちる。
ミーナ「出た……粘石……!」
ティオ「やったーー!!」
俺「みんな、完璧だったよ!」
■ 魔石鑑定
魔石鑑定石「ポワッ」
◆ 鑑定結果:スラッグ粘石(中)
・売値:14シル
・用途:金属加工、耐久呪符、初級魔術の触媒
・学生には大人気の素材
(14シル!? でかい……!
旅資金だいぶ助かるぞこれ)
ルカ「いっぱい倒そう!」
(いや危険な相手は避けろ)
ミーナ「ユウト……すごかった……」
(いやみんなすごかったよ)
■ 成長ログ
◆ 戦闘ログ ◆
《暴れスラッグ討伐成功》
《パーティ協調度 +10》
《シオンとの魔力調整成功 → 新スキル派生》
◆ 新スキル ◆
《魔力調整 Lv1》
→ 他者の魔力の暴走を軽減
→ 共鳴効率UP
→ 威力の安定性UP
(おお……これ学園で絶対役立つやつ!
リリアにも……もしかして……)
■ ギルドへ報告
ギルドにもどると、青年が目を丸くした。
青年「すごい……あの暴れスラッグを倒したんですか!?
あなたたち……本当に5~6歳……?」
(自分でも思う。
これ、普通ではない)
青年「討伐報酬10シル!
そして粘石はギルド相場で14シル!
合計24シルです!」
ティオ「やったぁぁぁぁ!!」
ミーナ「こ、こんなに……!」
ルカ「ユウトのおかげだよ!」
シオン「……ぼく、こんなに安心して魔法使えたの初めてだ……」
(お前がそう言ってくれるなら嬉しい)
■ そして――新たな日が始まる
「みんな。今日の宿は、俺が払うよ」
ティオ「リーダーかっけぇ!」
ミーナ「ユウト……やさしい……」
ルカ「ごはんもいっぱい食べようね!」
シオン「ユウト……ありがとう」
(仲間っていいな……
いつかリリアも……このパーティに……?)
そんな未来を想像しながら、
俺たちはフェルナードの街の宿へと向かった。
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