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不明の旅路  作者: 緩衝材
第一章【春よ、帰路を求む。】
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告白

あたし、地底人だから。黒い布を顔にかけないと視界が明るすぎて目が痛くなっちゃうの。


地上にでたらママと約束したお空を見れると思ったのに。全部真っ白だった。


ママは“お空はアリアの目と同じ色”って言ってくれたから。


本当はちょっとだけ悲しかったんだよね。


けどね、ママ。今やっと見れたの。



お空って、すっっっごく青くて綺麗なんだね!!



もう、涙ですぐ近くの顔すらあんまり見えないけど。


───────────────────────


「本当にありがとう。ハルト!ついでにランとソロも!」

「ついでにとは結構酷いこと言うね。アリアにとっては命を救ったようなもんだと思ってたんだけど。ところで…ずっと手を握られてるハルトさん。生きてる?」

「はぁ…はぁ…」

初めて魔法使った…。立てないぐらい疲れてる…。


「あ、ごめん。忘れてた。ハルト、大丈夫?」

「いや命の恩人忘れんなよ。」


やばい…息切ればっかで声出ない…。


「よいしょっと!」

アリアが軽々と春斗の腕を肩に組ませ、無理矢理立たせた。その時春斗はアリアさんめっちゃ力あるな…と思っていた。


「ハルトさん、大丈夫そうですか?」

「うん!多分大丈夫!!」

「アリアが返事したら意味ないだろ。てか思ったけど、地底人が地上にいるの珍しいね。なんでここにいんの?」


「えーっと…あたし、ずっと空を見てみたかったの。

それと、ママに会いたくて。」

「お母さん地上にいんの?」

「ううん、ママもう居ないの。だから屍花の墓地(かばねばなのぼち)に行きたいんだ。」


「かばねばな…?」

春斗が力を振り絞ってようやく声を出した。

ランがすかさず、

「屍花の墓地っていうのは、死後の授護を持っている人だけが、死んだ人と会うことが出来るここからずっと遠い場所。会うためにはもっと条件が必要だけど、基本的に会いたいと思っていれば会えるよ。」

「あたしもママも死後の授護持ってるから、多分会えると思う。」


「ごめんなさい、あの、死後の授護というのは…?」

ため息混じりに、

「なんにも知らんのな。死後の授護はこの世界の生き物のほとんどが持ってる授護。さっき言った屍花の墓地だけで効果を発揮するんだよ。」


「ハルト無知なんだよねー。」

「ぐぅ……。」

実際そうだから本当に何も言い返せない…。


「あの、お話中失礼します。」

ソロがやっと喋り始めた。

「アリアさんとハルトさんは今夜泊まる場所はあるのでしょうか?お二人の様子だとなんだか無さそうに見えてしまって…。」

「あ…忘れてた…。えっ!!どうしよう?!?!

あたし今日の夜泊まるところないよぉっ!!」

春斗も全く同じことを思い出した。

しかし疲れからもう野宿でいいやと思い始めた。


「じゃあ、うち泊まる?」


「「え?」」

「ソロ、うちの親に宿泊者大丈夫か確認してきて。」

「わかりました〜。数秒で戻りま〜す!」

ソロは2人の目の前でバッと消えてすぐにバッと戻ってきた。

「お母さんから、大丈夫だそうです!」

「だ、そうなので、うち泊まりな。」


大きく息を吸い込み大きな声で

『やったぁ〜!!!』

と叫んだ。

春斗の身体は魔法の消費による疲れとアリアの大声による疲れが相まって既に吐きそうになっていた。


「でも、ランのおうちどこ?遠くない?遠かったらハルトが持たないよ。」

その通りである。

「ここから遠いね、ワルドの森だから。でも関係ないから大丈夫。ソロ。」

「は〜い!了解で〜す!アリアさん、失礼しますね。」


その時、春斗、アリア、ランの体は高く上空へ飛んだ。もっと詳しく言えば、“飛んだ”のではなく“跳躍した”の方が正しいだろう。


アリアは子供のようにはしゃぎ、ランはいつもの風景と言わんばかりの顔をし、春斗は叫ぶ一歩手前まで来ていた。そして春斗はこう思った。


この世界怖すぎる!!!ソロさん絶対人間じゃない!!!


あっという間にランの家に到着した。

「アリアとハルト大丈夫か?気持ち悪くなってない?」

「大丈夫!思い込めば…結構…全然…平気……!」

「全然ダメじゃん!ハルトは…吐きそう直前キャンペーンしてるわ。仕方ないな…」

そうすると、ランは回復魔法で瞬時に2人の身体の異常を治し、2人の吐き気はスッと消え去った。


「凄ーい!!!ランは回復魔法上手なんだね!」

「まぁね、ありがとう。ただ声デカイ。回復させない方が良かったかな…」

「ぁ、ありがとうございます…わざわざ…。」

「いーんだよ、別に。ちゃんとマトモに話せる状態になっておかなきゃ。」


ガチャ


そんな話をしているとドアが開いた。

吐き気の話ばかりしていたので家の方に目がいかなかったが、ツリーハウスのような不思議な家だった。

「いらっしゃ〜い!ランの母のメルと言います〜、よろしくお願いします!」

春斗が今まで見たことがある、よくいるお母さんが立っていた。

「いらっしゃい、入っていいよ。」

ランはそういって歓迎した。



春斗達は案内され、ランの自室に入った。

そこでもアリアは子供のようにはしゃぎ、部屋に置いてあるランタン、本、花瓶、花瓶、花瓶…

花瓶多すぎやしないか??というか部屋全体が植物だらけだ。

アリアは色んなものを見て回っている。

そんななかアリアとは対照的に春斗はランのクッションを借りて休んでいた。


「ハルト。」


急にランから声をかけられた。

「話がある。ちょっと来て。」


───────────────────────


春斗はランに連れられて家の裏側に着いた。

急に二人きりになった上、ランが妙に真剣な顔をする。春斗はなんだか緊張してしまった。


ランはその小さな口を開いた。



「ハルトお前、転移者だよな?」



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