↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仁侠?それって美味しいですか?  作者: 甲斐性なし
9/10

第9話


「なぁ、現実と空想の違いってなんだと思う?!」


「は?なんスか先輩、急にキモいすね?」


 緊急走行の制限速度をぶっち切りながら、交差点の歩行者を接触寸前でかわす。懸賞金とアルコールでハイになった先輩は、尊法遵守の精神を交番に置き忘れていた。


「ゆーたらよ、ガンダムだって今の技術じゃ造れねぇだろ?!」


「そっすね、その話長そうですか?」


 TURU-TAN見るの忙しいんすけどと叫ぶ後輩を無視して、先輩は話し続ける。


「だったらそいつに掛けられた賞金額だって、現実的じゃないって意味で一緒だろが!俺の生涯収入の何回分だよ!」


「はぁ?さっきからなに言って…あっ。

 バッカオメー?!ナンツ(・)メ(・)タ(・)イ(・)ノ(・)クッテンオラー!?」


 鼻の下を白い粉まみれにしながら、歩道に乗り上げても速度を落とさない先輩から、あわててハンドルを奪うと、ちょうどそのとき配信中の映像では、半グレたちがビルからでて、トラックに詰め込まれる最中だった。そして配信が終了した。


「だからこれはゆめなんだ、げんじつじゃねえ!あと100キロはだせるね!ところでおまえだれけ?」


「だからパトの座席に冷たいの(覚醒剤)隠すなっつたろがオラー!!!」


 どうにか目的地のビルが見えてくると、ちょうど大型バンとトラックが出発したところだった。

 決してアクセルを緩めようとしない先輩に後輩は怒鳴りながら、トラックに向けて射撃準備をする。


「トラックと並走しろよ!ちょっとでもぶつけたらオメースッゾメェー!」


「わかった、こうだろ」


 更に加速してトラックの進路先へ踊り出ると、先輩は急に素面の声で号令をかけた。


「目標後方のトラック前輪、距離10メートル、連射指命、撃てぇ!」


「急にコエーわ、なんなんオメー…」


 強烈なマズルフラッシュと轟音が、市街地を戦場に塗り替える。戦後最大級の不祥事がひとつ生まれた瞬間だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。