71話、異世界での休日の一時
おはよう、いい朝だね!……僕とエクレールがヨーデに抱かれて身動き取れないことを除けば!
「とーさまとーさま起きて下さい」
「んぁ?ぁ〜ふまん」
そう言って僕の身体を離す。そしてそのまま両手でエクレールを抱きしめ二度寝しやがった
「と、お、さ、ま!」
「あと五分……」
「エクレール!」
「姉上……お休みなのだ……」
お仕置きが必要なようだ
「紫電」
「「あばばばばばばばばばばばばばばばっ」」
「起きた?」
「お、起きた!起きたとも!」
「起きたのだ!許してたもう!」
「ほら、朝ごはん食べに行きますよ!」
「はい、エクレール口開けて」
「あ〜」
膝枕でしゃかしゃかとエクレールの歯を磨く。龍だったから人間の歯磨きはまだあれだとかいう曖昧な言い訳のおかげで僕がエクレールの歯を磨かなくてはならない。龍は大木を噛んだり湖の水で口をゆすいだりするくらいだそうだ
「はい、終わったよ口ゆすいできて」
「わはっはのは」
「はぁ……手のかかる妹だ事……」
「その割にはイヴりん結構面倒見てない?」
「そんな事ないよ」
「そんな事あるって、明日香が歯磨きしてとか髪結んでとか言ってこなくなって寂しかったからエクレールの世話焼いてるんでしょ?」
「……否定できないのが辛い」
「イヴにィ……呼び方がなぁ……イヴちゃん?イヴねぇ?……どう呼ぼうか未だに迷ってるよ〜」
ハッとして後ろを振り向くと明日香がいた
「そんなに甘えてこない事が寂しかったの?ねぇ、ねぇ」
「う、うるさい……」
「イヴりん照れてる〜」
「明日香」
「明日香ねぇでしょ?」
「明日香ねぇ……」
「なぁに?」
「結構……うざかった」
「ごふっ……妹に嫌われるって……苦しいんだね……ごめんねイヴにぃ……」
ばたんと明日香が倒れた振りをする
駿来と明日香に関しては兄と姉と呼ばなくてはならないので極力名前を呼びたくないのだ
「ほら、仲よくお話もいいけど朝食よ」
「はーい、かーさま」
「ほら明日香ちゃんいくよ」
「わかったよ〜」
「ふぅ……食べた〜やっぱりかーさまのご飯はおいし〜」
「それは良かったわ」
レイラは料理をするのが好きだ。本来領主や貴族、王族などはシェフを雇うのだが、家は大体はレイラが作っている。僕もレイラの料理は美味しいのでそれはいいと思う。実際ヨーデは家族のためなら1ヶ月分の仕事を数日で終わらせるだけの能力もあるし……
「よし、食べ終わったし、遊びに行こうか」
「そうだね、小百合といろんなとこ見て回りたいし」
「あ、ラークは王都でやることあるんだっけ?」
「うん、テレポーテーションくれると嬉しいな」
「わかった【譲渡:テレポーテーション】」
「ありがとう、じゃあ行ってくるね」
ラークがテレポーテーションで王都へ向かったので僕達もそれぞれ異世界に行くことにした
「国王〜来ましたよ〜」
「おお、来たか。話というのはだな、昨日この世界を見て回ると言っていただろう?」
「はい、このあとゆっくり見て回るつもりです」
「その為にいくらばかりか報酬を渡しておこうと思ってな」
「お金ですか?でもいいんでしょうか、もう精霊と契約はしましたし……」
「これは2度目のレイス退治の報酬と思ってくれ」
「ん〜そういうことなら」
この世界のお金は王金貨ら金貨、銀貨、銅貨のみだ銅貨10枚で銀貨1枚銀貨100枚で金貨1枚金貨100枚で王金貨だ
僕ら全員にプレゼント王金貨100枚だ全員で800枚分、元の世界でもこの世界でも思うけど報酬の桁おかしくね?と思うのだが今回はこの世界を2度目救ったのだから有り得なくはないのかな?
「本当は王家のみで支払うつもりだったのだが国民がそれなりの金額を集めて勇者達に渡したいというのでその分も含まれている」
「それなら尚更そんなに貰えません。1/4でいいです」
「それはできん、国民の意思を無碍にすることになってしまう」
「ですが」
「貰っておいてくれると助かる」
「イヴ、貰っとこうぜ、これっきりこの世界にこないわけでもないんだからさ」
「そう……だね、ありがたく頂戴します」
「よし、それで良い」
ラークの分は僕が預かっておいた
今思ったけど助けたのって僕とエクレールだけじゃ?いや、瓦礫から救出したりしたか……?
もらったものはしょうがないか……
「エクレールはどうする?」
「我は美味しいものを食べてくるのだ」
「まぁエクレールならそういうと思ったよ」
「俺と小百合は適当に見て回るぜ」
このふたりは付き合うとか好きとかではなく普通に友情なのだろう、男女の友情はありえないっていうけど、このふたりに限ってはただの仲良い友達なんだよなぁ……
「じゃあ私は昴とデートしてくるね!」
「イヴまた後でな」
「また後でね」
「よし、じゃあ私達もデート行こうか」
「そうだね香織」
あんなに国中がボロボロになったにも関わらず6割ほどの店がもう再開していた
「あ〜あれとか美味しそう」
「ハンバーガーに似てるね」
元の世界の食べ物に似てるものを見つけると超嬉しい
「あのお肉なんの肉だろう」
きっとこの世界にしかいない動物の肉だろう、美味しいのかな?
「食べてみようよ」
「そうだね」
ハンバーガーもどきを食べ終わり、美味しそうなものを色々食べたり食べさせ合ったりと甘い時間を過ごす。珍しいことに今回は誰にも絡まれなかった
「ぉぉおおお!嬢ちゃんすげぇな!」
「あぁ、半端ない」
「ざまぁチンピラども笑笑」
街の広場からざわざわと声が聞こえてくる
僕と香織はその人だかりに近づく
「あの、なにかあったんですか?」
「あぁ、さっきチンピラがあの嬢ちゃんに……へ?」
「どうしました?」
「……同じ顔だな、嬢ちゃんはあの嬢ちゃんの姉妹か?」
フライを使って上空から見てみるとチンピラが100人ほど倒れていてその中心にエクレールが……
僕は地面に降りた
「すいません、僕の妹です」
「嬢ちゃんもすげぇな……空飛んでっし……」
「妹が妹なら姉も姉か」
「あ、勇者様じゃね?」
「そう言えば……」
やばい
「【記憶改竄】」
面倒臭い事になる前に記憶を改竄して勇者の事実を一旦忘れさせる
「エクレール!何してるの!」
「ちょっと美味しいもの食べてたらチンピラに絡まれてる女子がいたのだ、だから痛めつけたらわらわらと次々に出てきて全部倒したらこうなったのだ」
なるほどチンピラに絡まれなかったのはエクレールがすべて撃退していたからなのか
「ごめんね香織デートはここまでのようだよエクレールを一人にするとこうなる」
「そうだね、助けられた人もいるけどこれは大惨事だね」
「こいつらは……こうだ」
縄を生み出して(経験値超万能過ぎて困る)縛り上げて全員詰所に放り込んでおく
「今日はもう帰ろうか」
気づけばもう夕方だ、レイラの美味しい夕食が待っている
昴と駿来達に念話でそろそろ帰るよと伝えて
僕と香織とエクレールは先に帰った
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