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不明の旅路  作者: 緩衝材
第一章【春よ、帰路を求む。】
14/17

終わる日常の始まり

急に展開が進んで諸々混乱しそうだなと思ったので、間にそれまでの過程を作ることにしました。

もしよろしければ読んでください!

朝光が窓から優しく差し込み、ヴァイオリンのピチカートのように小鳥が弾いて鳴く。

そんな中もはや異常なはずの草木龍の雄叫びは日常となる。


その雄叫びで一人のそばかすの青年、春斗が目を開けた。

さらに金髪の少女、アリアにラベンダー髪の好青年、ソロも続いて目を開けた。


しかし同じ部屋で寝ている青薔薇の彼、彼女とも言いきれない部屋の主は目を開けない。

それを見兼ねたソロが体を揺すって無理やり起こそうとした。


ところが寝返りをうつだけで起きようとはしない。

そのため次は声をかけてみた。


「ラン〜朝だよ〜、起きて〜」


中々起きない。仕方ないので手に収まりきる程の小さな氷を作り出し、首に勢いよく当てた。


「冷たっ!!」


「あ起きた、おはよ〜」


氷を当てると飛び起きたためソロは微笑みながら言った。

起こされた本人はなんでも氷で起こさなくても良くないかと言いたげな表情であるがその部屋の誰もそんな事は気にしていないため、すぐにそんな感情は消え去った。



─────────────────────────



全員とも起きてすぐ洗面所へと顔を洗いに向かった。

ルーローズ家の洗面所は6人も入るとなるとかなり狭くなる。


特に肩幅が一番大きく背丈も高いイヤモンはなんとも窮屈そうだ。イヤモンの事を察したサフィニアは用を終わらした後、すぐに洗面所から出た。


その一連の流れを過ごした6人のうち、そばかすの一人が心の内を口に出した。


「…イヤモンさんとサフィニアさんは何故ここにいらっしゃる…んですか…?」


「あたしもいつ言おうかなーって思ってたところ…」


春斗だけでなくアリアも不思議に思っていたところだったらしい。


アリアはその不思議さが故、もしくは朝だからか、いつもより声が小さく聞こえる。

尚、春斗はいつもの事である。


「昨日の夜メルさんとラカンさんに聞いて、全く問題は無いと言っていたから親睦会も込めて泊まらせてもらったんだ!」


「にしては親睦会らしい事全くしていないけどね。私は直々にメルさんに誘われた。特に用は無いしいっかって思って。」


イヤモンとサフィニアが続いて答えた。当たり前のことではあるが、メルとラカンから許可は降りていたようだ。


「親睦会かぁ…たしかにあたし達昨日ちょっと話した以外なんにもやってないね!今からやる?!」


「えっ、それはちょっとキツ」


「いいなぁそれ!今からやるか!!」


アリアの思わぬ提案にランが一言申そうとすると、それに食い気味にイヤモンが目を輝かせて賛同した。


きっと、とういうより絶対、イヤモンはランの話に耳は傾けていないだろう。

先程の食い気味がそれを表している。


アリアとイヤモン以外の4人の中で精神年齢の幼い脳筋な二人という印象に決まったのだった。


そんなこんなで、勝手に親睦会らしきものが狭い洗面所で始まり誰もこの状況に突っ込めない中、メルが声を聞きつけてやってきた。


「ちょっと、何やってるの?もう朝ごはん作るから手伝って欲しいのだけど、いい?」


春斗、ラン、ソロ、サフィニアの4人は内心ホッとしてメルについて行った。

そして突如始まった親睦会らしきものは突如幕を閉じた。

残された二人は何も考えずに親ガモについていく子ガモのように後ろをついて行った。



─────────────────────────



メルが作るごはんはいつも美味しくて暖かい。

春斗はその度に現代にいた頃を思い出しては、目の前のごはんを食べて心の中で感嘆する。


そしてその美味しさから全員があっという間にご飯を食べ終わった。その後、ラカンは仕事に向かいメルは見送り。

それ以外の春斗達はまたランの部屋に戻って

アリアとイヤモンが言うには親睦会の続きをするらしい。


大体4人が定員だと考えられるランの部屋に6人も居るため完全に定員オーバーであり、かなり洗面所ほどではないが、少し窮屈に感じる。


そしてもう一度自己紹介が始まった。


「はいっ!アリアです!地底人で地上の事なんにも知らないので沢山知りたいです!よろしくお願いします!」


アリアが元気に自己紹介をすると、隣に座っている春斗を小突いて「次春斗だよ!」と小声で言った。


