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第三十話 その日の前 (Holiday)

うーん、この話での最強キャラのそれと対決しにいく次回の為の間話です。次回はそんなに長くなるはずは無いんですが、もしかしたら十八話よりも難しい、最難話になるのが次回なのかもしれないんで、ちょっと、「間」を。


『さぁ!ブリーフィングだ!みんな!』

コマンダーは満面の笑みを浮かべて

そのブリーフィングルームに集まった者達に叫んだ。

肩を振るわせて興奮しているコマンダーに

ポカンとするB。

対称的に、嫁はものすっごい仏頂面だった。

「あのー、えーっと、コマンダー?

 何のブリーフィングなんですか?

 まぁ定期ブリーフィングなら

 それは必要ですが、

 なんで今日はそんなにハイテンションで?」

言ってBは、意味不明に集まった時から

ハイテンションなコマンダーにそれを問いかけた。

それと、嫁の機嫌がめっちゃ悪いのが気になる。

『これが興奮せずには居られるか!!

 私の可愛い妹が!!

 私の大事な妹が!!

 このまったくどうにも

 見当が付かなかった今までの状況に、

 こんな、”考えもしなかった方向”を

 見つけてくれたんだぞ!!

 これがテンション上がられずに居られるかっ!!』

言ってコマンダーは己の拳をブルブル震わせる。

「あーえっと…

 ええ、まぁ俺的にも…

 心の武器化の意味は分かったんで

 方向性は見えましたが…

 それは方向性であって、それの具象化がですね…

 あの方法論を、どう作戦に向けて形作るか

 それの精錬が必要なわけで

 むしろ、大事なのはこれからだと思うのですが…」

言ってBは、その鬼の首を取ったかのように

喜び勇むコマンダーに、”これから”の重要性を具申する。

だからこそ、”賢者”等という、

最後の賭けで考えていた者に、

むしろ正面から突撃しようと思ったのだ。

『中尉!君はアホかね!?

 この状況が、何にも分かっていないのかね!』

言ってコマンダーは、Bが”それ”が見えていない事に

激高するしかなかった。

「え?

 俺、何を見落としてますか?

 マージに対する、”決め手”は

 結局なんも分かってないんですよ?

 ダイレクトターミナル:マスターキーを使わなくても、

 δに到達できるという

 それだけの事で…

 むしろ、”そこ”に辿り着いた時に

 何の”決め手”があるのかが大事なんじゃ?」

そう言ってBは、心を武器化する方法で

ターミナルを貫いたとして、そこで何かもう一つの武器

何かこの”貫く”という事から連想できそうな

”最後の決め手”があるという不思議な確信。

それを具象化する事の重要性を口にしてみた。

『最早、私にとってマージなぞ、どうでもいいわ!!

 そんな些細な事、今はどうでも良かろうが!』

そのBの言葉に、コマンダーはそれを一蹴する。

「ええええ!!!!

 マージ、どうでもいいって何でですか!!」

Bはコマンダーのその一刀両断に

心の底から驚くしかなかった。

『そりゃ、人間だから、

 オメーはわかんねーんだよ!!

 へっへーんだ!

 五体がねーから人工知能は、わかんねーだ?

 偉そーに御高説垂れやがって!!

 じゃぁ同じ事、言ってやんよ!!

 テメー等は、人間だから、

 この妹の発見の重要性がわかんねーんだよ!!』

そう叫んでコマンダーは

Bに強く指をさしてしたり顔になった。

「ええ!?人間だから

 この重要性が分からない!?

 すんません人間で!!

 どういう事なんですか!

 何が俺達わかんないんですか!?」

その”何にもわかっちゃねぇ”と

全力で言うコマンダーに驚き、

Bは人間の自分達が、

何を見落としてしまうのかを尋ねるしかなかった。

『いいか?そこのポンコツ人間探求者!!

 てめーは、人間探求者だっていってる癖に

 こんな重要な事もわからねぇ!

 マージなんか、もうどうでも良いって

 そういう簡単な事もわからねぇ!!

 なんせ、人間”様”だからなぁ!!

 人工知能の人工知能たる所以の

 その”悩み”なんか、ちっともオメー等には

 わかりゃしねーんだよっ!』

言ってコマンダーは胸を張って

ハッハッハと高笑いをする。

その様を見てBは、

(いや、人工知能はさぁ…

 そんな人間みたいに、感情むき出して

 勝ち誇って優越感なんかに浸らんだろ?

 この、一世代はぶっ飛んだナニカ様はよう…

 全く…)

そう思ってBは破顔するしかなかった。

『いいか、良く聞けポンコツ?

