第14話「成長」
予選後、代表とドライバー2人で予選の反省会をしていた。
あ、ちなみに、予選結果は以下の通りだ。
26号車 松下 2位
27号車 ハリソン 6位
ハリソンにとって6位は参戦開始以来最高順位となった。
そして、反省会をしている時のハリソンは目を輝かせながら、まるで子どものようにさっきのことを監督に伝えていた。
こいつ、意外とかわいいな…
「あ、それと、ジャック(彼の愛称)、これ」
「ん…?重っ!?」
「それ、さっきの予選中後ろから走ってみてて気になったところ。」
「い、いらねぇよ、こんなもん!」
と言いつつも、書類を持ちながら、テントへと入っていった。
その後、彼が入っていったテントを覗くと、必死に書類を読んでいた。
「素直だな…あいつ…」
「どうした?忘れ物でもしたか?」
モントーヤに声をかけられる。
「あ、モンさん。あれみて」
「ん?お、あいつ勉強熱心だな。」
「あいつ、多分ワガママなのは作りのキャラなんじゃないすか?本当は多分覚えいいやつすよ。」
「あとは、あの紙読んで成果が出るかだな。」
「多分、次戦くらいには出ますよ。」
効果が出るのは想定より早かった。
翌日の決勝、順位を落としながらも8位でフィニッシュし、初のポイントを獲得した。
松下も1つポジションを上げ、久しぶりに優勝を飾って見せた。
「ジャック、あの書類読んで効果あったな。」
「は、はあ?よ、読んでねぇよ!」
「嘘つけぇ、昨日しっかり読んでただろ?」
「な、な…」ジャクソンの顔が赤くなる。
「お前、本当は結構勉強するタイプだろ?書類少し読んだだけでここまで結果が出てるんだからな。」
「…ありがとよ…」
「^^どういたしまして」
「表彰台、行って来いよ。遅れるぞ」
「フフッ。素直になれよ」
そう言い残し、表彰台へと向かった。
表彰台に立つと、両方の選手に祝われる。
それに応え、トロフィーも受け取る。
やはり、ここから見るこの景色が最高だ。
みんながレースを勝ち抜いた3人を祝っている気がする。
「さて、表彰式が終わったら、報告するか。」
表彰式後、ピットに戻った。
「優勝できたよ〜」
チームメンバーから歓声が上がる。
「今回はいいレースだったね。それと、ジャックの才能が開花したね。」
「だな。お前のあの資料のおかげでジャックも速くなれそうだ。」
「多分、来年には優勝できるんじゃねぇかな。」
「なんなら今年中には表彰台にも上がれるんじゃないんすか?」
「ま、なんにせよ、あいつも上位を争える選手にはなれそうだ。」
そして、この時点で松下はドライバーズランキング2位、残りのすべてのレースで優勝すればチャンピオンが確実に狙える。
もちろん、それを阻むのはARTへと移籍した永野。彼もF2のチャンピオンタイトルを狙っていた。
そして気づけばレースも残り2戦。
シーズンは終盤戦へと突入する。




