エピローグ
大精霊様にオシホと名付けて一週間が経った。
大精霊様に失礼があってはならぬと緊張していたのだが、特に問題なく過ごせている。
当初はメイドさんはカチコチだったが、今は多少改善されてはいる。
現状について整理する。
俺はと言うと、大精霊様に土魔法を教わっている。恐らく、最も土魔法に精通したお方に教わっているのだが、他の土魔法以外を覚えられていない。メイドさんは大精霊様差し置いて魔法を教えるなどとんでもない!と教えてくれず、大精霊様も土専門で、他は駄目だった。
まぁ土魔法をある程度覚えたら大精霊様から言って下さるそうだが、大精霊のある程度とはどの程度になるのか分からない。
それから体力作りもしている。
モンスターを見た。
ゴブリンは即殺されて良く分からなかったが、黒い煙になって魔石になったのを確認した。
熊は非常に驚異だ。滅多に居るような個体ではないとの事だったが、確かに存在している。
あんな化け物がうろちょろしてる世界なんて気軽に散歩も出来ない。
まぁ、引きこもりだから、散歩なんて滅多にしたいと思わないし、実行はもっと少ないから気にしない。
現状特に問題になってないが、南側の出入り口の近くにあんなのが居たんじゃ南側の出入り口は封鎖だ。
北にも出入り口があるそうだが、現在メイドさんが調査中との事で出させてもらえてない。
何にしても力が欲しい。
体力は作る。魔法も習ってる。武具はある。魔具もある。
あとは使えるようになること、体を使えるように、魔法も戦闘に使えるように、武具を扱えるように、魔具を有効に使えるようにする。
当面はこんな調子で訓練だろう。
目標は熊の単独撃破だ!
失敗したときを考えて、戦力を伏せ、可能な限り安全に配慮する事になるだろうが、少し目標が高かっただろうか?
アリストラさんことメイドさんだが、周辺の情報を集めている。
最近外から来た大精霊様に聞いてみたのだが、遠い地からきたらしく、この辺りは分からないそうだ。
よって、地道に偵察をして情報を集めるしかなく、アリストラさんが、北の出入り口を中心に調べている。
あと、俺の武器での訓練にゴーレムを操作して付き合ってくれてる。
武器の心得は無いが、ゴーレムとの実戦に近い戦闘をしている。
……少なくともしているつもりだ。
武器に心得のあるものが居ないので、素人ではあるが、実戦に近い訓練を行う事でなんとかしようとしている。
ただ、薬草の育成からポーションの作成も可能で、いくらでも用意出来るからと割りとガチで殴られるのは非常に痛い。
だが、防具の偉大さも知ることができた。
大精霊様だが、俺に魔法を教える傍らで、大精霊様のゴーレムの改造計画が進行中だ。
今は同期型ゴーレム試作一号のまま活動している。
発声の魔具は手に持ったままは不便なので、俺の翻訳魔具同様首から下げている。
大精霊様の意見を取り入れて、メイドゴーレムを参考に大精霊様とアリストラさんが改造計画を立てているらしいのだが、もはや新規設計並みに別物になってる気がしなくも無い。
改めて現状を考えると、俺はかなり恵まれた状態にある。
モンスターが居た。魔法がある。帰還不能の可能性大。だが、衣食住があり、やりたいことがある。
それに仲間も居る。元人間のコアに大精霊だが、非常に心強いお仲間だ。
そんなこんなで、事故に遭い死にかけていた俺は異世界で生きていく事になった。
何が出来るか分からないが、ほどほどに頑張って行こうと思う。
ハーレムは努力目標。
人里に出たりするかは、要検討。