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第一章6話

今回は、お使いの序にこの世界でのドワーフ族の事をば少々解説出来ればと思います。

メリンダさんとシャノンさんを連れ立って冒険者ギルドを出発し、地図を見ながらまずはラオルスク自治会、その次は商業ギルド会館、マーサさんの服装店、ギリムさんの鍛冶屋、最後にラオルスク公衆大浴場の順番でクエストを達成する。……うむ。これで良い、これで行こう!!


「……ほうほう。なるほどね」

「これはこれは」


……何故、お二人は『うんうん、わかってるわかってるよ?』って生暖かい笑みを浮べてるんですかね?


「いやさぁ、これ、ようはあれでしょ?ねぇ、シャノン」

「ええ、セラちゃん最後にお風呂に入ってから帰りたいのよね?」


ギクゥゥゥ!!……いや、やっぱりですね、自治会の皆さんや商業ギルド会館とか街の重要な所から回るのは世間の常識であって決して最後に公衆大浴場でまったりとお湯に浸かりたい等と考えてるわけでは無いですよ?……結果的に最後が公衆大浴場なのでちょっと、興味が有ったりしたからではないのです。


って、何で肩に手を置いてやれやれってやってるんですかー。


「このクエスト受ける女の子で、綺麗好きなら大抵最後にラオルスク公衆大浴場に行くんだよ?」

「私達もそうでしたしね。それに、ドワーフさん達が一番住んでいる工房街の直ぐ近くにあるからね。ギリムさんの鍛冶屋の後に、公衆大浴場になるのは必然でしょう」


メリンダさんとシャノンさんから聞いた話なのですが、そもそも、公衆浴場を帝国各地に建設し運営しているのはドワーフ族の皆さんみたいなのです。何でも、ドワーフ族の王国は火山地帯で有名なレムンレスト大山脈と言う所に有るのですが、そこは火山が有る所為か大の温泉地帯だそうです。当然、温泉があればそれを利用するのは生き物としての当然の本能?であるので、ドワーフさん達は大のお風呂好きなのです。……私の記憶にあるドワーフと何か違うんですけど。


まあ、いいでしょう。ちょっと長くなるんですけど、帝国を建国した初代皇帝陛下は皇帝になる前の冒険者時代にとあるドワーフさんと大の仲良しで、よく酒を飲み、よく腕試しをし、よくお互いの窮地の時に助け合ったそうです。

時が流れて、初代皇帝陛下は、ヴァールベルン地方に巣くう獣魔族らに苦しめられていた同胞を救うべく兵を挙げて激戦の末に獣魔王を討ち取り、ヴァールベルン地方を解放したそうなのです。


一方、初代皇帝陛下の友人であったドワーフさんは故郷のレムンレストでオーク族の大規模な侵攻に晒されていたそうです。ドワーフさんのお父さん。この方はドワーフ族の王の中の王、至高王と呼ばれる方だったんですけど、オークの諸部族を力で纏め上げ、後にオーク・バーサーカーロードと伝承に残る狂戦士に一騎打ちで討ち取られしまい、急遽、至高王を継いだそうです。

 そのドワーフさんもお父さんに負けず劣らずの猛者で、局所的には優位に立っていたのですが如何せん圧倒的な物量に押されており滅亡の危機に瀕していたそうです。


そして、誇り高いドワーフ族はこの時に、他の種族に助けを求める決断を下したのです。長年の仲の悪かったハイエルフ達にも、土下座をして救援を依頼したそうです。ですが、ハイエルフは元より、多くの人の部族、獣人の部族らに依頼を拒否され途方にくれて帰還する使者を、たまたま領内の視察に出ていた初代皇帝陛下が呼びとめ自身の城に招いて、どうしたのか?と理由を聞いたのです。


長い年月ドワーフ族はオークとの戦い続けており、今、オークの大軍勢がドワーフの住まうレムンレストに攻め込んできている。先代至高王も父祖神の元へと旅たち、今上至高王は諸族に救援を求める決断をし我々を派遣したのです。しかし、皆、オークの恐ろしさに恐れをなして誰も援軍を差し向けてくれぬのです。悔し涙を流しながら語る使者に皇帝陛下は御身自ら慰め、居並ぶ諸将にのたまわったそうです。


