seed.1【決戦の果てに】
祝・人類滅亡! 祝・世界征服!
──で、誰もいなくなったこの星で、俺たちこれからどうすればいいの……?
念願の完全勝利を果たした魔王軍が直面した、まさかの「目標喪失」とゼロからの世界再建。
荒野から始まるドタバタ開拓ストーリー、開幕です!
なおこの作品はAIと共同をしてアイディアを出し執筆しています
大地が鳴り揺れる中、そいつはやってきた。
ゴゴゴゴゴゴ……ッ!!
重厚な玉座の間の扉が、勢いよく開かれる。
そこに立っていたのは、数々の激闘によって全身傷だらけになった男――勇者グレンであった。
「魔王ルシフェル! この勇者グレンが、お前を倒して世界を救ってみせる!」
グレンは大剣を深く振りかざし、その身に絶大なる力を溜め始める。
漆黒の玉座に鎮座する魔王は、不敵な笑みを浮かべた。
「ククク……貴様ごときにやられるワガハイではないわ! ハハハハハ!」
ルシフェルは愉快そうに一蹴すると、傍らに控える巨漢へ視線を送る。
「おい、アストラよ! お前の力を見せてみろ!」
「ハッ! おまかせを! 勇者グレンとやら、俺を倒してみろぉっ!」
一瞬にして間合いを詰める二人。
グレンの聖剣と、アストラの巨大な斧が正面から激突する。
凄まじい火花と衝撃波が吹き荒れ、互いに一歩も譲らない力と力のぶつかり合いが繰り広げられた。
しかし、その均衡を打ち破ったのは――勇者グレンの必殺技だった。
「一ノ型――『極光星閃』っ!!」
剣が空気を切り裂き、鋭く研ぎ澄まされた一条の光線となって駆け抜ける。
解き放たれた光の衝撃波は、アストラの超重量の大斧を真っ二つに切り裂き、その巨躯ごと背後の外壁へと叩きつけた!
ズドオオオオオンッ!!
大量の土煙と崩壊音が玉座の間に響き渡る。
アストラは崩れ去った壁の瓦礫の中に埋もれ、ぴくりとも動かなくなってしまった。
「ハァ……ハァ……っ! どうにか……」
グレンは荒い息をつきながら、支えにするように地面へ剣を突き刺した。
「ハハハハ! 我が側近アストラを倒すとは恐れ入った。……しかし、そんな満身創痍の体で、ワガハイを倒すことができるかな?」
「そんな口は……俺に勝ってから叩け!」
「ククク、さあかかってこい、勇者グレンよ!」
グレンは全身の力を振り絞り、身体から真っ赤な戦気のオーラを噴出させた。
「奥義――『聖天光斬』ぁぁぁっ!!」
赤く輝く光が玉座の間全体に広がり、城全体が激しく振動する。
だが、魔王ルシフェルは余裕の笑みを崩さず、その掲げた両手から赤黒い魔力を練り上げていった。
生み出された赤黒い球体は、玉座の間の天井を突き破り、魔王の巨躯すら遥かに超える巨大な破壊の塊へと膨れ上がっていく。
「ワガハイのこの技で、人類はすべて消え去るであろう! これを喰らうがいい――極大魔法『アビス・フレア』ぁぁぁっ!!」
ドドドドドォォォォンッ!!
天を貫く赤黒い火柱が星全体を呑み込み、世界を焼き尽くす。
やがて荒れ狂う炎が収まると、魔王の周囲には不気味なほどの静寂が訪れていた。
「ワハハハハ! 我が『アビス・フレア』は勇者もろとも、人間どもを灰にしてやったわ!」
勝ち誇るルシフェルは、煙の奥へ向かって声をかける。
「おい、ヘスペロスよ! 生きておるか!」
「……はい、ここに」
城の奥に深く張られた強力な結界から、参謀のヘスペロスが静かに姿を現した。
「本当に人間がいなくなったか、確かめてまいれ」
「かしこまりました」
ヘスペロスは崩れた天井から外へ飛び立ち、待機していた翼竜へと指示を出した。
――城内には、ただただ静かな時が流れていく。
「……まだか?」
しんと静まり返った廃墟で待ちくたびれるルシフェル。
そこへ、上空から戻った翼竜がヘスペロスへ何やら必死に報告を始めた。
「魔王様。翼竜の報告によりますと……人間は一人残らず、すべて消え去った模様です」
「アハハハ! そうか、ご苦労であった! ヘスペロスよ、戦勝祝いの宴の準備だ!」
ガラガラッ!
その時、瓦礫が崩れる音が響き、傷だらけになったアストラがむっくりと頭を擦りながら起き上がった。
「ハァ……ハァ……。魔王様……私をお忘れではありませんか……?」
「おー! アストラよ、生きておったか!」
「ガハッ……あの程度の攻撃では、まだ死ねませんよ!」
「アハハハハ! それは重塩(重宝)だな! ではヘスペロス、改めて宴を――」
「………………」
ヘスペロスは応じず、静かにモノクルの奥の目を逸らした。
「……あの、魔王様」
「ぬ?」
「宴は……できません」
「なに?」
ヘスペロスをギロリとにらみつける魔王。
「ですから……宴はできません」
「……なぜだ? 人類を滅ぼし、この星を手に入れたのだぞ! 肉と酒を持ってまいれ!」
「できません。魔王様が先ほどの『アビス・フレア』で人間の街も、全員消し飛ばしたのですから」
「………………」
「エーーーーーツ」
魔王ルシフェルはあいた口が塞がらなかった。
世界を手に入れたと思っていた魔王軍が最初にぶち当たった壁。それは絶望的な虚無であった。




