第23話 一瞬で頓挫
いつまでもこうしてうじうじしてても仕方ない。計画を立てよう。
私は両手でほほを叩いて気合を入れた。そしてベッドの上に座って、部屋の全体を見渡す。
とにかくすぐにここから逃げるぞ。
でも部屋から出られる扉は一か所。そしてこの扉の向こうには常にソフィアさんと護衛騎士がいて、バレずに出ることは不可能だ。
今考えると普通に閉じ込められている。今までの私はよく無視できていたな。
となると、窓……しかないか。しかしこの部屋は王宮の四階にある。
とりあえず私は窓を開けて、真下を見下ろしてみた。
めまいがする高さ。おまけに下は石畳だ。近くに生垣や木も全くない。もしここから飛んだら大けがは確実だ。下手したら死ぬだろう。
古典的だけど、シーツとかを結んでロープにしてみる……? 四階だけど、長さ足りるかな……いや絶対足りないよね……無理かー。
そう思ったとき、この前脱ぎ捨てたままにしていた、掃除用のメイド服が視界に飛び込んできた。
そうだ。メイドさんのフリして逃げればいいんじゃん。
①メイド服を着る。
②シーツで作ったロープでなんとか三階に降りる。
③そのまま裏口から出る!
完璧だ!
変装と言うほどのものではないが、普段は適当に結んでいるだけの髪をすべてキャップにしまえば、かなり印象は変わる。ぱっと見では気づかれない……と思う。そして城の裏口から裏門に出てしまえば、見張りの騎士が最低限しかいないのはその辺りの掃除をしたことがあるので知っている。
余程運が悪くなければバレないだろう。……うん。余程運が悪くなければ。
そうと決まれば、早速準備だ。
私はもうかなり着慣れた自分のメイド服に着替え、急いでベッドからシーツを剥いでいった。そしてシーツを窓枠の装飾にひっかけて窓から垂らす。シーツが風でパタパタとなびいた。
うーん。我ながら素晴らしい出来だ。これならいけるだろう。
そう思い、私は窓枠に足をかけた。
あ、思ったより高い。そして高い場所だから風が強い。結構怖いな……大丈夫かなこれ。
そんなこんなで私がまごまごしていると、廊下からどたどたと足音が聞こえた。
こっちに来てる!?
逃げようとしているのがバレたらまずい。
急いで窓を閉めて、剥いだシーツを隠すように掛け布団で覆い、何事もなかったかのように椅子に座った。メイド服を着ている言い訳は後で考えよう……
椅子に座ってから窓からシーツが丸見えだということに気づいて、急いで立ち上がってカーテンも閉めた。
ふいー。間に合った。
そう思った瞬間。バンッ!という荒い音と共にドアが開かれた。
「やっと能力を使ったな! 女狐が! 牢にぶち込んでやる!」
えっ、まだ逃げてないのに何でバレた?
というか能力って何のこと?




