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お兄ちゃんの妹じゃないもん!  作者: ふう♪
第1章平凡な日常と偶然の出会い
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第8話思わぬオフ



 気がついたらもうすでに夜が明けており、しかも朝の8時だった。


 香織と真美はもう学校に登校しており、家にいるのは寝坊した俺と今日は仕事が休みの母さんの2人だけだった。


「うおおおおぉっ! なんで誰も起こしてくれないんだよ!」


 そんな情けない言葉を叫びながら急いで着替えている俺。


「真美ちゃんも香織も和也を必死に起こそうとしてくれてたんだけどなー、夜遅くまで何してたか知らないけど和也全然起きないしねぇ」

「うっ……」


 心当たりがありまくりで動揺しかないんだが……

 母さんの一言によって俺の肩は一気に強張った。


 それを見て何か思ったのか母さんはため息を吐くだけだった。


「……はぁ。とりあえずまだ間に合うから早く急ぎなさい」

「……はい」


 これ以上詮索してこない母さんに感謝しつつ俺は何も食べずに家を出た。


「くっそ……!」


 こんな事になってしまったのは間違いなく俺自身が悪い。晩飯の後からあんな時間までゲームしてしかも次の日の宿題までやっていないのだから。

 結局睡眠時間のほとんどはその宿題によって削られた。


 曲がり角を曲がり、ストレートになっている道を全力で駆け抜ける。


 今の俺は自転車くらいのスピードは出ているだろう。これならまだ間に合う!


 そう思っていた時だった。


 交差点になっている道の右側から突如少女が飛び出してきた。目はキリッとしていて、肌はどちらかというと白い方。そして明るい茶色のブラウンが見事マッチしているような耳から上の髪を二つに分けて括ったツーサイドアップの髪。


「えっ?」

「え……?」


 って、これなんのギャルゲーだ! こんなもん回避してやる!

 俺は少女がぶつかってくる直前にに両足を使い、空いている左側に仰け反った。これなら直撃は避けれるはず……!


「わっ!? ……きゃっ」

「……なっ!?」


 だが少女はその場で止まってくれず、前のめりになりながら俺の方に倒れこんできた。


「っ……てぇ」


 ギャルゲーみたいなイベントをもろにくらってしまった。あーもうマジで最悪だ。そう思いながら起き上がろうとするが……


「うわっ!?」

「痛たた……何よもう……っ!?」


 気がつくと少女が俺に抱きつき、俺が少女の腰に腕をまわしていた。はたからみるといちゃいちゃしているカップルのように見える。てかこの子胸が大きい。さっきからめちゃくちゃあたるんだけど!


「いやっ! 何すんのよ!」


 少女はパッと俺から離れると殺気を辺りに撒き散らしながら睨んできた。

 キリッとしている目がそれを手伝っているせいか、余計睨んでいる顔が怖い。


「いや……何するも……っ!?」


 次の瞬間、俺の視界に少女の右足が入ってきた。

「問答無用!」


 こういう展開はよくある事で、怒った少女が攻撃をしてくるのもよくある展開だ。そしてその攻撃をくらうことも。

 だが、あいにくゲームとは違い、リアルでは回避力が高い俺はこんな痛そうな攻撃くらうもんか!


 俺は即座に頭を下げた。その上でブオンと音がなり、俺の髪が少しかすった気がした。


 これでもう彼女は攻撃をしてこないだろう。だがそんな考えは甘かった。


「よっと……! って、まだくんの

!?」

「なんで避けるのよ! この、変態!」


 そう言い、グーでパンチをしてくる少女。それをパシッと受け止める俺。


 もうこれ周りから見たら格闘してるようにしか見えないんじゃね?