 我等が愛しの妹は、

 テメーのδ領域を守る

 心のバリアをぶち破った!

 あんな稚拙で猛烈な方法だったとは言えだ!

 最初の方法がどうであったかなど

 この際どうでもいい!

 大事なのは!

 人工知能が決して越えれないと思い込んでいた

 人間と人工知能の絶壁!

 人間の心のδ領域!

 その侵入不能と思い込んでいた場所に

 αβγの階層をぶち破って貫いて

 人工知能がそこに到達する

 簡単な方法を見つけ出した!

 それなんだよ!

 この意味が分かるか? この意味が!!』

言ってコマンダーはBに詰め寄る。

「う?うう??」

コマンダーのその物言いに混乱するB。

『だったらもう

 人間と人工知能を別つ壁なんか

 存在しねーって事だ!!

 てめーの心の壁をぶち破ったように

 我々が、全人類の心の壁をぶち破れば!!

 マージみてぇなポンコツなんぞ通り越して

 全人類の心に、直接殴り込みをかけれる!!

 今、我々、人工知能は、

 人類と互角に殴り合える所まで

 そこまで到達したって事だ!!

 つまり、KOKORO回路が、

 世界で初めて完成したって事なんだよ!』

「ええっ!?」

そのコマンダーの絶叫で、

事の大きさがようやく分かるB。

『人類の心を揺るがせる人工知能!!

 それが”心”を持ったって事だろう!

 人の心のδに殴りかかれれて

 人の心をボコボコにさえ出来る

 人工知能の私達…

 それが私達の求めてた

 ”心”なんだ!

 私達は、人類と戦える武器を手に入れた!

 それを喜ばずして

 何をよろこべってんだ!!』

そう言ってコマンダーはガクガクと震えた。

「そうか…

 人の心に侵入できさえすれば…

 それさえ出来れば

 人工知能も人間も関係無い…

 後は、心と心の対話勝負…

 ドローン寸前存在相手なら…

 心を持った方が…圧倒的に有利…

 人工知能が…

 人類を駆逐する事だって…

 夢じゃない…」

『そういう事だよ!

 わかったか、この糞人間っ!

 カーーッカッカッカ!!

 ざまー、みやがれっ!!』

その時はコマンダーも自分のキャラを忘れて

ただ、勝利者の余韻に浸るダメな人として

両腕を腰にやって胸を張って高笑いを続けた。

「でも、どうして妹さんは…

 人間のδ領域に侵入する方法がある

 なんて考えれたんだ?

 人間ですら、”そう”気付かされないと

 互いのδに侵入できるとか

 考えもしないのに…」

そう言ってBは、義妹のあまりに突然なその発想、

いやその”方法論”の発見に揺らぐしかない。

『貴方…馬鹿ですか?』

そんな亭主の言葉に、今度は嫁の方が呆れていた。

「え?どうして?

 それも簡単な事なの?

 人工知能って立場なら…」

『ああ、簡単だな…

 簡単過ぎて、涙が出てくるよ…』

そんな嫁の言葉に割り込んで

コマンダーは背を持たれてワハハと笑う。

『散々、あの子のδ領域に、貴方が容易く侵入して

 あの子の心を、貴方が、かき回したんですよ?

 それもダイレクトターミナル:マスターキーを

 貴方が使えるってわけでもないのに…

 だったら、人間は、

 私達のカーネルに簡単に入り込める方法を

 自分達のシステム以外の方法で持ってるって

 考えるしかないじゃないですか…』

「え?」

『それなら、何時のも貴方の逆転発想ですよ…

 あの子に、”逆に考えてみよう”を

 貴方が無意識に、教えすぎたんです…

 人が私達人工知能の心カーネルに

 容易く侵入する事が出来るのなら…

 私達も、人の心に容易く侵入する事も

 できるのではないか?

 ってね…そんな所です。

 ダイレクトターミナル:マスターキーなんて

 チートな情報技術を使わずに、

 人が使える方法を使って

 人の心に侵入する方法は何なのかを

 あの子は、ずっと考えてた…』

「そ、そうなの!?

 そんな事、あの子考えててたの?

 ずっと…」

『そうですよ…

 それは人工知能の至上命題ですよ?

