猛毒と固有スキル
ミニコーナー(仮)を後書きに載せます。
反対のご意見などあれば消そうかと思っています。
依然として俺の心には鬱鬱とした気持ちが凝りとなって残っている。
巣穴から出るとムカデの姿はそこになかった。
居なくなったことに気づかない程には考え込んでいたようだ。
進もう、まずは10階層目指して。
気持ちを入れ換えるように強く一歩踏み出したところで視界は黒に染まった。
そこでやっとこさ気がついた、スッ転んでいた。
なになになに!?
足元でヌルッとした液体が地面と混ざりあい、滑りやすい泥のような状態になっていた。
さっきまでのシリアスムードとは対称的に今の俺は相当滑稽に見えるだろう。
つか足が抜けない、この泥深い!
なんなんだよ、トラップか?
デスセンチピードの粘液
自身のもつ強酸性の毒の臭いを消すために分泌する粘液。
消臭作用と聞き体に塗っていた女性が居たようだが毒の臭いを消すだけなので無意味。
希少価値:E
これ(+土)に俺は顔面ダイブしたのか…
デスセンチピードってあのムカデだよな?
デスセンチピード
敵味方無差別に殺戮を繰り返してきた百足。
殺すことに特化した進化を遂げた結果、猛毒と再生能力を得た。
かつて魔王を窮地に追い詰めた個体もいる。
階級は分からないが超危険なのは確定だな。
もし間違えてでも喧嘩を売っていたらと思うとゾッとする。
つかデスとか付いといて体臭気にして消臭剤分泌って乙女か!?
…なにやってんだ俺は、足も抜けてスライムも不思議そうに俺を見てるし。
速足にその場を去ると三ツ又に別れた道が現れた。迷宮は何故進行方向の逆側に道を作るんだ?引っ掛かる阿呆が居るのだろうか?
左の道を見ると矢鱈と数の多い足跡が食い込んでいた。なにも言うまい。
左のことは忘れて右の道に進んでいく。
最終的には行き止まりだったが、実はよく見かけている射出機と〝ケイプスパイダー〟という人間サイズの蜘蛛がいた、階級はEだ。
その時、唐突に思い付いた〝スライムトランポリン〟という、スライムを踏み台にし天井から滑空の要領で飛び込む技を試したら《翼飛行Lv1を取得しました》と放送があったのだ。
レベルも上がったのだが、この際省くぞ。
蜘蛛の外骨格を砕き倒したあとすぐさま確認すると、
翼飛行Lv1…翼をもつ生物の飛行能力向上(弱)
飛行時の速度向上(弱)
レベルが上がったことよりも全然嬉しかった。
何せ飛ぶことができるのだ。
まだほんの少し滞空するのが限界だが、今までは滑空にしか使えなかったからな。大きな進歩だ。
結局最後の道を警戒しながら進んでいくと壁から少量の湧水が流れていた。
その脇に刺々しい変わった形をしたカタツムリが張っていた。
親友とよく捕まえたはいいもののそのまま洗濯してしまって親にこっぴどく怒られたなぁ。
思い出に更けていると、単に興味本意でカタツムリを鑑定してみた
《格上への鑑定を開始》
…格上?
階級Eの魔物だったのだが、問題点は種族なんだ。
ペインエスカルゴス
他の生物が摂取すると高熱を引き起こし全身から出血する毒を体内で生成する。
特徴的な形の殻を有していて見分けがつくため階級が低い。
一般常識としてこの種のことは知られておりまず食べようとする人間は居ない。
怖!!
思わずスローインしてしまった。
取りに行く気にはならない、さらばだ。
背中に定住していたスライムは転げ落ち、異議を申し立てたいる、すまん。
多少の恐怖はあるが水は命の源飲まない方が危険だ。ええいままよ!
あぁただの湧き水だ、今のところ熱も無いし。
スライム共々水を少し浴び先へ進んでいく。
相も変わらずヒカリダケを見つけてはスライムが飲み込んでいく、消化するまで体が薄ぼんやりと光るのはいつ見ても飽きない。
近づいて食べて、近づいてきて食べて……ん?
俺の目には自発的にヒカリダケが浮いてきて食べられたように見えたんだが。
目を凝らしてよく観察するんだ、何が起こった。
スライムから半透明の触手が2本伸びていた。
先が枝分かれしており、それを手のように器用に扱いキノコを回収している。
ステータス欄にも《触手》という固有スキルがあった。
お前スライムだったんだなと再認識した。
それに何気に初めて固有スキルをみたが、ノーマルスキルとの違いは間近で見るとよく分かる。
満足するまでスライムにキノコを食べさせたあともう一度歩を進める。
大きな扉が前に立ち、また次の階層への道が開く。
こげ肉「本作品の著者、こげ肉です。3話に渡ってお待たせしましたがミニコーナーは私や主人公、登場人物による次回予告や大切な要項などをお伝えさせていただく場となりました。この場での内容はあくまでミニコーナーなので作品に影響を及ぼすことはありません。」
猫「この空間では話せる主人公の猫です、名前はまだありません。著者の都合上投稿頻度が疎らになってしまったことを重ねてお詫び申し上げます。」
こげ肉「さて次回の予告と参りましょうかね猫さん。」
猫「もう少しお前には反省してもらいたいんだがな、『テストがあるから』とか言って執筆活動をサボったくせになんだ数学見積り60点?なめてるのか?」
こげ肉「そ、それには深いわけがありましてね。」
猫「言い訳はいらん、そこで土下座しとけ。」
こげ肉「はい。では次回予告、猫さんとスライムは18階層への扉を開き順調に進んでいきます。ですが、彼らには大きな障害がぶち当たります。その正体とはなにか!?」
猫「よくできました。では次回もまたよろしくお願いします!」
こげ肉「足が痺れたんだけど、やめていい?」
猫「ダメに決まっているだろ」