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逆転の関ヶ原 〜毛利の執権、三成の誤算〜  作者: 中学生


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5/5

義の行く先

最終話をお読みいただき、本当にありがとうございます。

ついに三成と家康、宿命の対決に決着がつきます。

圧倒的な兵力差を誇る徳川軍を相手に、三成が選んだ「勝利」の形とは何なのか。

そして、戦いが終わった後の日本。

三成が本当に作りたかった世界を、最後まで見届けていただければ嬉しいです。

「進めーーー」

三成の叫びが、鉄火場と化した戦場に響いた。

周りは敵だらけだった。徳川秀忠の率いる圧倒的な数の暴力が、西軍を今にも押し潰そうとしていた。しかし、三成の軍勢は、まるですべての命を一点のきりに変えたかのように、徳川の本陣を突き破ったのだ。

目の前には、白髪の老将、徳川家康がいた。

その周りを、数人の近習が死に物狂いで守っている。

「石田治部少輔……! 貴様ごときが、このわしの首を……!」

家康が刀を抜こうとしたその時、三成よりも早く、一人の男が風のように駆け抜けた。

「三成様の道は、俺が切り開く!」

島左近だった。

左近の放った一撃が、家康の側近をなぎ倒す。その隙を突き、三成の剣が家康の喉元に突きつけられた。

「……勝負あったな、内府殿」

三成の声は驚くほど冷徹だった。

周囲の兵たちが、凍りついたように動きを止める。数万の徳川軍がいても、その主君の命が今、一振りの刀に握られているのだ。

「殺せ。殺して、貴様の望む豊臣の世を作るがよい……」

家康が低く笑う。だが、三成は刀を引かなかった。

「……いや。私は貴様を殺しはしない。だが、貴様の『野望』はここで殺す」

三成は宣言した。家康の身柄を拘束し、秀忠に武装解除を命じると。

戦いは終わった。

数カ月後。大坂城。

三成は、かつての豊臣秀吉が座っていた上座を空けたまま、大名たちの前に立っていた。

そこには毛利輝元も、生き残った徳川秀忠もいた。

「これより日本は、一人の天下人が治める国ではなく、諸大名による合議で決める国とする」

広間がざわめく。

三成は自分自身が天下人になることを拒否した。自分がトップになれば、また家康のような反対勢力が現れ、戦が起きることを知っていたからだ。

「私はただの事務方、調整役に過ぎぬ。皆が豊臣の名の下に、等しく力を合わせる。それが私の掲げる『大一大万大吉』の正体だ」

三成は静かに、広間から退場した。

廊下で待っていた島左近が、呆れたように笑う。

「せっかく天下を取れるチャンスだったのに。三成様は相変わらず、損な性格をしていらっしゃる」

「……私は、天下など欲しくない。ただ、誰もが道理に従って生きられる国が見たかっただけだ。……左近、腹が減ったな。茶を飲もう」

三成が見上げた空は、あの日、関ヶ原で見た重い霧が嘘のように晴れ渡っていた。

不器用で、生真面目で、誰よりも「義」を愛した男。

彼が無理やり捻じ曲げた歴史の先には、争いのない、新しい日本の光が差し込み始めていた。

(完)

全5話、完結いたしました!

最後までお付き合いいただき、心から感謝します。

石田三成という武将は、歴史上では「負けた人」ですが、もし彼が勝っていたら、きっと自分の利益よりも「ルールや正義」を大事にする、現代に近い政治を目指したんじゃないか……そんな想像を込めて執筆しました。

中学生の僕なりに考えた「西軍勝利」の物語。

少しでも皆さんの心に届いていれば幸いです。

もしよろしければ、読後の感想や「ここが良かった!」というコメントをいただけると、本当に嬉しいです!

別の歴史Ifストーリーでまたお会いできる日を楽しみにしています。

本当にありがとうございました!

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