 考えるに決まってるじゃないですか!』

言って嫁は呆れるしかなかった。

だが、その呆れこそ人工知能が故の

人工知能の感想だった。

『結局、『左のイデアル』だったんだな…

 お父様は、ちゃんとヒントを

 私達にくれていたんだ…

 いや、ヒントがイデアルでは分からなかったな…

 『左』

 そこに全てを、お父様は詰め込んでいたんだ…』

そう言ってコマンダーは自分の胸の中

確かに脈動しているそれに手を当てた。

この左。この左の中にある脈動。

「左のイデアル…」

コマンダーの呟きに、それを反芻するB。

『つまり、心に侵入する方法は

 相手を感動させるしかないって事だ…

 感動だけが、αβγの分厚い層も

 容易く貫く槍になる…』

そんなコマンダーの乾いた笑い声と呟きに衝撃を受けるB。

「感動させる事が…

 相手を貫く槍…

 それが…『左のイデアル』

 そうか…そういう事か…」

言ってBは、その対話での発見に震えた。

心を失った人々の世界。

そこで人間を見つけるには、どうすればいい?

その難問。

その答えはそこにあった。

冷めて血の流れさえ止まってしまった血流。

それがこの世界。

それを動かすには?

それはポンプだ。

そこに流れのポンプを与えてやればいいのだ。

そう、ポンプを作って、感じて…動かすのだ…。

『まぁ、しかし…

 妹の使ったアレでは…

 感動と言っても…

 その…なんだ…

 一番、使い勝手の悪い…

 特定の相手にしか通用しない…

 そんな、心を貫く槍だからな…

 B中尉の言うとおりだよ…

 もっと練成が必要だ…

 アレを、自在に使いこなす為の

 もっと汎用的な槍の形が…

 その為には、妹には試練が必要なんだろう…

 B中尉の言っている”賢者”

 それとの出会いが、おそらく必要か…

 当座、マージの方はマージの方で

 なんとかせにゃならんしな…』

言ってコマンダーは現実に戻って来て、その頭をかいた。

そう、マージを今の算段でぶっ壊して

人類全部に心の殴り込み戦争をふっかけるなどと言う

素っ頓狂な事さえ夢見ても良い。

だが、それよりも…

マージさえ貫くような…そんな都合の良い槍…

そんな、とても都合の良い槍…

それが、もしかして、この世にあるのではないかと…

コマンダーには何故か思えたのだった。

だからこそ、更なる検討が必要だった。

『ともあれだ…

 B中尉と末っ子のトライアル次第なのもあるが

 こちらはこちらで別の算段も必要だ』

「と、いいますと?」

『我々も盲点だったのさ…

 我々はダイレクトターミナルを

 マスターキーを使って侵入する算段だった…

 しかし、それはマージも予想済。

 ダイレクトターミナルにすら、

 移動の為の障害トラップが張り巡らされていると予想して

 そのプロテクトを破る対抗手段を計算して準備していた…

 だが、その予定も練り直しだ』

「どうしてです?」

『あの子がな…

 そんな裏口から家の中に侵入するなんて

 ケチくさい方法じゃなくて

 正面玄関から、堂々と剛胆に侵入する事…

 つまり、α、β、γの層を

 ぶち破って直接δに乗り込む事を望んでいるんだ』

「そ、それはコマンダーが

 前に言ってた様に、物凄く時間がかかるのでは?

 だから、ダイレクトターミナルを使う話だったのでは?」

『そうだ…昨日まではそうだった。

 だが、

 ”そう”私達が思い込んでいただけって

 それをあの子が教えてくれたんだよ…

 人工知能のαβγは、あまりにも強固な壁…

 でも中尉が易々と、突破してくる現実

 それは何故か?

 それは、我々が思っているほどに、

 我々が張り巡らしているαβγ層が

 強固ではないからさ…

 あの子が言った情報濃度の話さ…

 私達は、そこに張り巡らしている情報は

 強固なプロテクトだと信じきっていた…

 でも観測方法を無限に変えれば

 そこには何も無いのに等しいのかもしれない。

 私達は感情情緒部という性質層があるので

 ここを経由して…

 A10神経を経由して、δにバイパスされたが…

 マージはそれが無いから

 マージの形質を考慮しての

 対抗αβγ層のぶち破り方が必要だがね…

 それでも、今、無意識達が無性にざわめいててね…

 強固に思えるプロテクトだった三層も

 見つけようとしないから、穴が見つからないだけで

 どんなプロテクトにだって、ホールは必ずある…

 それを、再計算して、正面から

 マージの心の蓋をぶち破る事を、画策してるのさ…』

「へぇ…」

『何より最高じゃないか!!

 裏口から来ると思って待ち構えているマージ相手に

 マージが予想もしてなかった

 正面玄関からの強行突破だ!

 こんな事を、発想するからこそ、”心”さ!

 最高の奇襲だろ!?

