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「リア、お待たせしました。

デューク様、リリーアンナ様、遅くなりました。」


手合わせ?を終えたユーリは侍従の案内で三人がいる場所まで辿り着いた。


「ユーリ!どこへ行っていたの!?」


リアが彼に駆け寄ってくる。彼女には何も話ていないユーリはどうしたものかも悩んでいた。


「ふふ。アリアドネ様、ユーリは私の護衛のことで帝国の騎士団長と()()()()に行ってもらっただけですわ。」

「ユーリ、そうなの?」

「はい。リリーアンナ様の護衛には実は特別なことがありまして、それを帝国の騎士団長たちに伝えに行って参りました。

お傍を離れて申し訳ありませんでした。」

「ううん。来てくれて嬉しい!」


ユーリは嬉しそうにしているリアの頭を優しく撫でる。


「ユーリクス、問題はなかったか?」

「はい、デューク様。予定通りです。」

「ふっ、流石だな。」


四人でお茶を飲みゆっくりしていると、デュークの元に側近が何かを伝えにきた。


「はあ…」とため息をつくデュークはユーリへと視線を向けた。


「デューク様、その表情では話し合いは足りませんでしたでしょうか?」

「そのようだ。」

「はあ…。わかりました。リア、また傍を離れるのは嫌なのですが、行ってきてもよろしいでしょうか?」

「…わかったわ…。

でも、なるべく早く帰ってきて?」


可愛いお願いにユーリの心が躍る。


「はい!勿論です!」


ユーリは侍従の案内で再び手合わせをした訓練場へ向かった。


「何人で纏めてやっても結果は変わらないのに、諦めが悪いですね?」


訓練場には殆どの騎士が集まっていると言っても過言ではないほどの人数がいた。


「私は先程、あなたたちの上官でもある団長たち複数をひとりで倒しました。()()()()()奴等の部下なんて、王国の騎士見習いよりも弱いと思いますけどね。」


ユーリは帝国の騎士たちを見下す。


「貴様、何様なんだよ!」

「デューク皇太子殿下の客人ですが?」

「客人が騎士団長たちと闘う訳がないではないか!」

「私は王国の第三騎士団の団長でもあるので、この国のレベルを知りたかったのでお願いしたのですよ。

それにデューク皇太子殿下が私を帝国の騎士団に欲しいと仰ってくださっていたのでね。」

「この人数を相手にできるのか?」


ユーリを真剣を手にした騎士が30人ほどで囲む。


「問題ありませんね。ですが、よろしいのですか?

多勢に無勢…騎士としての矜持はないのですか?」

「団長たちの仇だっ!行くぞっ!」

「「「おうっ!」」」


リーダー格の騎士の掛け声で一斉にユーリに向かってくる。


「連携がなってませんね…」


攻撃を躱しつつ、先程の団長たちのように致命傷にならない程度の傷を負わせていく。


「こいつ、化け物かよっ!?」

「失礼な。ただの人間ですよ?先程も聞いた騎士もいるのではないですか?私はあの剣姫の孫ですよ?

どんな状況であろうと、私が負けることはありませよ。」


束で斬りかかってくる騎士たちを薙ぎ払い人数が半数以下になったときだった。

「そこまでだ!」とデュークがやってきたのだ。

デュークの登場に騎士たちは膝をつき頭を下げる。


「無様だな…帝国騎士団の団員とは思えないほどの弱さだ。

()()()()()()の騎士ばかりが倒れているような気がするが、気のせいか?」


デュークは口角を上げながら話し出す。

ユーリは殆どの騎士が皇妃の家系であると知っていて、煽り攻撃を加えていたのだ。

本来の目的である『報復』は騎士団長(皇妃の兄)を倒したことで終えているので、ユーリとしては移動中に鈍った身体を動かしたかった。程度の意気込みも無きにしもあらずだった。


「デューク皇太子殿下、恐れながら申し上げます。」


騎士団長が足を引きずりながらやってきた。


「そなた、歩けるのか?ユーリ、随分手加減したんだな?」

「私としたことが…。相手に致命傷でない怪我をさせるのは難しいのです。」


ユーリが本気でやれば、怪我程度では済まない。

生死がかかわってくるからだ。


「ユーリが敵でなくて良かったよ。

それで騎士団長、何用だ?」

「皇太子殿下のお客人といえど、帝国貴族である私に怪我を追わせた人物です。ヒルデスト卿には国へ…」

「ユーリは用事が済み次第帰国するから、帝国にいるのは数日だけだ。

それに貴族云々あるのであれば、お前は侯爵家の次期当主だがユーリは侯爵家当主だから、問題ではないだろう。」

「こ、侯爵…」

「私は実家に住んでいるので、自分が侯爵だと忘れていますがね。領地はまだ持っておりませんし。」


ユーリが侯爵だというと周りは驚いた。

ここは帝国だが、他国の貴族当主に危害を加えようとしたのは自分たちだったのだと…。


「騎士団長、あなたが愛して病まない妹君(皇妃)が俺の大切な人にちょっかいを出すので、国際問題にならない程度にしようと思ったのですが、喉を潰して話せないようにしたほうがよかったですかね…?」


ユーリは騎士団長の耳元で囁く。


「き、貴様!不遇の皇女のっ!?」


その瞬間、ユーリの剣が騎士団長の喉元を斬り裂いた。


「おっと…手が滑ってしまいましたね。

まあ、命はありますからデューク様の命令には背いていないですよね?」


苦しがっている騎士団長を尻目にデュークへ視線を向ける。デュークは「医務室へ運べ」と命令してからユーリに言った。


「返り血浴びてるぞ?それでリアの所へ行くつもりか?」

「騎士団長が余計なことを言うからです。

流石の私も久しぶりにキレましたよ。俺のリアをあんな名前で呼ぶとは…あの家系は命知らずなのですか?」

「本当にお前を怒らせたら恐怖しかないな。

さて、汗を流してこい。」


ユーリは汗と返り血を流したあとに嬉しそうにリアの元に戻ったのだった。

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