「えっ、ぁあ。えっと…三浦春斗…です。に、人間…?です。よ、よろしくお願いします。」


ここの世界特有の自分の種を説明するやり方に少し戸惑いつつ、無難に自己紹介をした。

するとアリアがほんの少しだけ驚いた顔をした。


「えっ!ハルトってラストネームあるの?!良いとこの人じゃん!」


「えっ、えーっと…まぁ…一応…。」


おずおずと春斗がアリアの呟きに答えた。

春斗は“ラストネーム、つまり苗字は生まれが裕福な所だったりしないと無い”事を学んだ。また春斗は異世界の知識が増えた。


(とすると、ランも元は良いとこの生まれなのかな?ソロはわかりやすいけど…)


そんなことを考えていると次々といつの間にか自己紹介が続いている。


「ルーローズ・ランです。人間と草木人のハーフでーす。ランって呼んでください。」


「ファリソン・ブルー・ソロです。人間です〜。ランに護衛として仕えているのでブルーという名があります。よろしくお願いしま〜す!」


「サフィニアです。菌糸人と吸血人のハーフです。

よろしくお願いします。」


「はいっ!!イヤモンです!!長命種のエルフです!今は大体400歳くらいだと思う!よろしくお願いします!!!」


自己紹介が終わり、春斗は各々の喋り方の特徴や表情がそれぞれを表していて非常にわかりやすい。


しかしここで問題が一つ発生した。


「ねぇハルト、親睦会って何するの?」


「え”っ」


(予想はしていたけどやっぱりアリア親睦会何するか知らなかったのか!てか多分イヤモンもそうだな…そもそも親睦会ってご飯食べながらやるものだから親睦会じゃなくないか…?)


と、春斗は思考を巡らせた。そして同じことをラン、ソロ、サフィニアも思っていた。


これもはや親睦会じゃないのでは…?と。


(と、取り敢えず質問には答えなきゃ…)


「えーっと…ゲームとか、するんじゃないの…?」


「例えば?」


「うーんと…」


春斗が冷や汗を流しながら熟考する。


「と、トランプ…とか…??」


「なにそれ」


(知らないのかーーーっ!!というより無いのかーーーっ!!)


するとサフィニアが呟いた。


「あぁトランプ?」


(あるんかい!!)


思わず春斗はノリツッコミをした。そしてノリツッコミデビューもした。


その様子を見ていたランとソロはおもしろいなこの人…と感じていた。


サフィニアが知っているようだったのでアリアに説明をしていたが、サフィニアがわかりやすくゆっくり説明をしても、アリアは中々理解出来ないようなのでトランプは没となった。


そもそもルーローズ家にトランプは無いらしい。


ようやく親睦会…いや、交流会と言った方が正しいだろう。ようやく交流会のやることが決まった。


それは共通点探しゲームである。


ルールは簡単。

今回の場合は3人ごとに別れて制限時間内に特徴を言い合い、全員が同じ特徴、つまり共通点があれば1ポイント。最終的にポイントが多い方が勝ちである。


因みに今回の場合は負けたグループのうちの一番足を引っ張った人が罰ゲームをする事となっている。


グループ分けは以下の通りである。


めっちゃくちゃがんばろーっ!!!チーム

アリア・ソロ・サフィニア


気長にヤローゼ・うおおおお!!チーム

春斗・ラン・イヤモン


(なんだこのよく分からない名前は!!“めっちゃくちゃがんばろーっ!!!チーム”はアリアが勝手に決めたのは分かる。だけど自チームの“気長にヤローゼ・うおおおお!!チーム”はなんなんだ…?なんでやろうぜがヤローゼになってるんだ??)


春斗の「なぜ」が各チームの名前によって溜まりに溜まってもはや表情すら動かない。


しかしこの不思議な世界で春斗はもはや少し諦めてる部分もある。

そのためもう春斗は考えるのをやめてゲームに向き合った。

読んでくださりありがとうございます。

この話の続きは少し長くなってしまうと思いここで切らせていただきました。

そのため早めに次の話を書きます。

今後ともよろしくお願いします!


以下補足です。


各チームの名前は、春斗の予想通りアリアが勝手に決め、あとの2人はなんでもいいとのことだったのでこうなりました。


気長にヤローゼうおおおお!!チームは春斗はソロとサフィニアと同様になんでもいいのでランの「気長にやヤローゼ」とイヤモンの「うおおおお!!」をそのままくっつけてこんなことになりました。


割とどっちも即決です。


アリアがトランプを知らなかったのはシンプルに地底の方にトランプが輸入されなかったからです。

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