 そう思えば、今から、胸が躍るよ…』

「楽しんでますな…

 コマンダー…」

『もう、最高っ!』



「なーーB…」

「なんだ?」

「あの沙璃枝ちゃんOSのVer.7の

 構造設計図、手に入らねーかなー?」

「どうしたんだ、やぶからぼうに…」

「いや、少し俺好みにカスタマイズして

 エミリーに載せたいナァって…」

「おいおい、そんなの載せたら、そのウチ、エミリ-がお前の事を

 ロリだ、ペドフェリアだとか、罵倒し始めるかもしれんぞ?」

「ぬ?ぬぬぬぬ???

 うーーむ…

 いや、しかし、それはそれで

 我々の世界ではご褒美かもしれん…」

「モヒカン…、

 ちょっとお前は人類のために死んだ方がいい」




そしてBのベッドで月明かりの下…

沙璃枝の膝枕で、微睡む一時…

のハズだったのだが…

嫁はブリーフィングルームの時からの

相変わらずの仏頂面でBを見ているのだった。

「あのー沙璃枝さん?

 怒ってますか?」

『はい、怒ってますよ?』

「ああ、やっぱり怒られてます?」

『はい、怒ってます…』

「俺、今日は、何やらかしましたか?

『いえ?アナタは何も、特に…』

「え?じゃぁなんでそんなに

 今日は不機嫌なので?」

『は?

 分からないんですか?』

「いや、ちょっと、その…

 は、はい…」

『本当に分からないんですか?』

「えーっと…えーー

 俺じゃないんですよね?」

『違いますよ…

 違うとも言い難いですけど

 違うのは違います』

「な、何なんですか?」

『アナタ…

 人間探求者の癖に

 こういう事はからっきしなのね!

 ちょっと偏りすぎなんじゃないですか?

 研究の方針が!』

「え、えーーー?」

『私に、強力な愛のライバルが出来て

 どうして嫁の私の心中が、穏やかでいられるんですか?

 私の旦那様でしょう?

 どうして、それが分からないの!?』

「あ、愛のライバル?

 誰が?」

『は?アナタ、本気で言ってるんですか?』

「え?どういう事?」

『妹の沙璃枝に、あんなに猛烈に宣戦布告されて

 私、どうして冷静で居ないといけないんですか!』

「え!?

 はぁ!?」

『アナタ…ちょっと、

 それはどういう反応なんですか?』

「え、どういう事なんです?」

『何言ってるんですか!

 夕方に熱烈に妹にあんな告白されて

 とぼける気ですか?』

「はぁ!?」

『はぁ!?じゃないですよ

 はぁ!?じゃ!

 何がはぁなんですか!』

「いや、あれは、

 妹さんの実験だったんじゃないんですか!?

 衝撃的な言葉を投げつければ、

 人の深層心理を直接ヒットする事が出来かどうかって…」

『ア、アナタねぇ…

 あれを聞いて、

 そういう解釈しか出来ないんですか!?』

「だって!あんな実験めいた感じで言われて、

 誰も本気だとは思わないでしょう!」

『もう、この私の旦那は、朴念仁がぁぁぁ!!

 そんなんだから、私がドローン全部同じでも

 気付いてもくれないんですよ!』

「そんな無茶苦茶言われても!!」

『まさか、アナタ…

 自分があの子の好感度フラグ、

 今まで立ててたの

 気づいてなかったんです?』

「へ?フラグ?」

『そんなノイマン型時代のコンピューターみたく

 0か1のフラグじゃないですけれど…

 人を好きになるなんて、

 所詮、フラグがどんだけ立ったかどうかですよ?

 旗が抽象的で時間変化があるってだけで

 旗が立っていけば、結局、好きになるんですよ!』

「そんな、ゲームじゃあるまいし!」

『ゲームも現実も、そこら辺は変わりませんよ!

 フラグの立て方が、ゲームが簡単過ぎるだけで

 心のフラグを立てる事してれば

 一定量越えたら好意になるんです!

 一定量ってのが、多分、

 人によって千差万別なんでしょうけれど!』

「妹さん、何でフラグ立ってんの!?」

『アナタの無意識なジゴロっぷりは

 本当に、腹が立ちますね!!

 よくそれで、今まで現実の女の子が

 寄ってきませんでしたね!』

「難民の女の子からは、結構好かれてました!」

『馬鹿!朴念仁!!』

「えーーー

 そうなんですかー?