「なっ……! むうぅ!」


「ごめん! 怪我はなかった? 俺今急いでるからもう行くね! じゃあ!」


 俺は一方的にそう告げ、少女に背を向けて全力で走り出した。


「あぁ! 待ちなさいよ! 変態!」


 そう言い、俺のあとを全力で追いかけてくる少女。


「くっそおおおぉ!」


 このあと俺は10分ほど彼女から逃げてようやく学校へと辿り着くのであった。




「こらっ、二人共遅刻だよ! しかももう二時間目だし! 流石にこれは先生として見逃せないよっ!」


「「はい……」」


 結局俺は少女とのトラブルのせいで遅刻してしまった。しかも少女と一緒に。


「……ってか、同じクラス!?」

「……何よ。なんか文句あるの?」


 ぜぇぜぇと息を切らしながら俺を睨む少女。そこへ北里先生が少女と俺の頭に手を置いた。


「はい、新城君も城咲(しろさき)さんも喧嘩はしないっ」


「「はい……」」


 俺と城咲という少女はがくりとこうべを垂れるのであった。

 この時、まだ彼女から睨まれているのは気のせいではないだろう……。




「はあぁ……疲れた」


 俺は深くため息をつきながら席へとついた。だがそこには……


「お兄ちゃーん」

「どういうことか話してもらおうか和也」

 ジロリと睨む真美と興味津々な友人達がいた。


「うおおおおぉっ! なんのギャルゲーだそれ! 俺にも教えてく……ぐはっ」

「蓮君は黙ってね。あっ続けていいよ」


 そう言い俺ににっこりと微笑む月宮。マジで怖い。


「お兄ちゃん、それ自分から仕掛けたんじゃないの」

 と、疑惑の眼差しを俺に向ける真美。


「だからたまたまだって!」


「本当?」

「あぁ!」


 その後、少し疑惑は残っているもののなんとか誤解は解けたのであった。


 これにて一件落着落着……


「じゃ、ないのかよおぉ!」

「待ちなさい! この変態ーー!」


 放課後の中、俺はまた城咲という少女に追いかけられていた。しかもアルドラをプレイしている最中にだ。

 更に所々で先生に廊下を走るなと言われるけどそれは出来ません!

 ていうか俺部活に行かないといけないのにあぁもう最悪だ!


「あ! 今その携帯であたしを盗撮してるでしょ! 捕まえたら絶対に壊してやるんだから!」

「ひいいぃ!」


 まだアルドラのバックアップデータを取ってないのに壊されたらたまったもんじゃない。今までの俺の苦労が全部パーになってしまう。それだけは絶対に嫌だ!


 その後も俺はただひたすら城咲から逃げ回った。だが、校舎から出ない限り逃げ切れるわけもなく、俺はついに壁際まで追い詰められていた。


「くっ……」

「はぁ、はぁ……もう逃がさないわよ……」


 ジリジリと距離を詰めてくる城咲。俺にはもう観念する以外に手段がなかった。

盗撮疑惑についてだけは最悪アルドラをやっていたのを見せれば誤解は解けるだろうけどゲーマーだって笑われるだろうしな……


 いや、でも命(データ)には変えられない! そう判断した俺はついに腹を括った。


「俺はこのゲームをやっていただけだ!」

「さぁ、白状しなさいこの変態!」


「「え?」」


 今の状況を説明すると、俺は城咲に向けて携帯の画面を見せており、城咲はまるで壁ドンのように俺の後ろの壁をバンッと叩いていた。それが同時だった。


「えっ……アルドラ……?」

「え?」


 途端、瞬く間に城咲の表情が驚いた顔になっていくのが分かった。


「知っているのか……?」

「えぇ、まぁ……あんたのキャラ見てもいい?」


 うん? なんか話が別の方向に向かっているような……


「お、おういいけど……」


 俺が許可すると彼女は携帯の画面をタップした。更にそこからスライドしたりしていく。


「あんまり弄らないでくれよ……あれ?城咲?」


 いつの間にか城咲は携帯の画面を見たまま固まっていた。声をかけてみるがそれでも反応しない。


 しばらく待っていると城咲はポツリと呟いた。


「もしかしてあんた……KAZU?」

「っ!?」


 俺の事をKAZUと呼ぶ奴なんて二人しかいない。そしてその二人の性格はチャットを通じてある程度分かっている。一人は気が強くてもう一人は大人しい。という事は……消去法で……


「……もしかして、レナ?」


 俺が呟くと城咲は物凄く慌てた顔をした。


「っ! そ、そうよ! ……って、」


「「えぇーーーーーーーーーーー!?」」


 この時の俺達の声はグラウンドにいるサッカー部の人達の所まで聞こえてたとかどうとか。




 新城と城咲がなにやら言い合っている中、その様子を階段で見ている人物がいた。


「……っ」

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