我には長年苦楽を共にしたドワーフの友がいる。また、ヴァールベルンを解放する戦いにおいてドワーフ族の方々には良質な武具を提供してもらった恩がある。今、帝国は戦役が終わったばかりで復興もままならぬ状態であるが、今一度諸将の力を貸して欲しい。そう言ったそうです。それに対して皇帝陛下の最も信頼の厚かった帝国随一の勇将は、レムンレストが落ちれば、次は我々がやつ等の餌食になりましょう。今ここで我等が立たねばドワーフの方々も、我等も共に滅びの道を歩む事になります。陛下、我等にお命じくだされ。と。


その後は、レンムレスト大山脈の名称にもなった霊峰レムンレスト山のドワーフ族の王都を包囲するオーク・バーサーカーロードの軍勢目掛けて最後の力を振り絞り帝国軍は突き進んだそうです。この過程で多くの帝国兵、そして将帥らが討ち死にし、ドワーフ族の王都に到着する頃には戦える兵は万を割り込み、皆多かれ少なかれ傷ついていたそうです。王都を包囲するオークは自軍よりも遥かに多く、これを殲滅するのは不可能、ならば、オークを纏めるオーク・バーサーカーロードを討ち取る他無しとの結論に至り、帝国軍において一騎打ちの最強戦力である皇帝陛下を何が何でもオーク・バーサーカーロードの元へと送り届ける事を決断し、即実行したそうです。そして、千を割り込むまで消耗した帝国軍はその目的を果たし、皇帝陛下をオーク・バーサーカーロードの元へと無事に送り届けました。


皇帝陛下は、自分は剣を振るってる姿しか想像できんと言って上位のクラスにクラスチェンジ出来るだけの資質を持っていたのにも関わらず基礎クラスの戦士であり続けた方、片や数十万にも及ぶ凶暴なオークをその力のみで纏め上げたオーク・バーサーカーロード。始まった一騎打ちは純粋に力と力のぶつかり合いであったとの事です。当初籠城しているドワーフ達は身の丈4mは超える化け物を相手に、2m超えてるとは言え高々人間風情が本来適うわけが無いと思われていたそうです。ただ、人生で得た経験を全て戦士というクラスに捧げた皇帝陛下はその化け物相手に互角に戦ったそうです。そして、相打ちになる形で見事にオーク・バーサーカーロードを討ち取ったのでした。


今際の際に再会を果たした至高王となった友人に証人となってもらい、帝国随一の勇将に帝位を禅譲した皇帝陛下は、ドワーフ族と共に助け合う様に遺言を残して、友人の至高王や諸将に看取られて戦神の元へと旅立たれたのです。


話長くなりましたが、こうして、ドワーフさん達と仲良くなった帝国では多くのドワーフさんらが訪れで復興の手助けをしてくれたそうです。その、ドワーフさんらは温泉地帯が限られてる帝国でお風呂に入らんが為に、一族の秘伝の技術を惜しげもなく投入し公衆浴場を作ったのでした。……これに関する逸話も有るんですが、語ると長くなるのでまたの機会にしたいと思います。


以上の経緯により、ドワーフと帝国は互いの友好関係の維持と防衛を最優先にしております。

また、この一件でドワーフらはハイエルフを戦争を仕掛けないまでも益々嫌いになり、ハイエルフと仲の良いルミナス聖王国の事も余り好ましく思っていません。


なお、ドワーフ達の入浴にかける情熱は大変に凄まじい物があり、非常に凝った作りの浴場を作る事で有名です。そして、風呂上りに飲むエールは最高じゃぁぁ!!との事。そして、ある意味、それの為だけに惜しげもなく技術や財宝を投入する。そんな人達です。


あと、個人的に多くの作品の中で帝国と付く国はどちらかと言うと悪役になる場合が多いので、ひねくれ者な私は帝国をこの様に位置づけましたとさ。

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