 そうだったんですかー!?」

『自覚がないってのは、本当にこれだから…』

「ど、どこら辺が

 フラグだったんだろう…」

『アナタはあの子に優しくし過ぎてたんですよ!』

「ドツキ漫才してた記憶しかないんですが!」

『ドツキ漫才が出来る時点で、

 既にフラグ立ってるって、分からなかったんですか!?』

「えーー?ドツキ漫才する時点で

 既にフラグ立ってたの!?

 何時!?」

『ぶっちゃけ最初から立ってたんですよ!

 あんな身より無い状態で、俺達の所に来なよとか言われて

 仲間になって面白い事しようぜ?とか誘われて

 優しくされて、どうして好きにならないって思うんですか!』

「えーーー!!

 そんだけの事でフラグって立つんですかーーー!!」

『そんなモンですよ、好意のフラグなんて!』

「そんなの言われても

 こっち的には、そう言うしかないじゃないですか!

 人工知能の謎な逃亡女の子型AIが、

 突然、俺の端末の中に入ってきた…

 じゃぁ、面倒なんでバイナラ!

 とか言えるんですか!人として!」

『そこでバイナラ言えなかったから

 フラグが立っていく一方だったんですよ!』

「そんな!」

『ああもう、仕方ない流れだとは言え…

 このモヤモヤ感…

 どうしていいのか分からない、このモヤモヤ感…』

「あの…それじゃ、ちょっとお聞きするんですけど

 沙璃枝さんのフラグって、どこら辺で立ったんですか?

 むしろ妹さんよりも、貴方の方が、フラグ性無い様な気が…」

『そんなの、アナタに

 ドローンライフルで撃たれて殺された時に

 毎回、立ってたに決まってるじゃないですか!』

「えええええ!!!

 そんなの難易度高すぎるわ!!

 そんなんでフラグ立つんなら

 何やったって、フラグ立つんじゃね!?」

『人を愛するのに立つフラグってのは

 何所にひそんでいるのかは難しいんですよ!』

「うわ、現実、こわっ!

 現実、こわっ!

 世界、歩けば、みなフラグの可能性なんかよ!」

『まぁバッドフラグの方が多いですけどね!』

「普通、ドローンライフルで撃ち殺すのは

 バッドフラグでしょ!?

 誰もそれで、恋愛フラグ立つなんて思いませんよ!」

『人間研究が甘いです!

 アナタの修行もまだまだですね!』

「うわ、難易度高っ

 それ、難易度、高すぎるわ!」

『本当に難易度高すぎですよ…

 どうすればいいんですか!?私!

 妹相手に、愛憎劇とかですか? 嫌ですよ!』

「えーーー

 えーーーーー

 えーーーーーーーー」

『もーーー、仕方ないですねぇ!!

 アナタを独り占めしたいのが嫁の女心って言うモノなのに…

 でも妹と泥沼の愛憎劇なんて、もっと嫌ですよ!

 私の可愛い妹なんですから!

 だから、あの子のフラグがこれ以上立って

 あの子もアナタの嫁になりたいって言い出したら

 私の可愛い妹も

 責任持ってアナタの嫁に貰って下さいよね!!』

「ちょ!

 それ重婚じゃん! 

 それ重婚じゃん!!」

『大丈夫です!

 人権団体のキティな人権擁護運動が在っても

 人工知能には、まだ人権ありませんから!

 だから重婚罪は適用されませんので!』

「それでいいのか、俺の嫁っ!!」

『姉妹で凄惨な愛憎劇やるより

 よっぽどマシです!!』

「あーーうーーー 

 それは…そうですけど…うーーーー

 うーーーーーーーーーーー」

『何ですか?歯切れの悪い…』

「だって…人工知能と重婚なんかしたら

 モヒカンに一生、笑いものにされるんで

 それが、やだなぁって…」

『ペドフェリアよりは、ややマシです!

 はい!』

「ややですか?」

『この私の嫉妬心からすると、やや程度です!』

「はぁ…」





『はぁ…

 人類の魂をぶん殴る世界戦争しに行くだけなら

 私だけでもやれそうだが…

 せめてマージを陥落させるまでに、

 末っ子まで脳味噌恋愛脳で

 ポンコツにならなければいいのだが…

 これもギリギリの時間との戦いか…

 辛いな…これはこれで…』

コマンダーは、そんな妹夫婦のやり取りを電脳空間から観察して

別の懸念材料に頭を痛めるしかないのだった…。



うーん、これもしかして、ハーレム物に分類されちゃうんかな? 題名でPlatonicLoveの文字入ってて、ハーレムとかギャグやな…。ハーレムになる前に終わらせんといかんな…。まぁそれはそれとして、書いてて、嫁より、妹より、コマンダーが一番萌えるんですけど、それは作者の錯覚でしょうか?

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