プロローグ《+》
初めまして、こげ肉です。
プロローグの《+》は次話の《-》と合わせて前後編という意味となっています。分かりにくければご指摘、御要望頂けると幸いです。
◯◯高校二年三組そこに俺は毎日通っていた、普通のことだがそれを俺は当たり前として生きていた。
だが、それは一瞬、瞬きをする間に一転した。
突然言われても分からないだろう、時は2日前に逆戻る。
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「暑い、今すぐにでもシャワー浴びてぇー」
日暮れ前とは思えないほどの猛暑の中弱々しい叫びが反響する。
「暑いのは叫ばんでも分かってるわ、意識させるなよ」
蒸し返されそうなこの状況を更に暑くしようと工作する親友の脳天にチョップを入れ、暑さを再確認する。
「いてっ、殴らんでもいいだろ、殴らんでも」
と、不満そうな顔をして呟く。
「重罪を犯した罰だ、っと目的地が見えてきたぞ」
目的地、それは地元の中でも唯一目立つ、といっても田舎町の中でだが、それでも地元民は愛する二階建て大型スーパーである。
ちなみにその目的とは本屋で小説を買うことだ。
「室内だー!!」と、親友が駆け出すのを阻止し中に入る。
目的の物を買い終え、ホクホク顔で帰る親友が俺にニヤニヤしながら、「ドンマイ、この前読みたがってたラノベ貸してやるよ」
「ありがたいがその顔をどうにかしろ」
お察しの通りだが俺が買いたかった小説は売り切れていた。
この後、親友の家により先程話に出たラノベを借り、家に帰った。
家に帰ると、母が「おかえり。もう少し時間かかるけど、ご飯はお魚の煮物よ」と言うのを聞き、取り敢えず「ただいま」と返しそのまま部屋に戻りラノベを読み始めた。
全て読み終える前にご飯の準備ができ、食べ始めた。家の家族構成は、両親 俺の3人だが父は仕事柄帰りが遅いため先にご飯は食べる。
食器を洗い、すぐにラノベを読もうと思っていたが、洗剤が無いということで買い物に行くことになった。蛇の生殺しというやつだ、いや違うか。
家を出て、田んぼを横目にラノベの内容を反芻する。ラノベは勇者として召喚された主人公が魔王を倒す、ビックリするくらい王道ファンタジーものである。だからこそ惹かれたのかもしれない。
(たしか、主人公の勇者が悪魔の状態異常攻撃で苦戦するんだよな)
主人公の戦いに注目するべきところだが、目をつけたのは相手の魔法で、
「バフ、デバフって強くね」と一言、声に出す必要もない独り言を放つと、
空を切る音と後頭部の鈍痛と共に意識を手放した。
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「こんにちは、落ち着いて聞いていただきたいのですが、あなたは死んでしまいました」
自分の体を越して魂にまで澄み渡るような声に俺は
「わかりました、女神様」
そう口から溢した。
面白ければ、次話も読んでくれると嬉しいです。