もしもあの時 〜夢オチシリーズ2〜
活動報告より♪
また夢を見た旦那様 ( *`艸´)
「結婚してください」
早く結婚しろと周りがうるさくて仕方ないけど、カレンデュラ以外の人と結婚する気なんてさらさらない僕は、適当な誰かと適当に結婚しようと考えた。
誰がいいとか深く考えもせず、とりあえず幼馴染で付き合いの長いアルゲンテア家のバーベナ嬢にプロポーズした。バーベナは昔から僕の婚約者候補筆頭だったから、まあ妥当な線かなという軽い気持ちで。
「喜んで!!」
僕の適当なプロポーズに満面の笑みで快諾するバーベナ。そうか、よかった。
しかし結婚といっても表向きだけ。僕には愛するカレンデュラがいるから、申し訳ないけどかまってやれない。
「結婚と言いましても、あなたは自由にしてくださって構いません。あまり派手には困りますが、恋人を作ってもらっても結構。衣食住、何不自由なく生活していただくことを約束しますよ」
だからせめて結婚後は自由にしていいよって言ったつもりだったんだけど。
「まあ、ご冗談を! おほほほほ! サーシス様ったら照れ隠しでそんなことをおっしゃってらっしゃるのね」
おかしそうに笑うバーベナと、苦笑いになる僕。
冗談じゃねぇって本気だって。空気読めよ。
「いや、冗談でなくて本気ですが」
「おかしなことをおっしゃるのですね。まあ、わたくしの場合サーシス様しか見るつもりございませんから、外に恋人などめっそうもない。サーシス様だけを愛してさしあげますわ!」
さっきと同じ様に笑ってるけど、なんか目が変わった。凄みがあるっていうか。
僕がちょっと腰が引けるくらいに。
「あ、いや、そこまではちょっと」
「サーシス様もわたくしだけを愛してくださいませね」
にっこり。凄みを増した笑顔で微笑まれるけど、だからそれは……。
「それは無理というか……」
「あら、どうしてですの? 愛人? そんなのわたくしが追い出してさしあげますわ」
ふん、と鼻で笑うバーベナ。
「それは困る!」
「あらあら。今はそうおっしゃいますが、そのうちサーシス様も愛人なんか綺麗さっぱり忘れちゃって、わたくしがいればそれでいいって思えるようになりますわ。ああ、そうだ。もういっそお仕事もやめて二人っきりでお屋敷で暮らしませんこと? うちの財力があればそれも可能ですわよ! サーシス様はな〜んにもしなくていいですわ、わたくしが全部お世話させていただきますから」
バーベナが自分の考えにうっとりとしている。
ちょ、どうした!? え、僕、家に軟禁されるのか!? お前、そんなキャラだったのか!?
「ナニソレコワイ」
「愛人なんて忘れてしまって、二人で楽しい家庭を築きましょうね!」
「ちょ、こわっ!! やっぱりこのプロポーズはなかったことにして……」
「何をおっしゃってるのかしら? サーシス様−−」
「わっ、来るな! うわっ…………」
* * * * * *
「うわぁぁぁぁぁ!!!!」
自分の叫び声で目が覚めた。ついでに勢いよく起き上がる。ああ、僕は夢を見ていたのか……?
……夢だよな?
額にびっちりと浮かんだ汗を拭う。
僕はバーベナにプロポーズ……してないよな? バーベナと結婚して、アルゲンテア家に軟禁されてないよな??
嫌な汗が背中を伝う。まだ寝ぼけて混乱しているな、僕は。
隣にある、布団の膨らみ。……確認するのが怖い。
隣に眠る『妻』を確認しようと、掛け布団に手を伸ばした時——
「どうかしましたかぁ? 夜中に突然叫んだりしたらみんなが心配しますよぉ」
不意にゴロンと寝返りを打ち、こちらに向いたのは『ヴィオラ』。最愛のヴィオラじゃないか!
僕の声で目を覚ましたのか、ヴィオラがトロンとした目でこっちを見ていた。
あ〜やっぱり夢だったんだな! よかったよかった!!
バーベナにプロポーズしなくてよかった……じゃなくて!! なんでこんな夢見……ああ、この間ヴィオラが『バツ3になってる僕の夢』を見たとか言ってたからか。しかしヴィーってば、なんてひどい夢見るんだよ。
今日の夢もひどかった……というか怖かった。バーベナがなぜあんなことに??
まあなんにせよ夢でよかった。
ここにいるヴィオラはなんてかわいいんだろうか。そのかわいい寝ぼけ顏を見て癒される。
「ごめんごめん、起こしちゃったね」
「ダイジョーブデスゥ」
「あ〜……ヴィオラが奥さんでよかったよ」
「?」
「おかしな夢を見た」
「きっと疲れてるんですよ〜。早く寝ましょう」
「そうだな、疲れてるんだな。よし、寝よう!」
もそもそと再び布団に潜るヴィオラのお腹を気にしつつ、それでもしっかりと抱き込んで、僕はもう一度眠りについた。今度はヴィオラと幸せな夢を見るんだ!!
ありがとうございました(*^ー^*)




